CASE STUDY 富士通エフサス

日本中の企業にとって喫緊の課題となった働き方改革。ただし、残業時間短縮などの改革に乗り出したものの、業務の生産性を向上できたという企業は少数派であるのが現実だ。それでは、改革を成功に導くための秘訣は何なのか。顧客のビジネスを支援してきた経験とICTの知見を生かして、日々の実践を通じて、生産性向上に取り組んでいる富士通エフサスの事例から成功の鍵を探る。

残業削減からのスタート

働く時間、場所、働き方、ワークライフバランスなど、様々な観点で働き方改革に取り組んでいる富士通エフサスだが、同社も最初に着手したのは、やはり残業時間を減らす取り組みだった。この取り組みに重要な役割を担ったのが、自社製品「FUJITSU Software TIME CREATOR」の「残業抑止機能」である。所定時間後になるとPC画面に大きく注意喚起画面がポップアップ表示され、引き続きPCを利用したい場合には上司への延長申請(承認)が必要となる。これによって、一人ひとりの意識改革や上司とのコミュニケーション機会が増え、またマネジメントルールの徹底もあり、時間外・休日労働時間が20%も低減できたという。

PCの画面に所定時間外を伝えるポップアップを表示。利用延長の申請・承認ワークフローも備える

しかし、当然、意識改革だけで効率化は図れない。2018年にはTIME CREATORの「働き方可視化機能」を活用し、業務実態の数値化にも取り組んだ。この機能は、PCの利用状況から、1日の業務内容を個人・組織ごとにグラフで可視化するもの。同社では顧客への訪問が重要な役割である営業部門が、社内で資料を作成している時間がとても長いことが数値化された。そこで、全国の営業が個々に作成していた提案書を集約し、その情報を活用してAI (人工知能)が提案シナリオに沿った素材を見つけて作成を支援するシステムを導入した。

これにより従来は情報収集と提案書の作成に2日半ほどかかっていたが、数十分に短縮することが可能になったという。数値でビフォーアフターを可視化できる点は、改善投資の判断や効果確認のスピードアップにもつながるだろう。

働き方を大きく変えるには働く環境も重要なポイントであった。そこで取り組んだのがオフィス環境とテレワークの両面での改善である。2011年から全国85拠点をリニューアルし、オープンな対話とコラボレーションを創造するオフィスの整備を進めてきた同社は、2018年5月に首都圏の3つのオフィスを、新本社(東京・大崎)に移転、様々な部門の社員約1500人を集約した。

富士通エフサス 総務統括部⻑
檜森 聡氏

2018年5月の本社オフィス移転を担当。複数あった拠点を大崎へ集約。テレワークなどの実現でも様々な取り組みを実施した。

あわせて場所を問わない働き方を可能にするため超薄型シンクライアント端末を社員に配備し、フリーアドレス化。これまで、育児や介護の事情がある社員に限定していたテレワーク勤務制度も拡大し、自宅だけではなく、富士通グループのオフィスや民間と契約したオフィスなどいつでもどこでも働ける制度に変更した。

総務を統括する檜森聡氏は「テレワークの導入はオフィスでの働き方も変えた。今回の集約では各部門の物理的な距離が縮まり、部門を超えた対話がとても増えている。ノートPC片手にスタンディングで打合せをする姿をよく見るようになった。困ったらすぐに関連部門に相談にいけるということは、お客様をお待たせする時間の短縮にもつながったと思う」と語る。

個々の社員が自発的に考え、
挑戦できる風土を醸成する

富士通エフサス 取締役
経営推進本部副本部長
砂原 佳幸氏

人事を統括。働き方改革では、人事評価などの制度づくりから、健康経営、ダイバーシティなどを担当。チャレンジを支援する風土づくりを心掛けた。

テレワークの課題として多くの企業が、社員の状況が把握できなくなる点をあげる。同社ではプロセスを重視する評価制度への変更や上司と一対一で対話するOne on Oneミーティングなどを取り入れ、風通しのよい風土づくりも同時に進めている。

また、健康経営にも注力しており、重点活動項目に自らの健康意識の向上、生活習慣病対策、メンタルヘルス対策、喫煙対策を掲げている。こういった取り組みが評価され、昨年経済産業省の健康経営優良法人「ホワイト500」に選定された。

働き方改革

富士通エフサスでは、4つの切り口で働き方改革を推進。多面的に取り組むことで、個々の社員が自発的に考えて生産性向上に努めている

人事を統括する砂原佳幸氏は「働き方のポイントをTIME、STYLE、PLACE、LIFEという4つのフェーズにまとめているが、私たちも最初からステップを決めて取り組んだわけではない。TIME CREATORなどから見えた事実に一つ取り組むと、また次に必要なものが具体的に見えてくる。それらを多角的に“まずはやってみよう”とトライを繰り返し、積み重ねてきた結果だ」という。

さらに、働き方改革の秘訣を次のように語る。「インフラを整備しただけでは不十分。個々の社員が自分ごととして自発的に考え、新しいことに挑戦していける組織風土を醸成することが大切と感じている。これからも一つひとつ実践を重ね、改善を続けていく」

Product information

働き方を可視化・分析することで
価値ある時間を創り出す

「TIME CREATOR(タイムクリエイター)」は、上司の承認が下りていない所定時間外のPC利用を抑止する「残業抑止機能」や、勤務時間中の業務内容を個人や組織ごとにグラフとして可視化する「働き方可視化機能」などを搭載するソフトウエアだ。富士通エフサス自身の試行錯誤および顧客企業を支援する経験の中から生まれたもので、働き方改革を推進する企業にとっては心強い製品だ。

タイムクリエイター
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