勤務時間の可視化とPCの強制終了で職員の意識と行動を変革 ITツールで意識改革! 大津市が働き方改革を加速

勤務時間の可視化とPCの強制終了で職員の意識と行動を変革 ITツールで意識改革! 大津市が働き方改革を加速

大津市:日本最大の湖「びわ湖」を擁する滋賀県の県庁所在地。人口は34万2783人(平成31年2月1日現在)。天智天皇が近江大津宮に遷都して以来、1350年以上の歴史を有する古都である

CASE STUDY 滋賀県大津市

滋賀県の県庁所在地である大津市が、働き方改革を加速させている。同市では、2016年度から時間外勤務の削減に努めているが、職員の勤務時間を正確に把握するために2018年に「FUJITSU Software TIME CREATOR」を導入。申請した勤務時間を過ぎるとPCを強制終了する仕組みを取り入れた。これによって、効率的に仕事をする人が評価される風土も醸成されたという。

予定の勤務時間が過ぎると
PCを強制シャットダウン

大津市は、働き方改革の一環として2016年度から時間外勤務の削減に努めている。これまでも「年間750時間以上の時間外勤務を認めない」などの方針を打ち出し、一定の効果を上げていたが、人事課課長である小西元昭氏はさらなる改革が必要と考えていた。というのは、月の時間外勤務が100時間を超える職員がいたり、時間外申請の過少申請につながるといった声が出てきたからだ。

大津市
総務部 人事課 課長
小西 元昭氏

同市に限らず、住民サービスの多様化に伴い、地方自治体の仕事は複雑化・高度化の一途をたどっており、勤務時間が長くなる傾向にある。「どこかで歯止めをかけないと、職員の心身に深刻な影響が出るかもしれませんし、働いた分はきちんと支払わなければいけないという労務管理の観点でも至急改善しなければと考えていました」(小西氏)

若手を集めたワーキンググループを立ち上げ、職員の声を吸い上げる活動も行った。ワーキンググループを取りまとめた人事課育成グループリーダーの鹿島良平氏は、長時間勤務の背景に「職員の意識」をあげる。「職員はみんな責任感が強く、第三者から見ると『そこまでやらなくても』と思うぐらい成果物の品質を求めていました」

そこで同市が2018年9月に導入したのが、富士通エフサスが提供する「FUJITSU Software TIME CREATOR」である。このシステムは、勤務終了時間が近づいたことをバルーンで通知するお知らせ機能や、残業未申請のPC利用を警告ポップアップ・強制シャットダウンで制御する機能を備えている。PCの利用延長を上司に申請するためのワークフロー機能もあり、あらかじめ承認を得ていなければ、勤務時間外にPCが利用できなくなる仕組みだ。

PCの画面に勤務時間外を伝えるポップアップを表示。利用延長の申請・承認ワークフローも備える
(写真提供:ピクスタ)

システム導入にあたっては、一般の企業とは異なる課題があった。それは、庁内に分離されたネットワークが複数あることだ。地方自治体では、マイナンバーをはじめとする機密情報をサイバー攻撃から守るために、総務省が提唱した「自治体情報システム強靭性向上モデル」を導入している。このモデルにおけるネットワークは、①インターネットに接続されたネットワーク環境、②地方自治体を相互に接続する行政専用のネットワーク環境、③マイナンバーを取り扱うネットワーク環境の3つに分離されている。TIME CREATORはネットワークごとにデータベースを持って利用者情報を管理しているため、PCが各ネットワークに分かれている環境では多重管理となってしまう。

システム構築を担当した富士通エフサスの葭本帆波氏は「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインに準拠し、かつネットワークが分離された環境でも利用者を一元管理できるような構成で導入しました」と語る。

このような環境への導入にあたっては、人事部門と情報システム部門の密なコミュニケーションが必要不可欠であった。担当職員は、構築・運用を支援した富士通と富士通エフサスを高く評価している。「担当してくれた富士通の小池さんが、両部門の間に入って根気強く調整してくれた。大津市のありたい姿や私たちの思いを実現するためにどうしたらよいかという視点で検討を進めてくれた」(鹿島氏)

大津市では2週間の試行を経て、2018年10月から本格運用を開始。現在は、24時間の緊急出動が求められる消防士や、日常の業務でPCを利用しない保育士などを除いて全庁約2600人の職員が、TIME CREATORを利用している。

意識改革が働き方改革を
成功させる鍵に

導入効果は大きかった。11月の時間外勤務は前年同月と比べて17%削減、時間外勤務が60時間を超える職員も12月には皆無になったという。

大津市 総務部 人事課
育成グループ グループリーダー
鹿島 良平氏

小西氏は、「この新システムの導入は、職員一人ひとりの意識を大きく変え、『長い時間働く人ではなく、効率よく働く人を評価する』風土の醸成にもつながった」と語る。また、当システムの活用により、管理職の意識も大きく変わった。「管理職には、“PCの利用延長申請を承認するということは、部下に残業を命じるということ”、と繰り返し説明しました」(鹿島氏)。この結果、部下から申請があった際、内容をしっかり確認し、業務のバランスを都度調整しようと試みる管理職も増えつつある。

仕事の生産性を高めることなく労働時間の削減だけに努める企業も少なくない。

今回の取り組みについて小西氏は「削減された人件費を市民サービスに振り向けられるだけでなく、職員の心身の健康やモチベーションの向上にもつながり、それがまた市民サービスの向上につながっていく。職員たちが、仕事の生産性を高めようという意識を持ってくれたことは大きかった。また、この一人ひとりの意識改革が、働き方改革を成功に導く鍵だと感じた」と成果を語る。

写真左:富士通 京都支社 公共営業部 小池祥嗣 氏
写真右:富士通エフサスサービスビジネス本部 西日本第一サービス統括部 第二情報サービス部 葭本帆波 氏

Product information

働き方を可視化・分析することで
価値ある時間を創り出す

「TIME CREATOR(タイムクリエイター)」は、上司の承認が下りていない所定時間外のPC利用を抑止する「残業抑止機能」や、勤務時間中の業務内容を個人や組織ごとにグラフとして可視化する「働き方可視化機能」などを搭載するソフトウエアだ。富士通エフサス自身の試行錯誤および顧客企業を支援する経験の中から生まれたもので、働き方改革を推進する企業にとっては心強い製品だ。

タイムクリエイター
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