新サービスでさらなる成長を実現 独自のAIが創る複合機の新潮流 新サービスでさらなる成長を実現 独自のAIが創る複合機の新潮流

  • 富士ゼロックス株式会社
  • 代表取締役社長
  • 玉井 光一
  • 富士フイルム執行役員
  • 富士フイルムホールディングス取締役
  • 富士ゼロックス副社長
  • 富士ゼロックス社長
  • 工学博士

企業研究所の枠を越えた革新を目指す挑戦の精神企業研究所の枠を越えた革新を目指す挑戦の精神

――社長就任から約半年、振り返っての感想をお聞かせください。

玉井2018年度上期の業績は、低採算事業の縮小などにより減収となった一方、前年比約60%を超える大幅増益を達成しました。その後も計画を上回る数字で推移しており、構造改革、副社長時代から着手してきた製品開発期間の短縮などによる収益性の改善をはじめ、様々な施策の手ごたえを感じています。

新たな年を迎え、さらなる飛躍を実現すべく、独自の技術を駆使したより競争力のある商品・サービスを国内外に展開することで、現在約8%超の営業利益率を19年度には10%超に伸ばすことを目指します。

――18年3月には、新たな価値提供戦略「Smart Work Innovation」を発表されました。その狙いと内容は?

玉井企業間競争の激化、働き方改革の推進などを受け、業務の効率化、生産性向上への取り組みが企業の喫緊の課題となっています。当社は同戦略のもと、お客様の競争力強化を支援するサービスの提供をさらに推し進めてまいります。

複合機ビジネスを通じたコミュニケーション支援に加え、オフィスに蓄積するドキュメントから「価値ある知」を抽出し、業務での利活用を実現する当社独自の人工知能技術「Document AI」の研究を長年にわたり進めてきました。例えば、銀行や保険会社などの金融機関、公共機関など、手書きの帳票類を多く使用している現場では、データ入力作業の負荷が課題となっています。Document AIは人の視覚の仕組みを導入し、さらに独自の深層学習モデルを組み合わせることで、複雑な手書き文字を99.96%の高い精度で認識することが可能となります。

その他、製造業や建設業における図面の内容確認や情報抽出作業を独自のレイアウト解析と文字認識技術で自動化する「図面情報抽出サービス」や、輸出先の法改正の影響などに関連するドキュメントをデータリンキング技術で特定する「専門知識体系化サービス」などを提供。すでにお客様との実証実験で、作業時間の大幅削減などの成果を上げています。

アイデンティティは徹底した品質追求アイデンティティは徹底した品質追求

――11月には、新複合機「ApeosPort-VII Cシリーズ」を発表されました。

玉井「Smart Work Innovation」戦略の核となるオフィスのポータルとして位置付けた待望の商品です。

最大のポイントは強固なセキュリティ機能を擁している点です。扱う情報の新暗号化技術は業界トップ水準を実現しています。

新複合機は、業務効率化や生産性向上へのニーズにお応えするため、ソフトウェアやクラウドサービスとの連携もさらに強化しております。モバイル端末との親和性も向上し、外出先からスマホで出力操作ができる“どこでもプリント”環境などを提供。また、クラウド・ソフトウェア連携によるスキャン文書のクラウドストレージへの直接格納や複数のクラウドに格納されたファイルの一括検索など、電子文書の活用を多様化し、新複合機を基点とした価値提供を実現しています。

しかし、便利に“つながる”先には、必ずセキュリティの課題が発生します。昨今、Faxploitやランサムウェアのような外部の悪質な脅威が迫るなか、ネットワーク通信とハードディスクの両面でセキュリティを充実させ、お客様の堅牢なオフィス環境実現をサポートしてまいります。

また、「Smart Work Innovation」を具現化する場の一つとして、オープンイノベーション拠点「Future Edge」を神奈川県海老名事業所内に開設しました。印刷コミュニケーションの生産性向上や働き方改革などを支援する場として、他社製の後加工システムまで含めた印刷工程管理システムを、お客様とともに検証しております。開発・モノづくり技術の基幹拠点である海老名事業所内にあることで、営業やシステムエンジニアだけでなく、開発や生産の担当者も直接お客様と課題を議論しながら、新たなビジネスモデルの実現を目指しており、コミュニケーションビジネス変革の新たな取り組みとして、多方面から反響をいただいております。

――海外の事業展開については?

玉井当社はアジア・オセアニア地域で事業を展開し、A3カラー複合機市場で、多くの地域でトップシェアを維持しています。その強みの一つが、事業を展開する国と地域すべてに直販体制を敷いていること。国・地域によっても異なるお客様のニーズや市場の成熟度に合わせた最適な営業戦略を展開しています。今後も成長が期待できる新興国をはじめ、各市場に適した課題解決を直接お届けすることで、さらなる販売拡大を推進していきます。

神奈川県海老名事業所内に開設された
オープンイノベーション拠点「Future Edge」

皆一人の専門家として自律性を重視皆一人の専門家として自律性を重視

「Smart Work Innovation」の核となる
新複合機「ApeosPort-VII C」シリーズ

――親会社の富士フイルムホールディングスとの連携を含め、今後の展望について教えてください。

玉井AI技術においては、富士フイルムの技術者と研究開発を進めるなど、連携を強化しています。今後も両社の顧客基盤、営業力、技術力を結集し、お客様のお困りごとに対応してまいります。

その実現のためにはサポート体制も要となります。当社は、おかげさまで「J.D. パワー 2010-2018年カラーコピー機顧客満足度調査」で9年連続1位*を頂戴してきました。今後もさらなる迅速な対応、サポートの質向上に取り組み、10年連続CSNo.1を目指します。

また、外部連携の拡大も肝心です。今後も当社の技術や商品を核とし、他社サービスや商品と連携したエコシステムを広げ、働き方改革など、広く社会課題の解決に取り組み、さらなる成長に挑んでまいります。

*ラージ&ミドルオフィス市場セグメントでの実績。2018年調査は従業員30名以上の企業6,868社からの回答を得た結果。
jdpower-japan.com