釣り具のダイワ、ゴルフのONNOF、テニスラケットのPrinceなどを展開し、人々が生涯を通じてスポーツに親しみ、健康な毎日を過ごせることを目指すライフタイム・スポーツ・カンパニー「グローブライド」。同社は2013年から中禅寺湖漁業協同組合と協力し、子どもたちが釣りを通して中禅寺湖の豊かな自然を体験することで、環境保全や命の大切さを学べるイベントを行ってきた。そして2019年は、もっとも豊かな自然が残る中禅寺湖西側エリアで、丸ごと自然とふれあえるイベントが開催された。

東日本大震災で打撃を受けた中禅寺湖漁業協同組合を支援

異常気象による災害が世界的に多発、格差拡大が大きな社会問題となるなど、世界規模での課題が山積する現代。国連ではSDGs(持続可能な開発目標)が推進されるなど、持続可能な社会に向けての行動が、行政にも、企業にも、個人にも求められている。グローブライドも、川や海を中心とした清掃活動などの環境保全活動や、子どもたちに大自然の中で、地球を感じ、いのちと出会い、のびのび育つをスローガンに、魚と触れ合い、釣りの楽しみを教えるイベントなどの社会貢献活動など、数々のCSR活動に取り組んできた。

そのひとつ中禅寺湖でのイベントは、2013年に遡る。グローブライドが苦境に立つ中禅寺湖漁協に協力したのが始まりだ。2011年の東日本大震災後の自粛ムードで、主力産業である観光業が大打撃を受ける。さらに福島原発事故の影響で、2012年中禅寺湖の魚に基準値を超える放射性物質が検出され、マス類の持ち出しが全面禁止された。古くから稚魚放流を行い、釣り人の人気が高かった「マス釣りの聖地」中禅寺湖の伝統が危機に瀕したのである。

その苦境を知ったグローブライドは、自社の知見が役に立つのであれば全力で支援したいと考え、釣れた魚を検体として提供いただくよう呼びかける釣り大会と、子ども向けの釣り体験教室を提案。いずれも大成功を収め、翌年以降もグローブライドの協力のもと、毎年釣り体験教室を開催してきた。

一方中禅寺湖漁協は、古くから行われてきた稚魚放流にこだわり続けた。他の多くの湖とは異なり、中禅寺湖産の成魚から卵をとりふ化させた稚魚を放流し育った天然ものだからこそ、釣り人の人気が高いのだ。だから安易な成魚放流はせず、100年以上続いたヒメマスの稚魚放流を継続。漁協には、時間はかかるが、必ず元の「マス釣りの聖地」に戻るという自然の力に対する信頼があった。その願いがかなったのはようやく2017年。ヒメマスの放射性物質濃度が基準値を下回ったと確認され持ち帰りが解禁。遊漁者※1数も震災前までに回復した。

子どもたちが環境保全や命の大切さを学ぶイベントを開催

中禅寺湖漁業協同組合
福田政行氏

中禅寺湖漁業協同組合
福田政行氏

一段落した今年はプログラムを一新。『日光中禅寺湖・夏休み野外学習「さかなから知る豊かな自然の大切さ」』と題し、中禅寺湖の中でも大自然の息吹が最も感じられる西側の奥「千手ヶ浜」を舞台に、子どもたちにより一層自然と触れ合ってもらい、環境保全や命の大切さを実感してもらえるイベントを計画した。

当日は遊覧船乗り場から約40分のクルーズで中禅寺湖を横断。その間、子どもたちは中禅寺湖の成り立ちや「マス釣りの聖地」となった経緯などのレクチャーを受けたり、湖上から中禅寺湖の自然を観察したりした。船中では漁協組合長の福田政行氏があいさつ。「今日は1日千手ヶ浜の大自然の中でめいっぱい楽しんでください」と語りかけた。

千手ヶ浜に着くと、多くの野生動物が生息する手つかずの自然に圧倒されながら、少し内陸の川原に移動した。川原に着くと、マスのつかみ取りでイベントがスタート。普段生きた魚と触れ合う機会の少ない子どもたちにとって貴重な経験となった。D.Y.F.C※2会員で約20匹も捕まえた小学校6年生の有田怜右さんは、「釣りは好きだけど、手づかみは初めてで楽しかった」と満足気だ。昼食は自分で捕まえた魚を子どもたちが自分で串打ちをして炭火で焼いて食べることで、捕まえた魚に向き合い、命をありがたくいただく意味を考える機会ともなった。

千手ヶ浜から森の一本道を通って内陸の川原に移動。周囲は手つかずの大自然。

千手ヶ浜から森の一本道を通って内陸の川原に移動。周囲は手つかずの大自然。

川を堰き止めた水だまりに放流されたマスを、子どもたちが歓声を上げながら追う。

ルアーの付け方や投げ方は、プロコーチが懇切丁寧に教えてくれる。

川を堰き止めた水だまりに放流されたマスを、子どもたちが歓声を上げながら追う。

ルアーの付け方や投げ方は、プロコーチが懇切丁寧に教えてくれる。

食後は本マスの稚魚1000匹の標識放流を実施。標識放流とは、回遊状況などを調査できるよう魚に印を付けて識別できるようにして放流すること。漁協では震災後一部ながら毎年調査のため実施しており、その体験となった。開始から1時間ほどで作業は終了し、放流が行われた。宇都宮市から参加した小学校5年生の平賀由依菜さんは、「今回放流した稚魚が、大きくなって、川をのぼるところを見てみたい」と語る。

標識放流の準備。経年の生態を把握するため標識は年ごとに異なり、今年は脂びれを切り取る。

標識放流の準備。経年の生態を把握するため標識は年ごとに異なり、今年は脂びれを切り取る。

今年も子どもたちの歓声が響いた中禅寺湖。子どもたちは、手つかずの自然に触れ合いながら様々な体験をすることで、環境保全や命の大切さを学び、自ら考え行動することの重要性を体感したことだろう。自然と触れ合うことが少ない現代の子どもたちにとって、得がたい機会となった。

震災以降苦難の道を歩んできた漁協メンバーにとっても、準備は大変ながら喜びもひとしおだったはずだ。福田組合長は、「グローブライドには、震災後釣り人が誰も来なかった時期から助けてもらい感謝しています。これからもご協力をお願いします」と締めくくった。

※1遊漁者:レジャー目的に釣りや潜水、潮干狩りなどを行う非漁業者のこと。
※2 D.Y.F.C:ダイワヤングフィッシングクラブの略。グローブライドが運営する。1976年に創設。未来をささえる子どもたちに、「自分で考え、自分で工夫し、自分で動く。」体験プログラムを提供している。

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CONTENTS

Vol.1

豊かな自然と命にふれあった1日
-グローブライド×中禅寺湖漁協による野外学習-

Vol.2

被災から8年、再生を果たした自然から身体で感じる
グローブライド×三陸防災復興プロジェクトの取り組み

Vol.3

釣りフェスティバルで見つけたDAIWAの最新技術
- 釣りフェスティバル2020 in Yokohama -

Vol.4

釣りができるファッションコンシャスなウェア「DAIWA PIER39」登場!

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グローブライド株式会社