IT業界で引く手あまたのイスラエル企業。世界では大手企業との提携や資金調達などのニュースが連日メディアを賑わせている。そんなイスラエル企業は今、日本企業に熱視線を送っているという。本レポートでは、2018年に取材したイスラエル関連記事を改めてご紹介するとともに、イスラエル大使館 経済公使 ノア・アッシャー氏に日本企業との連携を目指す理由やそのシナジー効果について伺った。

セキュリティ、デジタルヘルス、モビリティ、HLS、
さまざまな分野で注目を集めるイスラエル

 GDP比での研究開発投資や、人口比での科学者・技術者の割合で世界トップクラスを誇るイスラエルは、さまざまな技術分野で活躍する企業や人材を世界に輩出している。2018年、日経xTECH Specialでは、そんなイスラエルで期待されているスタートアップを多方面から紹介してきた。

 サイバーセキュリティ分野は、地政学的に困難な状況に置かれているイスラエルが得意とする領域の1つであり、IoTが進展する中で、懸念される医療機器をはじめとした各種デバイスのセキュリティや、AIを活用したネットワーク、基幹システム、エンドポイントのセキュリティなど、幅広く先進的なソリューションを開発し業界を牽引している。

 また、ヘルスケア分野では、イスラエル保健省が「Information」「Integration」「Incentive」「Innovative」と4つの“I”を軸にした戦略を策定し、デジタルヘルスがイスラエル経済の成長エンジンになると捉え、インフラ整備を進めている。イスラエル企業10社が来日し、行われたミートアップイベントでは、用意された約300席が満員となり、その注目度の高さが伺われた。

 モビリティ分野では、ライドシェアとレンタカー会社をマッチングするVaaS(Vehicle as a Service)といった新たなサービスインフラの構築や、ドイツの自動車メーカーBMWに認められた高性能なソリッドステートLiDARの開発など、クルマ社会の未来を変えていくであろう魅力的なソリューションが注目を浴びている。

 日本ではまだなじみの薄いHLS(Homeland Security:国土安全保障)分野においても、さまざまな国で発生している連続テロ事件の犯人発見にイスラエル企業のソリューションが活躍するなど、各国から高い評価を受けている。

 世界で引く手あまたのイスラエル企業。大手企業との提携や、資金調達などが活発に行われる中、イスラエル企業は日本企業が提供するハイクオリティ製品を高く評価しており、両者のコラボレーションによる相乗効果に、大きな期待を抱いているようだ。 ここからは、イスラエル企業と日本企業との連携について、イスラエル大使館 経済公使 ノア・アッシャー氏に伺っていく。

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