提供:キリンビール株式会社

森永 卓郎 (経済アナリスト・獨協大学教授)

1957年東京都出身。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て独立。経済、金融、恋愛、オタクグッズなど幅広い分野で独自の論評を展開。コレクターとしても有名で、約10万点の蒐集品を展示する「B宝館」を2014年に開設。

品田英雄 (日経BP総研 上席研究員)

1980年学習院大学卒業。放送局を経て、1987年日経BP入社。記者としてエンタテインメント産業を担当する。1997年「日経エンタテインメント!」創刊編集長に就任し、ヒット雑誌に育てる。デジタルハリウッド大学大学院客員教授(ヒットコンテンツ事例研究)も務める。

キリンの猛進が止まらない。ビール類でシェアを大きく伸ばした2018年に続き、2019年4月には主力ブランドである「キリン一番搾り生ビール」のフルリニューアルを実施。そのインパクトは、5月月間(5月1日~31日を集計期間とする)の一番搾り缶売上で前年度比118%という、世のビール市場のトレンドを覆す数字にも表れている。ビールの売れない時代に、「一番搾り」がヒットし続けるのはなぜか。1990年の「一番搾り」誕生から今年の「新・一番搾り」までを見届けてきた、経済アナリストの森永卓郎と、日経BP総研の品田英雄がその理由を分析する。

飲みやすく、飲み飽きないこのおいしさは「一番搾り」ならでは

新しい時代の、新しいおいしさ
リニューアルでさらに絶好調
「新・一番搾り」

品田 絶好調の「キリン一番搾り生ビール」が、4月にフルリニューアルしました。もともとおいしかった「一番搾り」が、さらにおいしくなって、「新・一番搾り」として登場し、それが売上にも反映されている。この勢いをどうご覧になりますか。

森永 すでに売れているものをリニューアルするっていうのは、ものすごく勇気がいることなんですよね。とくに「一番搾り」は約30年もの歴史があるから、ガラリと変わると長年のファンが離れていってしまう。でも、結果は売り上げにも表れているように大成功。「一番搾り」らしさを大切にしつつ、変えるべき部分は絶妙なさじ加減で変える。そのバランスよく進化したことが、お客様に支持されたということですね。

品田 なるほど。「一番搾り」の味わいへのこだわりですね。

森永 それは「一番搾り」の誕生当時にもいえること。初めて「一番搾り」を飲んだときの衝撃は今でも覚えています。「こんなに爽やかなビールがあるんだ!」って。雑味が無く飲みやすいのに、麦汁の素材の良さが感じられる「これぞビール!」っていうおいしさが生きている。本来、相反する条件をうまく融合させたのが、「一番搾り」のすごいところ。だから飲みやすいし、飲み飽きないんです。

品田 麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」ならではの味わいですね。そもそも製法をそのままネーミングに活かすっていう発想も、当時としては斬新。考えてみれば、「一番搾り」のこれまでは、平成の30年とほぼ足並みをそろえてきたわけなので、このタイミングで「新・一番搾り」が登場するのは必然かもしれませんね。

森永 新しい時代にぴったりの、新しいおいしさ。飲む前からワクワクしますね。

澄んだ味わいのなかにビールのおいしさが際立つ絶妙なバランス感に脱帽!

「一番搾り製法」の伝統はそのままに
さらなるおいしさと飲みやすさを追求

品田 「新・一番搾り」は、「一番搾り製法」をベースに澄んだ麦のうまみとホップの風味が調和し、さらに“飲みやすく飲み飽きないおいしさ”へと進化しているのが特長です。さっそく味わってみましょうか。では、乾杯!

森永 (グイッと)ああ、これは……今までおいしいと感じていた部分がより強調されていますね。しかもバランスを崩さない、いい塩梅で。それでいて、これまでよりもさらに飲みやすい。たしかに、リニューアルして大成功ですね。

品田 すっきりしているから飲み飽きないし、いろんな料理とも合いそうです。何でもそうですが、バランスって大事ですよね。

森永 ほんのちょっとの差が本質を大きく変えてしまう可能性もあるわけですからね。私はコレクターなので、この“ちょっとの差”に敏感なんです。「新・一番搾り」の味はもちろんですが、パッケージに関しても見慣れた「一番搾り」のイメージのままで、ロゴやしずくを大きくすることで、メーカーやブランドのこだわり・自信を感じます。

品田 メーカーにとって、リニューアルはリスクでもある。ましてや、「一番搾り」はもう売れているんだから危険を冒す必要もないのに、それでも挑戦し続け、きちんと結果を出しているのは驚くべきことだと思います。

森永 ずっとリニューアルを当て続けていくっていうのはむずかしいんですよね。実際、世の中にはいじった結果失敗しちゃったという例もたくさんありますし。一方で、既存ファンだけに向けて同じものを提供し続けるという正攻法もありますが、それだと将来が先細ってしまう。「一番搾り」は、そのときどきのライフスタイルの変化やこれから先の未来を見据え、しっかりと消費者のニーズを捉えた開発をリニューアルでしているからこそ、大ヒットにつながっているんでしょうね。

CMの役者陣に共感!「新・一番搾り」を飲むと自然とおいしい笑顔になります

一人ひとりの「おいしい」に焦点を当てた
6本の新作CMも大好評!

品田 「一番搾り」といえば、人気俳優たちがおいしそうにビールを飲むCMも評判です。「新・一番搾り」では、「一番搾り」リニューアル史上最大規模の新広告キャンペーンの一環として、6人の女優・俳優を起用した6本の新作CMが登場しました。

森永 これ見ているだけで、ビールが飲みたくなりますよね。様々なシチュエーションや料理とともにいろんな「おいしい顔」が映し出されて、共感しないわけがない(笑)。

品田 一人ひとりが心からの「おいしい」を表現しているのが気持ちいいですよね。「たくさんの人のいろんなおいしさ」が伝わってきます。

森永 これもまた世相を表していて、ビールって昔は大勢の宴会で飲むことが多かったのが、今は個人や数人の仲間と楽しむのが増えている。つまり、何を飲むかの選択も、個人個人に委ねられるようになったんです。そういう時代に選ばれている「一番搾り」は、まさに消費者が求めるおいしさを体現したビールなんだと思います。

品田 ビールもそうですが、新しい時代になって世の中はどう変わると思われますか。

森永 個人的には、トレンドの大逆転が起こるかもしれないと思っています。平成の時代は東京一極集中でみんな同じような暮らし方働き方をしていましたが、働き方改革が進んで時間に余裕が出てくると、生き方の選択肢も多彩になる。私自身も去年から群馬で農業を始めました。大根やネギ、ニンジン、キュウリ、落花生など20種以上の作物を種から育てているんですが、年月をかけて収穫できると本当にうれしい。

品田 手をかけて育てた分、おいしく召し上がれそうですね。

森永 そうなんです。そして、ビールもまさに農業の成果であり、原料づくりから発酵まで全てが自然の恵み。自然相手のことだから、当然うまくいかないこともある。そのなかで常に一定の水準をクリアする製品をつくるのは並大抵のことじゃないと、自分が農業をやってみて初めて思い至りました。おかげで「一番搾り」をおいしく飲める幸せを、誰よりも強く実感しています(笑)。

品田 自ら育てた新鮮野菜と一緒に飲む「一番搾り」は、絶対においしいでしょうね。「新・一番搾り」にふさわしい、新しい時代を象徴する楽しみ方だと思います。みなさんにも、ぜひ自分らしい味わい方を見つけていただきたいですね。