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紅茶飲料市場を牽引するキリンのチャレンジ 「甘くない*」ミルクティーで新ジャンル創出

1986年に登場して以来、常に紅茶飲料市場を牽引してきた「午後の紅茶」シリーズ。なかでも今年3月に発売され、売上予測を上回る大ヒットとなった「甘くない」ミルクティーに注目してみた。

*「午後の紅茶 ミルクティー」比

消費シーンに合わせた多品種展開がヒットを生む

シリーズ全体が好調の「午後ティー」こと「午後の紅茶」
「午後の紅茶」シリーズは、(左から)紅茶葉の豊かな味わいとすっきりした甘さの「ザ・マイスターズ ミルクティー」、コクのある紅茶葉の香りとミルクの濃厚な味わいの「ミルクティー」、紅茶葉が華やかに香る「ストレートティー」、レモンの爽やかな酸味を引き出した「レモンティー」 、スッキリした後味で食事にも合う「おいしい無糖」などをラインアップ。
午後の紅茶
各500mlPET 140円(税抜)

 「午後の紅茶」は甘い。そのイメージを覆そうとキリンビバレッジが投入した「午後の紅茶 ザ・マイスターズ ミルクティー」が、発売から7カ月で5500万本を突破するヒットを記録している。

 「RTDの紅茶市場全体を見ても、2019年は1月~9月の市場全体で117%伸長しています。2000年以降では、2010年をピークに下方気味だったのですが、今年はまさにV字回復を果たしています」と言うのは、キリンビバレッジマーケティング部ブランド担当部長代理の加藤麻里子氏。

 しかし、清涼飲料市場全体における紅茶飲料のシェアは、まだまだ少ないという。

 「例えば、昨年秋までのコンビニの紅茶棚は1段で、目立ちにくいという状況が多く、既存のユーザーは手に取って下さいますが、他カテゴリーのユーザーの目に触れることは難しい。そこからいかに脱却するかという取り組みを進めています」

 1986年の発売以来、紅茶飲料市場を牽引してきた「午後の紅茶」シリーズは、現在、多様なユーザー層や飲用シーンを想定した多品種展開を進めている。

 「レギュラーは5種類。おなじみのストレートティー、ミルクティー、レモンティーは、変わらない魅力で『午後の紅茶』を支えてきましたが、2018年6月のリニューアル後は売上も好調です」

 無糖茶層にアピールしてきたのは「おいしい無糖」だ。加藤氏によれば、「今年は、カレーと無糖紅茶の食べ合わせなど、食事シーンの提案を行うことで、消費の拡大を目指した」という。

 そして、新たなレギュラー商品として働く女性をターゲットに開発されたのが「ザ・マイスターズ ミルクティー」だ。

 「健康志向が高く、甘くない飲み物を求める一方で、仕事の合間にホッと一息リラックスしたい女性に飲んでほしいという想いを込めて作りました。『マイスターズ』というネーミングには、製法へのこだわりや、ワンランク上の品質という意味も込められています」

※Ready to Drinkの略。蓋を開けてそのまま飲める飲料。

午後の紅茶ブランド購入率

【好評を持続】「午後の紅茶」シリーズは
各年代で購入率がUP

2018年に比べて10代~60代の各年代で購入率が増加。18年6月のリニューアル後、「ストレートティー」「ミルクティー」「レモンティー」のレギュラー3品が好調だったことに加えて、「おいしい無糖」の発売による無糖茶市場の拡大や、「ザ・マイスターズ ミルクティー」が発売7カ月で5500万本を突破する好売上を記録したことがヒットの要因だ。