先端テクノロジーと専門的知見で
顧客の変革を支援

デジタル変革の経験を共有し
顧客と共に未来を拓く

破壊的イノベーションが加速し、今や企業のデジタルトランスフォーメーションは実行フェーズに突入している。こうした中、KPMGジャパンは2018年7月に、顧客の革新を強力に支援する先進拠点として『KPMGイグニション東京』を設立。その背景と特長を聞いた。

(左から)KPMGジャパン CDO KPMGイグニション東京 統括責任者 秋元 比斗志 氏
KPMGコンサルティング ディレクター 豊田 雅丈 氏
						KPMGコンサルティング シニアマネジャー 宮原 進 氏
(左から)
KPMGジャパン
CDO
KPMGイグニション東京
統括責任者
秋元 比斗志
KPMGコンサルティング
ディレクター
豊田 雅丈
KPMGコンサルティング
シニアマネジャー
宮原 進
KPMGイグニション東京 イノベーションラボにて

東京・大手町に誕生したソリューション創発の拠点

日本企業がグローバル競争を勝ち抜くための経営課題を議論し、ソリューション創発を目指す先進拠点として設立された『KPMGイグニション東京』は、①イノベーションラボ、②インサイトセンター、③テクノロジーセンターの3つのゾーンからなる。①は、デザイン思考の手法を用いて革新的ビジネスモデルの創出を促すディスカッションスペース、②は、デジタルトランスフォーメーション実現後の近未来のイメージを体験できるデジタルショーケース、③は、新興テクノロジーを用いたソリューションの研究・開発拠点である。

これらの3つの機能を活用して、KPMGジャパン自らがデジタルトランスフォーメーションを実現。その経験から得た知見を、会計監査・税務・アドバイザリーサービスなどで培った専門的知見と組み合わせることにより、独自のサービスを提供するのが狙いだ。

『KPMGイグニション東京』統括責任者の秋元比斗志氏は、開設の背景についてこう語る。「従来、プロフェッショナルファームの事業モデルとは、専門的知見をお客様に提供し、時間単価で報酬をいただくことでした。しかしこれからは、監査・税務・アドバイザリーのそれぞれの領域において、テクノロジーとプロフェッショナルの知見を融合したサービスが求められます。そのためには、データサイエンティストやエンジニア、アーキテクトなどの人材が不可欠です。先進技術に長けた若い才能と、当社で活躍する各分野のプロフェッショナルが融合し、新しいサービスを創り上げる――それこそが、今後プロフェッショナルファームが目指すべき方向であり、『KPMGイグニション東京』を立ち上げた理由です」。

これからはプロフェッショナルやデジタルエキスパートの専門的知見と、ソフトウエアサービスなど最新のデジタル技術の両輪で、新たな付加価値を提供していきたい、と秋元氏。中でも同社が注力していく分野の一つが「ブロックチェーン」である。

ブロックチェーンは「分散型台帳技術」とも呼ばれ、仮想通貨ビットコインと同時に誕生した。従来の台帳管理では、すべての取引記録を特定のデータベースサーバーに集中することで一元管理してきた。これに対して、ブロックチェーンでは、台帳を各ユーザーのパソコンに暗号化して保存。ネットワーク上での複数管理により、障害などによるデータの完全消失や不正リスクを抑えながら、低コストの運営を実現する。安全面においても、この技術を使えば、共有された台帳はすべての取引情報を複数で承認するため、データの改ざんがほぼ不可能になる。また、記帳業務や決算・納税業務の大半が自動化されるため、監査や税務のあり方も大きく変わることが予想される。

「今後は、仮想通貨の領域を超えてブロックチェーンの適用が広がり、取引に関わる契約内容を自動実行する『スマートコントラクト』の普及やサプライチェーンにおけるトレーサビリティ確保のための利用が進むでしょう。これによりビジネスのゲームチェンジャーとなる可能性があります。仮想通貨における監査・税務業務に加えて、ブロックチェーンを使った新しい業務手法をいかにサポートしていけるかが重要です」(秋元氏)

攻めと守りの両面で先端テクノロジー活用を支援

では、スマートコントラクトはビジネスをどう変えるのか。最大のポイントは「信用に対してコストを支払う必要がなくなる」ことだ。現在の経済活動の多くは、仲介する特定の企業や機関から「信用を買う」ことによって成り立っている。例えば、海外送金では手数料が発生するが、これは、信用に対するコストを銀行に支払うためだ。だが、ブロックチェーンは、情報共有と相互監視により「仕組みとして信用を創成」できるので、銀行や公証人、政府、地方公共団体など、第三者機関に対して信用に関するコストを支払う必要がなくなる。ブロックチェーンの普及が進めば、スマートコントラクトの適応領域は大きく広がると豊田雅丈氏は予測する。

「今後は仮想通貨だけでなく、証書や不動産所有権、ソースコードといった“価値ある情報資産”もスマートコントラクトの対象になるでしょう。同様に、例えば貨物コンテナにIoTセンサーを付けてブロックチェーンと組み合わせれば、サプライチェーンの大部分を自動化することも可能です」

『KPMGイグニション東京』では、AI・データ分析・ブロックチェーンの3分野に集中的に投資を行っている。さらに中国や豪州のメンバーファームと協働し、グローバルでのITプラットフォーム構築も進めている。

「KPMGジャパンとしてクライアント支援の体制をさらに強化するため、各メンバーファームのブロックチェーンスペシャリスト間でナレッジを共有しサービスメニューを拡充するとともにKPMGグローバルネットワークで得られたナレッジを活用するための専門部隊としてブロックチェーンビジネスラボを設置しました」(宮原進氏)

その先行事例として、クラウド型ブロックチェーンプラットフォームに主要な仮想通貨の取引状況や残高を可視化する仮想通貨取引分析システムを構築した。

こうしたサービスを展開する一方で、先端テクノロジーが内包するリスクの検証にも注力する。「ブロックチェーンは『攻め』の面から注目されることが多いですが、リスクコンサルティングの豊富な実績を背景に、『攻め』と『守り』の両面からトータルサポートができるのが当社の強みです」と宮原氏は自負する。

「今、世界は未曾有の転換期を迎えており、当社もお客様と同じ課題に対して、変革を進めているところです。お客様とともに経験し、自らも変えるきっかけ作りの場にしたい――そんな思いで『KPMGイグニション東京』を創りました。未来を拓く創発の場として、ぜひ活用いただければと思います」(秋元氏)

KPMGイグニション東京 イノベーションラボ、インサイトセンター、テクノロジーセンター