デジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する有力な施策として、DaaS(Device as a Service)が注目されている。最新のモダンPC とソフトウエア、情シス業務のアウトソースサービスなどをまとめてサブスクリプション(以下、サブスク)型の料金体系で利用できるサービスだ。このような「所有から利用へ」のトレンドは、企業経営に大きな変革をもたらすとして注目を浴びている。近年のデジタル環境やビジネスの急速な変化に対応するためには、常に最先端のIT環境を整備することはもちろん、ITを駆使して生産性を上げ、収益増加につなげることが必須となる。それではDaaSが企業経営にもたらす具体的な効果とは何なのだろうか。人材確保、資産管理、セキュリティ対策、多店舗経営・中小企業の4つの視点から紐解いていく。

「所有から利用」が経営者にもたらす真の価値

人手不足への対応、働き方改革、経営の効率化、セキュリティ対策など、今日の企業を取り巻く課題は増える一方だ。新しい企業活動を支えるIT基盤を構築するために、DXの推進が急がれている。

近年、そのDXを加速する施策の1つとして、DaaSが注目を集めている。従業員が日々利用するパソコン(PC)やモバイルなどの機器を、必要なときに必要な台数だけ、サブスク型の料金体系で利用できるサービスだ。

IT基盤が陳腐化する速度は、年々加速している。企業がPCに投資しても、数年で時代遅れになってしまう。常に最新のPCを使いこなし、生産性を向上し続けるためには、PCを所有するよりDaaSに切り換える方が有利、そう考える経営者が急増している。

1.「人手不足、優秀な若手人材の確保」に効くDaaS

人手不足が深刻化する中で、DaaSは人材の確保や働き方改革に大きな利点をもたらす。いわゆるミレニアル世代以降のデジタルに慣れた若い人材を確保するためには、最新のIT環境が必要になるからだ。

Deloitte Globalの「2018年 デロイト ミレニアル年次調査」によれば、ミレニアル世代の約80%が「職場の IT 環境がロイヤルティ(帰属意識)に影響する」と回答している。また、人材紹介大手のエンジャパンによる「テレワーク実態調査」(2018年)では、労働者の77%が「働く場所に縛られないリモートワーク」を希望している。高性能で生産性の高い最新PCを提供している企業がある一方で、購入から何年も経過したPCを修理しながら使わなければならない環境は、優秀な若手人材の入社意欲を削いでしまう原因になりかねない。

さらに、古いPCを使い続けると故障率が高くなったり、起動や動作に時間がかかったりするため、作業ができない時間が生じる可能性が高くなる。購入から4年を超えたPCの修理率は67%で、4年未満の3倍以上に跳ね上がり、年間129時間分の生産的な時間を損失するというデータもある。

経年によるPCの修理率の変化。使用開始から4年を超えると、修理率は67%に高まる(2018年8月 Tech Aisle Japan SMB PC Study)

そうした先進的なIT環境やリモートワークは、常に最新のPCを利用できるDaaSの利点を生かすことで、実現に近づく。現在、 Windows 10 Pro を搭載した「モダンPC」を月額費用で利用できるサービスが、複数の企業から提供されている。これを利用すれば、2~3年の交換サイクルで、常に最新かつ働き方改革に最適な性能、機能を備えたPCを使い続けることができる。

さらに、モダンPCと「Microsoft 365」を組み合わせて運用すれば、エンタープライズレベルのセキュリティ、最新の Office 365 、Teams などのコラボレーション機能の活用、情シスの負担を軽減するモダン管理機能など優れた機能が利用できるようになり、高い生産性を維持することが可能になる。

2.「資産管理」に効くDaaS

ビジネス環境の変化に機敏に対応するには、すばやい経営判断と事業再編が不可欠だ。陳腐化したIT環境は、その足かせとなる。こうした経営の効率化においても、DaaSがもたらす利点は大きい。

IT環境をDaaSにすれば、新しいプロジェクトや組織の変更が生じるたびに、必要なIT環境を必要な分だけ、すばやく用意できる。従来のようにPCを選定し、予算を確保し、調達してセットアップするといった手間はない。また、月額ベースの料金体系なので、予算化が容易で、無駄なコストも発生しにくい。今後のビジネス市場では、すばやい経営判断と機動性が競争力の源泉になる。IT環境に対する考え方を「所有から利用へ」と切り換えることで、経営資源の効率化とオフバランスによる「持たない経営」が実現し、経営の効率化を進めることができる。

その方向性を見据えるかのように、DaaSの利用率は急増している。企業の全PCに占めるDaaSの利用率は、2023年には35%まで拡大する見込みだ。

国内企業で稼働するPCに占めるDaaSの利用率。2018年12月は3%だったが、2023年には35%まで拡大する見込み
(2019年9月 MM総研 Device as a Service に関する受容性調査)

また、使用開始から4年を越えたPCの保守コストは、4年未満の1.5倍に上昇することもわかっている。修理対応の時間、起動時間や動作の遅さによりPC1台あたり年間129時間分の生産的時間の喪失が起こり、コスト換算で35万円の損失となる。DaaSで常に最新のPCを使用すればこのような損失を回避することができる。

修理と保守のコストの変化。使用開始から4年を超えたPCは、4年未満の約1.5倍に上昇(2018年8月 Tech Aisle Japan SMB PC Study)

3.「セキュリティ対策」に効くDaaS

DaaSがもたらす3つ目の効果は、IT運用の効率化である。

DaaSを活用すれば、管理業務の自動化が自然に進む。例えば、ユーザーごとのポリシー管理やデータ移行などは、クラウド上で自動的に運用できるようになる。ユーザーのレベルや業務内容に応じて、アクセスできるデータを制限したり、新しいユーザーに必要なツールをすばやく提供するなど、細かい管理が正確に実行される。

それだけではない。DaaSによってITの運用効率を上げれば、情報システム部門を「守り」から「攻め」の組織へと変革できる。従来の情報システム部門の主な業務は、IT環境の保守管理だった。しかし今日、その状況は一変している。これからの情報システム部門には、より戦略的なIT活用を主導し、企業のパフォーマンスに貢献することが求められる。IT環境をDaaSに切り換えれば、保守管理業務を丸ごとアウトソーシングすることも可能だ。情報システム部門は従来の業務から解放され、そのリソースをより戦略的な業務に向かわせることができる。

標的型メールやウイルスへの感染、フィッシング詐欺、ビッグデータの改ざんなど、サイバー上の脅威は日々進化し、巧妙化している。それらに立ち向かうことは、もはや専門的なIT企業でなければ難しい時代になった。DaaSなら、そうしたセキュリティ対策にも強い。例えば、DaaSとMicrosoft 365を組み合わせて運用した場合、最新のセキュリティパッチが自動的に適用され、侵入の検知と脅威への対処も自動的に実行される。これにより、ユーザーはサイバー上の脅威をほとんど気にすることなく、自身のビジネスに集中できるようになる。また、DaaSはIDやPCをクラウドベースで管理している。したがって、社内と社外の垣根を越え、いつでもどこでも強固なセキュリティを維持できる。データは常に最新の暗号化技術によって運用され、情報漏えいのリスクは最小限に保たれる。EU一般データ保護規則(GDPR)のようなコンプライアンスへの対応も容易だ。

IT環境のセキュリティ対策を専門家にアウトソーシングできることは、DaaSがもたらす大きな利点といえよう。

4.「多店舗経営、中小企業」に効くDaaS

DaaSは、大企業だけのものではない。多店舗を運営する企業や中堅中小企業がDaaSを利用することで、人材不足への対応から経営の効率化まで、さまざまな課題解決を図ることができる。

例えば多店舗展開をする企業の場合、全国に数百店舗を持つような規模の企業であっても、一つひとつの店舗は小規模だ。各店舗に提供されるPCの管理は本社の情シスが行っており、PC導入や故障の対応のために現地まで足を運び対応するのは大きな負担となっている。出店と退店を繰り返す度に、PCの設置や設定、データ消去とPCの処分を繰り返すのも膨大な作業だ。そういった企業がDaaSを活用すれば、全国の店舗PCの管理を一括して委託できる。本社の情シスの負荷が減るだけでなく、店舗側も迅速なサポートを受けることでビジネスを停滞させる時間が少なくなる。

また中堅中小企業では、運用の煩雑さとIT人材不足により、最新PCの導入と生産性向上に歯止めがかかることが少なくない。そういった企業には、社内に情シスが一人だったり、あるいは一人もいなかったりする場合もある。通常、企業のPCはハードウエアとソフトウエアを個別に購入し、サポート窓口もバラバラだ。社員が増えるたびに購入手配からソフトウエアのインストール、バージョンアップや故障時の個別対応など、情シスの業務負荷は非常に高い。管理者の負担を考えると、なるべくPCを長く使いたいところだ。しかし、故障が多くなり仕事が止まってしまう、起動の遅さなどで生産性が落ちる、さらにはより高性能のPCを使用する他社と比べ、自社の競争力が劣ってしまうという問題がある。DaaSを利用することで、調達時の手間や各種設定、撤去に伴うデータ消去など、作業工数が多い業務を一括でアウトソースできる。また、Microsoft Office 製品などのライセンス管理も委託できるため、情シスは本来の戦略的な業務に集中することができるのだ。

以上、4つの視点からDaaSの優位性を見てきた。「所有から利用へ」のトレンドを地で行くDaaSは、DXの中心的な施策になりつつある。安全に働けるIT環境を容易に整備し、企業競争力を強化できる施策として、今後も普及していくだろう。

DaaSを支える Intel vPro® プラットフォームとは?

これまで説明してきたように、DaaSは幅広い業種・業態の企業競争力の向上に寄与するサービスである。従業員がいつでも、どこでも、常に安心して高いパフォーマンスを発揮するPCで業務に携われることは生産性の向上はもちろんのこと、従業員のエンゲージメント向上にも寄与する。このDaaSを裏で支えるのが Intel vPro® プラットフォーム。ビジネス向けに設計されているため、パフォーマンスとユーザーメリットを兼ね備えたDaaS用途に最適なデバイステクノロジーとなっている。

同プラットフォームが搭載されるモダンPCには、CPUやチップセット、ネットワーク・カード上に、セキュリティ機能と運用管理機能が実装されている。PCのリモート管理機能を提供するため、クラウドベースでPCを管理するDaaSとの親和性が高い。 急激に変化する現在の市場環境により速く対応していくためには、ハイパフォーマンスなビジネス・プラットフォームが必要だ。同時にそのプラットフォームには、安定性と強固なセキュリティに加え、効率的で柔軟な運用管理性までが求められる。こうしたすべての要件を満たすテクノロジーが、ビジネス・プラットフォームの運用をハードウエア・レベルで支援する「Intel vPro® プラットフォーム」なのだ。

Intel vPro® プラットフォーム搭載デバイスは、生産性を高める優れたセキュリティ、パフォーマンス、管理機能を提供する

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急成長するサブスクリプション型ビジネスは、市場のルールを大きく変え、企業の在り方も大きく変えようとしている。
ルールチェンジを見極め、いかにその波に乗ればよいのか。

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サブスクを活用し、持続成長する企業の共通項とは?

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DaaSで企業変革を実現できる4つの理由

~人手不足、セキュリティ、資産管理、多店舗経営に効く~

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ー05 セミナーレポート

新・サブスク経営学
セミナーレポート

2020.02.26 大阪開催 “買わない時代”のビジネスモデルチェンジ

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ーCase Study

DaaSで企業経営を進化せよ

DaaS導入をいかに企業の力に変えればよいのか。
DaaSビジネスの最前線で企業に指南するキーパーソンに話を伺った。

Eventイベントのご案内

本サイトと連動したセミナーを12月11日に虎ノ門ヒルズで開催します。
「買わない時代の企業経営術」を考える一日。ご来場を心よりお待ちしております。

主催 日経ビジネス
協賛 日本マイクロソフト 
パートナー各社様
日時 2019年12月11日(水) 13:00-17:30
会場 虎ノ門ヒルズフォーラム メインホール
費用 無料

セミナー終了いたしました

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主催 日経ビジネス
協賛 日本マイクロソフト株式会社、
ダイワボウ情報システム株式会社
日時 2020年2月26日(水) 13:30~17:40
会場 なんばスカイオコンベンションホール 7F
費用 無料

セミナー終了いたしました

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