三井物産の挑戦多様な個のコミュニケーションを活性化させ、
新しい価値を生み出すデジタルトランスフォーメーション戦略と
それを下支えするMicrosoft 365

三井物産

単体で約6000人、連結では約4万2000人の従業員がグローバルにビジネスを展開している三井物産。同社が、デジタル技術を駆使した働き方改革に挑んでいる。多様な経験や価値観を備えた人材の知見を融合させることで、知的化学反応を起こして新たな価値を生み出し、いち早く事業化することが狙いだ。

新たなビジネスを
創り・育て・発展させる集団へ

2016年3月期に、設立以来初めて連結赤字に陥った三井物産は、2017年に「Driving Value Creation」をテーマとする新中期経営計画を打ち出した。このテーマには「自らが新たなビジネスを創り、育て、発展させる集団」に変わるという意味合いが込められている。

この中期経営計画で、2020年に向けた重点施策として、①強固な収益基盤づくりと既存事業の徹底強化、②新たな成長分野の確立、③キャッシュフロー経営の深化と財務基盤強化、④ガバナンス・人材・イノベーション機能の強化――の4つを掲げている。最後の④が、①~③の施策を推進するための基盤という位置づけであり、人材の強化策として「働き方改革」、イノベーション機能の強化策として「デジタルトランスフォーメーション(DT)活動」を推進することを打ち出している。これらに取り組む背景を経営企画部長の松井透氏は、次のように説明する。

三井物産株式会社
経営企画部長
松井 透 氏

「環境の変化にスピーディーに対応することで、継続的に新しい価値を創り出していくのが、当社の強みだと考えています。66の国と地域で働いている連結約4万2000人の多様な個が持っているアイデアや情報、技術、お客様との関係を結びつけ、知的化学反応が生まれれば、新しい価値を提供するようなビジネスを創出することが可能になります。これを実現するためには、世界中の社員が場所や時間を問わず、意見を交換できるコミュニケーション基盤と、新たなアイデアを早期に事業化するための仕掛けが必要だと考えました」

DT活動には、収益を向上させるという狙いもある。CIO補佐でIT推進部長を務める植田勲氏は「最新のデジタル技術を活用して、オペレーショナルテクノロジー(ビジネス現場の知見)を革新することで、収益を引き上げることが大きな目標です」と語る。

コミュニケーション基盤の整備による働き方改革と、最新テクノロジーでビジネスを変革するDT活動――この2つの取り組みによって、三井物産は「自らが新たなビジネスを創り、育て、発展させる集団」に生まれ変わりつつある。

いつでもどこでも
仕事ができる環境を Microsoft 365 で構築

同社は、2015年から働き方改革に本格的に取り組み始めた。改革に取り組むにあたって、「働き方に関する社員意識調査」を実施。この結果、「働く場所・時間の効率性向上」「業務プロセスなどの効率化」という2つの課題が明らかになったという。

前者の課題に対しては、全社施策として「時間単位の年次有給休暇(2016年4月)」「モバイルワーク(2016年6月)」および「個人単位の時差出勤(2017年6月)」を導入。後者に対しては、各現場での積極的な議論・業務見直しなどの具体的な改善活動を展開している。

これらの活動を進めるためには、いつでもどこにいてもオフィス内と同様に仕事が進められるセキュアなコミュニケーション基盤が必要だと考えた。そこで、同社はタブレットとしても利用できるノートPC「 Microsoft Surface Pro 」を含む Windows 10 標準PC配布と、「 Microsoft 365 」の全社導入に着手。 Microsoft 365 に含まれるコラボレーションツールである「 Microsoft Teams 」や「 SharePoint Online 」「 Yammer 」「 One Drive for Business Online 」「 Office 365 ProPlus 」などを駆使してドキュメントを共有できる環境や遠隔地でもビデオ会議やチャットで対話できる環境を構築した。

三井物産株式会社
理事 CIO補佐 IT推進部長
植田 勲 氏

現在はコラボレーションを支援するためのクラウドサービスが数多く登場しているが、マイクロソフトのソリューションを選定した理由を植田氏は、こう説明する。

「現場の社員が使い慣れた環境から一通りのツールを利用できる点と、セキュリティが堅牢な点を評価しました。情報やドキュメントが一元管理できるので、現場の社員にとって利便性が高いと考えています。データやドキュメントのありかを探す作業のように付加価値を生まない時間を大きく減らすことができます。導入時点で、マイクロソフト製品よりも機能が豊富な別ツールがあっても、すぐにキャッチアップしてくれるので安心して利用できます。運命共同体だと捉えています」

デジタルトランスフォーメーションを
推進する組織と担当役員CDOを設置

しかし、こうしたICTツールを導入しても、働き方改革につながらないと嘆く組織も少なくない。なぜなら、働き方改革には、最新のコミュニケーション基盤に加えて、経営陣の理解と支援、現場の主体性が求められるからだ。三井物産の場合は、安永竜夫社長を含めた経営陣が改革を主導することで、現場の社員の働き方が予想よりも早く変わっていったという。

例えば、2018年9月の経営会議をペーパーレスで実施以来、全社で徹底したペーパーレス化を進めた。会議で使う資料や情報を Microsoft Teams で共有し、事前に参加者が資料を閲覧可能な運用に変更したのだ。今では現場の会議でも同様な取り組みが広がっている。2018年12月には、紙の印刷量を前年同月比で25%も削減できた。多い部署では70%も減っているという。松井氏は「単に紙が減っただけでなく、資料作りに費やしていた時間が効率化され、さらにクラウドを通じて場所を選ばずPCやタブレットで資料を使えるため、事業創出のための攻めの時間と場所が拡大したと考えています」と語る。同氏は「ICTツールのような環境の整備だけでなく、社員の意識が変わることが働き方改革を成功に導く鍵になります」と強調する。

デジタル技術を駆使して、新たな価値の事業化を加速する役割を担うのがDT活動だと位置付けられる。この活動には、労働時間全体の中で創造的な仕事に振り向ける時間の比重を高めるという効果もあるという。植田氏は「デジタル技術は、見方を変えれば、人間の代わりに眼となり耳となり手足となり、モニタリングや単純作業といった、付加価値を生まない割に手間暇がかかる仕事を担ってくれているともいえます」と語る。

同社では、この活動を推進するために、2016年に経営企画部内にDigital Transformation (DT)チームを設置した。2017年には、ほかの総合商社に先駆けて「CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)」という役職を新設している。DTチームは、経営企画部内にIT推進部、ICT事業本部、その他営業部から社員15人強を集め、各営業部門と共同でデジタルによるビジネス変革を推進する役割を担っている。

Microsoft Azure を活用して
グループ全体のデジタルトランスフォーメーションを加速

DT活動の活動拠点が、2018年1月に開設した「d.space 」である。ここには、DTチームのメンバーが常駐し、デジタルによるビジネスの変革に関して営業部門からの相談に乗っている。営業部門が蓄積しているビジネス現場の知見と、DTチームのデジタル知見を融合させることで、新しいアイデアをいち早く事業化することが狙いだ。事業化の実現可能性が高ければ、PoC(実証実験)を実施する。

すでに実用化に向けて動き始めている案件もある。建設機械の軽油の残量を遠隔地で監視し、一定の値を下回った場合に給油所運営会社に知らせるサービスだ。建機の稼働情報を集めている取引先のシステムを使って、給油所運営会社のPCの画面に映し出した地図上に、効率的な巡回ルートを示す。給油のために工事現場を巡回している給油所運営会社が、無駄な訪問を減らすことが可能になる。2019年度中の実用化を計画しているという。

DT活動では、関係会社が共通で利用するデジタルサービスの開発にも取り組んでいる。マイクロソフトのクラウドサービス「 Microsoft Azure 」上に構築したシステムをグループ内の標準サービスとして提供していく予定だ。これによって、グループをまたがったDT活動を加速させていく計画だ。

植田氏は、働き方改革やDT活動に関する一連の取り組みにおいて、マイクロソフトからの支援が役立っているという。「単に製品やサービスの使い方を教えてくれるだけではありません。例えば Microsoft Teams を活用した改善活動の議論に、近年カスタマーサクセスに力を入れているマイクロソフトから、さまざまな支援や提言をもらいました」。同氏は「今後も Microsoft 365 や Microsoft Azure などのマイクロソフトのソリューションや知見をフル活用し、新たなビジネスを創り・育て・発展させる集団を目指していきたいと考えています」と展望を語る。

“ Office 365 のハブ”としての
Microsoft Teams
が「チーム」での働き方を強力に支援する!

マイクロソフトでは、チーム内のコミュニケーション効率化を支援する「 Microsoft Teams 」を提供している。一般的には“ビジネスチャット”と認識されているサービスだ。しかし Microsoft Teams(以下、Teams) は、他社サービスとは決定的に異なるポジションにある。それが“ Office 365 でチームワークを実現するハブ”として機能し、エンドユーザに効率的なコミュニケーション手段と各種Officeツールのシームレスな利用環境を提供するという役割だ。 Teams の開発背景とその特徴、実際の利用シーンなどについて、同サービスの日本国内でのマーケティングを担当する Microsoft 365 ビジネス本部 製品マーケティング部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの春日井良隆氏に話を聞いた。

Microsoft Teams 詳細へ

新着記事

住民サービス向上と働き方改革に向け、コロナ禍でクラウドを積極活用する京都府

京都府
森田 嘉彦 氏
永井 明日香 氏

”Teams”成功事例の共有と伝道師アンバサダー制度でIT×働き方改革を進めたセブン-イレブン

株式会社セブン-イレブン・ジャパン
森 祐樹 氏

Microsoft Teams とタブレットで変わった美容カウンセリングの現場のコミュニケーション

花王プロフェッショナル・サービス株式会社
原田 政邦 氏
カネボウビューティカウンセリング株式会社
宝力 直美 氏

今こそ企業文化を醸成せよ「働き方改革」と「イノベーション」成功の鍵

大成建設株式会社 田辺 要平 氏

ワークスタイルを変革し、ビジネス継続性維持にも役立つ「ゼロタッチ」がもたらすメリットとは

IT・家電ジャーナリスト 安蔵 靖志 氏

“ Office 365 のハブ”としてのMicrosoft Teams が「チーム」での働き方を強力に支援する!

日本マイクロソフト 春日井 良隆 氏

coming soon

活用事例

関連書籍

テレワークの切り札!
Office 365 ユーザーならすぐ使える Teams 即効活用ガイド

Microsoft Teams とは?

Microsoft Teams

“ Office 365 のハブ”としての
Microsoft Teams が「チーム」での働き方を強力に支援する!

Microsoft Teams

テレワークが変わる
「Microsoft Teams」徹底活用法

バックナンバー

セミナー紹介

Microsoft Teams の最新情報や使い方、
導入事例をオンデマンド配信中