”Teams”成功事例の共有と
伝道師アンバサダー制度で
IT×働き方改革を進めたセブン-イレブン

株式会社セブン-イレブン・ジャパン

国内47都道府県に21,000店のコンビニエンスストアを展開するセブン-イレブン・ジャパン。消費者ニーズの多様化、市場の変化に柔軟かつスピーディに対応し、加盟店の経営コンサルティング力を強化するべく、マイクロソフトのクラウドサービス Office 365 (現 Microsoft 365)の導入による働き方改革に着手した。個人のITスキルの差、各部署による温度差、全国勤務者が多いなかでの活用拡大といったハードルをいかに克服したか。「導入後半年で Teams を活用する社員90%以上」を実現したボトムアップ型手法とは? Office 365 導入プロジェクトのキーマンに、Teams の導入と活用に関する成功ノウハウを伝授いただく。

ダイレクトコミュニケーションだけでは
変化が激しい現場のスピードに対応できない

日本にセブン-イレブン第1号店が誕生したのが1974年。コンビニエンスストアという新しいライフスタイルを提案し、その普及に寄与してきたセブン-イレブン・ジャパンは、社会や生活の変化に寄り添い、自らも進化することで、今では国内47都道府県に21,000店を展開している。1日平均1,000人以上(全店平均)が来店するセブン-イレブンは、地域の生活インフラを担う存在だ。「近くて便利」のコンセプトのもと加盟店とともに、常にお客様の視点に立ち、独自手法の商品開発や電子マネー「nanaco」など、業界の常識にとらわれない新しい価値・体験の創造に挑戦を続けている。

「セブン-イレブン・ジャパンには多くの大切な方々がいらっしゃいます。まずはお店にご来店いただくお客様、そして日々経営してくださっているオーナー様です。店舗はオーナー様が経営し、本部が経営をバックアップする独自のフランチャイズ・ビジネスにより、オーナー様と本部の二人三脚でお客様の暮らしを支え、地域社会の発展に貢献しています」と、セブン-イレブン・ジャパン システム本部 統括マネジャー 森祐樹氏は話す。

株式会社セブン-イレブン・ジャパン 
システム本部 商品・情報システム部
統括マネジャー 
森 祐樹 氏※本記事はテレビ会議システムを活用し、取材・撮影しました

セブン-イレブン・ジャパンで加盟店と本部をつなぐ重要な役割を担っているのが、約3,000人のOFC(オペレーションフィールドカウンセラー/店舗経営相談員)である。1人のOFCが7〜8店の加盟店を担当し、オーナーに対して経営数値分析、店内の体制づくり、陳列・発注・接客方法など経営をきめ細かくサポートする。セブン-イレブン・ジャパンの戦略を体現するために、隔週本部でOFC全員が集合するFC会議が開催(2020年5月現在、新型コロナウイルスの影響でWEB会議にて実施)されている。

「FC会議では、OFCが経営トップや本部各部門と直接顔を合わせ、方針や最新顧客動向、成功事例などの情報を共有します。FC会議で得た情報をベースに自身が担当する店舗の問題点を把握し、個店の状況に合わせた経営カウンセリングを行っています」(森氏)

FC会議で「顔と顔」を合わせて行うダイレクトコミュニケーションは、セブン-イレブン・ジャパンの強みを醸成する「良き文化」であると森氏は強調する一方で、課題について言及した。「1週間に1回程度のダイレクトコミュニケーションにおける情報共有では、消費者ニーズの多様化や市場の変化を捉え、有効な対策を打ち出すことが難しくなってきました。2019年に現場のスピードに対応するため、経営トップが全社方針として『ダイレクトコミュニケーションにITを活用していこう』というメッセージを発信しました」

「ダイレクトコミュニケーション×IT 」の実現では
トップダウンとボトムアップの両輪が必要

セブン-イレブン・ジャパンが目指す「ダイレクトコミュニケーション×IT 」には、「いつでも、どこでも」、「テレワーク/フレックス」、「リアルタイムコミュニケーション」の3つのポイントがある。「これまでは、SIベンダーに依頼して、オンプレミスでコミュニケーション基盤を構築していました。全社員9,000人のうち8割がそれぞれの現場で働く職場環境のもとで、3つのポイントを実現する新しいコミュニケーションをいかに具現化していくか。時間や場所、デバイスの制約を取り除くことで、生産性の向上や意志決定の迅速化を図り、新たな価値観の創造を目指し、マイクロソフトのクラウドサービス Office 365(現 Microsoft 365)を採用しました」(森氏)

セブン-イレブン・ジャパンの強みである「ダイレクトコミュニケーション」をITにより進化させる

全社で Office 365を推進し働き方改革を実現するためには、トップダウンとボトムアップの両輪よる組織のチェンジマネジメントが重要になると、森氏は指摘する。「日本マイクロソフトに経営トップや管理職に対しセッションを開催していただき、ITによる組織変革のイメージを描くヒントを提供してもらいました。またトップダウンで示された『ダイレクトコミュニケーション×IT』を実現するために、日本マイクロソフトからアドバイスを受けたのが、ボトムアップで草の根的に広めていく2つの手法でした」

1つ目のボトムアップ型手法が、成功事例の共有だ。「全社展開の1年前から、マイクロソフトの支援のもと約100名程の組織で Office 365 の Microsoft Teams(以下、Teams)を使って実際に業務で利用する中で課題の抽出やノウハウの蓄積を行いました。小規模実践で成功の兆しが見えてきた段階で、成功事例を共有し全社展開を図るべく次のステップに入りました」(森氏)

全社展開を図る2つ目のボトムアップ型手法が、アンバサダーの活用である。「ボトムアップ型でツールを広めるためには、近場で影響力のある人から教わる方が受け入れられやすいという、マイクロソフトの提案は非常に納得できました。各部署からITスキルのある人材、リーダーシップのある人材の2名をアンバサダーとして選出してもらいました。アンバサダーの活動は、個人のリテラシーの差、各部署の温度差、全国勤務が多い中での活用拡大といった課題の解決を目的としました。Teams でアンバサダーのチームも作成し、システム本部との連携はもとよりアンバサダー間で“Teams 虎の巻”などノウハウの共有を現在も継続して行っています」

新しいコミュニケーション指標「7つのルール」のもと
アンバサダーとともに全国展開を実施

アンバサダーに求められた役割は、各部署で自身が利用し、その成果を具体的に示しながら周囲の社員を巻き込んでいくことだ。そのために、アンバサダーに対して「7つのルール」を作成したと森氏は話す。「新しいコミュニケーションの習慣として、『出勤したら Teams を起動しましょう』を第1のルールとし、『社内コミュニケーションは、メールから Teams へシフトする』といった意識変革を第2のルールとして定めました。この2つのルールには、社内コミュニケーションにおいて“すぐに要件に入る”ことの重要性を説く経営トップの考えを具現化したものでもあります」

Teams の全社展開を牽引するアンバサダーに対する「7つのルール」は、全社員へ推進する上での指針となる

7つのルールの中で、Teams 活用の本質ともいえるコラボレーションを意識した機能が「チャネル」だ。Teams を使ってチーム内での共同作業を行う上でテーマごとにチャットの内容や共有ファイルなどを分類可能にする。チャネルの重要性について森氏はこう説明する。「新商品情報、確認事項、会計関連情報など、OFCは関連部署から日々様々なメールを受け取るため、情報が埋もれてしまい、見逃すリスクがありました。Teams のチャネルを活用し、テーマごとに情報の仕分けを行うことで、必要とする情報を探す手間や連絡事項を見逃すリスクを解消できるとともに、上司もチャネルにより情報を確認しやすくなります。また、チームのメンバー間で似たような困りごとを抱えているケースもありますが、チャネルで解決することによって、他メンバーの解決にもつながります。『チャネルは便利だね』と現場の評価も高く、個人はもとよりチームの生産性向上に役立っています」

導入後半年で90%以上の社員が Teams を活用
成功の要因は成功体験の共有

2019年9月にセブン-イレブン・ジャパンは Office 365 を全社展開した。その直後に Teams の真価が問われる出来事があったと森氏は振り返る。「台風19号が関東を直撃し甚大な被害をもたらし、セブン-イレブンの店舗も浸水により休業を余儀なくされました。災害時の対応はこれまでもスピード感をもって行ってきましたが、今回、大きく異なったのは、 Teams 上で台風19号対策チームを速やかに立ち上げたことです。OFC、人事、会計、建築、商品部、物流部など関係者間での情報共有はもとより、情報が錯そうする状況をチャネルを使って回避することで的確かつ効率的に連携して業務を遂行できました。通常1カ月を要する営業再開を2週間で完了し、地域の皆さまに商品とともに安心をお届けできました」

Teams によりOFCの経営カウンセリング力も大きく向上したと森氏は話す。「セブン-イレブンの店頭では毎週約100アイテムの商品が入れ替わっています。Teams により商品部とOFCが新商品情報を共有することで、お店やお客様にタイムリーに情報提供が可能となりました。またオーナー様の承諾を得た上で、効果的な陳列の仕方などの写真を Teams にアップロードし視覚的に成功事例を共有し合うことで、各店舗の売上増にもつながっています」

2020年2月、OFCに対して配布したiPadと、Teams、Office 365 のデジタルノート OneNote を組み合わせることで、個店に対するカウンセリングの質と効率性、継続性の向上が図れたと森氏は付け加える。「OFCがオーナー様へのカウンセリングを行う際、その内容をiPad を使って OneNote に記載します。また Teams を使って関連部署から提供された資料を OneNote に貼り付け、カウンセリングの題材にすることも可能です。さらに先週行ったアドバイスによりどう効果がでているのか、前回内容もその場ですぐに確認できるため、次のアドバイスも的確に行えます。Office 365との連携で上司との共有も簡単です。紙のノートは保存も情報活用も大変ですが、 OneNote なら21,000店であっても店舗ごとのデジタルノートを作成し活用することも容易に行え、引き継ぎもスムーズです」

Teams 導入後わずか半年で90%以上の社員が活用し、発信回数も24回/週に及ぶという。「コロナ禍で在宅勤務になったことで、96%の社員が活用し毎週50回以上発信しており、Teams が定着していなかったら、コロナ状況下での業務継続は困難だったと思っています」(森氏)

わずか半年でセブン-イレブン・ジャパンの新しいコミュニケーションとして Teams が定着した

Office 365、Teams の全社での利活用を短期間で実現できた要因について森氏は明かす。「“利用してください”とお願いするのではなく、Excel の資料を共同編集できるなど“利用することでこんなに便利になった”という小さな成功体験を共有し積み重ねていくことで、タイヤが転がるように拡大が加速していきました」

Office 365、Teams を活用した働き方改革は、新しいコミュニケーションを創造し現場の課題解決のスピードアップを図ることで、セブン-イレブン・ジャパンが掲げる「近くて便利」を進化させていく。

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