コロナ禍対策で Teams を全職員に展開
テレワークでも社会インフラを支える
中国地方整備局

国土交通省 中国地方整備局

コロナ禍は、「仕事=会社で行うもの」という固定概念を覆した。重要なのは、仕事を行う場所ではなく、業務を継続することにあると、改めて気づく機会になったのではないだろうか。テレワークの普及が一気に進むなか、現場業務が多い業界では統一した環境の整備が難しいことから、新しい働き方を実践しづらいとの声も聞こえてくる。地域の社会インフラを支える国土交通省 中国地方整備局は、コロナ禍対策として全職員約1,700人に Teams を導入し、在宅勤務による業務継続の実現とともに、現場の業務改革を推進。働き方改革プロジェクト成功のカギとは?プロジェクトのキーマンと、今回の導入・定着はもとより官公庁の働き方改革を支援する日本マイクロソフトの対談を通じて「ニューノーマル時代の働き方」を考察する。

日本マイクロソフト本社のオフィスツアーで感じた
「カルチャーショック」

国土交通省
中国地方整備局 企画部 建設専門官
小畑 哲也 氏
※本取材は Teams を活用し、テレワークにて実施しました

小畑 国土交通省 中国地方整備局は、中国5県で直轄の道路や河川、ダム、砂防、港湾など社会インフラの整備・維持管理に加え、災害対策を担っています。行政の業務は書面中心主義が強く残っており、中国地方整備局においても職員のデスク上には書類が山積みになっており、狭いスペースでパソコンを使って業務を行っているのが現状です。日々業務で扱う情報量が増加する一方で、職員数が減少する中、地域社会を支え続けるために、ICTを活用し生産性の向上を図る働き方改革の推進が重要なテーマとなっています。

2019年7月に、中国地方整備局の直轄事業をICTで支える情報通信技術課では、働き方改革のファーストステップとしてオフィス改善に取り組むプロジェクトを若い職員中心で発足しました。若手の登用はスマートフォンなどで日頃からデジタルに触れていることに加え、既存業務の考え方に縛られず自由な発想でICTを使った新しい働き方を創造してくれると期待したからです。プロジェクト発足当初は、何からどう始めていいのか、わからなかったため、働き方改革に積極的に取り組んでいる日本マイクロソフトの「品川本社オフィスツアー」に参加することにしました。

ICT環境の整備を含めた3方向から新たな働き方の定着を目指す

木村 新しい働き方は、なかなか言葉では伝えきれません。百聞は一見にしかず。品川本社オフィスツアーは、最先端のテクノロジーを活用したオフィスで実現する効率的かつ創造的な働き方とはどのようなものか、身をもって体験できると大変好評をいただいています。実際に参加されて、どのような感想をお持ちになりましたか?

小畑 一言でいえば、“カルチャーショック”です。オフィスツアーで「いつでもどこでも仕事ができる」というキーワードを初めて実感できました。特に、「これは使える!」と思ったのがクラウドサービス Microsoft 365 のコラボレーションハブ Microsoft Teams(以下Teams)です。まずセキュアな環境のもとでのチャットは、本プロジェクトの若手スタッフが強く要望していました。

“シャドーIT”を防止しながら、現場業務が多い職員とのコミュニケーションの向上が図れるからです。また、簡単にWeb会議を開催できる点も高く評価しました。既存の専用テレビ会議室は予約制で、なおかつ使い方が難しいため情報通信技術課のスタッフが呼ばれるケースもあります。さらに Teams 上で「チーム」を作成し情報を共有しながら共同で作業ができることは、部門横断プロジェクトや災害対策などでの業務遂行に大いに役立つとの期待感を抱きました。

オフィスツアーで体験した働き方改革のイメージを具現化するために、パートナーとしてマイクロソフトを選択した決め手は、大きく2点あります。1つは、チャットでの会話も行政文書扱いになるなど、様々な利用シーンにおけるセキュリティの担保です。もう1つは、 Excel などの Officeソフトが私たちの仕事と切り離せない存在となっているからです。

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員 パブリックセクター事業本部
デジタル・ガバメント統括本部長
木村 靖 氏
※本取材は Teams を活用し、テレワークにて実施しました

木村 セキュリティの担保はテレワークの大前提となります。Office 365 が稼働しているクラウドプラットフォーム Microsoft Azure は、日本国内のデータセンター(東日本リージョン、西日本リージョン)を有しており、高度かつ堅牢なセキュリティで守られています。また、中国地方整備局様でもご利用いただいているクラウドベースのソリューションEMS(Enterprise Mobility + Security)は、ID管理、モバイルデバイス管理、データ保護に関する総合的な管理・運用により、リスク回避とシステム管理者の負荷軽減の両方を実現します。

2018年6月に政府の情報システム構築・整備に関してクラウドサービスを第1候補(デフォルト)として検討するという方針「クラウド・バイ・デフォルト原則」が公表され、現在本格化してきているなか、2020年秋にはクラウドサービスの安全性評価制度もスタートします。クラウドサービスのセキュリティに対する漫然とした不安の払しょくとともに、「安全性」がクラウドサービス選定の基本条件となります。

コロナ禍対策で全職員にTeamsを導入し
在宅勤務で業務を継続

小畑 オフィスツアー参加後、すぐに Office 365 の無償トライアルメニューを利用し情報通信技術課で実際に使ってみました。使い勝手や機能、自分達の仕事でのユースケースなどを確認、議論し、生産性向上に繋がるツールになり得ると判断。2019年末に中国地方整備局の全職員約1,700人分のライセンスを購入しました。当初、ポリシーや運用面を整理し2020年度から段階的に展開する計画でした。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請の中、業務継続を実現するために、在宅勤務を可能にするコミュニケーション基盤の構築が急務となりました。緊急対策として Office 365 の導入を前倒し、全職員に展開しました。在宅勤務において、Web上で打ち合わせや情報共有を行い、業務を遂行できる Teams は欠かせないツールとなりました。仕事は一人ではなく、組織やチームで進めていくものだからです。

通常業務から緊急時の対応まで、Teams の活用法は多岐に渡る

Teams を急遽展開したため、ガイドブックなどを作成する時間的余裕がなく、各部門は「触って覚える」ことからスタートしました。使いこなせるだろうか、といった懸念はすぐに払拭されました。次々とチームを立ち上げる部門も出てくるなど、速やかに浸透していきました。定例の幹部会も Teams のWeb会議で開催しています。またマルチタッチディスプレイを備えたコラボレーションデバイス Surface Hub 2S は、各部門で“ひっぱりだこ”です。Web会議やデジタルホワイトボードなどテレワークの職員との円滑なコミュニケーションに役立っています。

木村 中国地方整備局様だけでなく、コロナ禍の業務継続を実現するために、官公庁様において急速に Teams の利用が広がっています。ある省庁様では4万人の職員の方にご利用いただいています。小畑様からお話がありましたが、官公庁のお客様もマニュアルなしで、みなさん触って直感的に使いこなしているケースが多いとお聞きしています。クラウドベースの Teams はバージョンアップが頻繁に行われるため、紙媒体のマニュアルはご用意していません。基本的な使い方や新機能の紹介などは動画を作成し公開しています。「こういう機能がほしい」といったお声を集める機会も設けています。情報通信技術課様とは Teams で意見交換を行っており、今後も Teams の定着化に向けてサポートしていきます。

本対談もTeams を活用し、テレワークにて実施された

小畑 Teams により現場の業務改革も進んでいます。従来、直轄事業で監督職員が現場で立ち会っていた臨場確認も Teams を利用することで、現場で作業する業者に状態を撮影してもらい、その画像データを用いて事務所でリアルタイムに承認・確認を行っています。2020年3月に国土交通省では、現地に出向かず点検・検査する「遠隔臨場」を全整備局で試行する方針を決めました。監督・検査業務の効率化に加え、対面業務の回避により新型コロナ感染症防止策にも役立てる狙いがあります。今後、中国地方整備局ではICTを活用し遠隔臨場の活用シーン拡大に取り組んでいきます。

木村 遠隔臨場に関して、国土交通省様をはじめとする官庁様や建設業を中心に様々なご相談を受けています。マイクロソフトは、コロナ禍からコロナ後のニューノーマル時代に応じた新しい働き方の提案活動に注力していきます。また、お客様それぞれのスタイルに合わせた働き方を創造していくという観点も重要です。今回、コロナ禍の以前から、中国地方整備局様に適したツールの使い方について、プロジェクトの若い職員の方と時間をかけて議論をしました。現実空間と仮想空間を融合するMixed Reality(複合現実)を実現するホロレンズを使った現場作業の支援や、IoTによる予兆保全など、中国地方整備局様の知見とデジタル技術の融合によるイノベーションの実現に議論のテーマを広げ、一部は具体的な検討も始まっています。

働き方改革の実現へ、
新型コロナ終息後のテレワーク定着化が重要

木村 コロナ禍で働き方改革のスピードが加速し、テレワークも一気に市民権を得たと感じています。2017年にリリースされた Microsoft Teams は、新型コロナウイルス感染の世界的な拡大とともにテレワークが増加したこともあり、デイリーアクティブユーザー数が2020年3月に4,400万人、2020年4月に7,500万人を超えました。ツールの導入は“始まり”に過ぎません。マイクロソフトは、グローバルで得た豊富な知見やノウハウを活かし、お客様における働き会改革の実現に貢献していきます。

テレワークによる働き方改革は、業務と生活の両方の質を高めます。今回、中国地方整備局様の取り組みは官公庁や民間企業のテレワーク導入の背中を押すといった観点からも非常に有益です。マイクロソフトは今後も官民を問わず、お客様の視点に立って働き方改革の推進を支援していきます。

小畑 働き方改革ファーストステップのオフィス改善では、情報通信技術課において無線LANやフリーアドレスを導入し、パソコンを持ち歩いて仕事ができる環境を実現しました。他部門や拠点からも見学に来て、横展開の話も進んでいます。中国地方整備局の働き方改革は発展途上にあり、ハード、ソフト、体制などの整備も必要です。新型コロナが終息しても働き方改革を推進するために、在宅勤務を含めテレワークを継続し定着させていかなければならないと考えています。ICTを活用した働き方改革により、生産性の向上はもとよりエンゲージメントの強化、人材確保に結びつけることで事業基盤の強化を図り、地域社会の持続的発展に寄与していきます。

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