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デジタル化とデータ集約・分析が経営にインパクトを与える

人手不足が続く中、多くの企業が働き方改革を推進しようとしている。こうした中で、改めて注目されているのがBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)だ。アクセンチュアはコンサルティングやテクノロジーの知見を生かして、業務プロセスの最適化などを含めた付加価値の高いBPOサービスを提供している。同社はBPOを支えるプラットフォームの一つとして「ServiceNow」のソリューションを活用している。

今年1月、福岡に新拠点を開設
業務の90%自動化を目指す

──日本のBPO市場の動き、傾向などについて教えてください。

池永 氏
アクセンチュア株式会社
オペレーションズ本部
シニア・マネジャー
池永高志
主に製造・流通業系のコンサルティングやシステム導入を経験した後、アウトソーシング事業へ。業界を問わず、IT、経理、人事等多岐にわたるアウトソーシングプロジェクトに従事。現在、業務改革コンサルティングおよびオートメーション推進の専門チームを率いている。
 

池永 多くの企業が恒常的な人手不足に悩まされており、そんな中で、働き方改革の動きが本格化しています。こうした課題に対して、BPOやデジタル技術の活用で突破口を開こうとする企業が増えています。一方、BPO市場全体を見ると、数年前から大きな変化が起きています。これまでは、BPOというと賃金の低い国に業務を移管するオフショアリングが注目を集めました。しかし、新興国の人件費の上昇などを背景に、最近はコスト削減のみにフォーカスするBPOの魅力は低下しつつあります。

 

──そうした変化の中で、アクセンチュアのBPOはどのように対応しているのでしょうか。

池永 アクセンチュアは、単にコストを削減するだけではなく、業務改革など様々な形で価値を提供する、ビジネスプロセスサービスを提供しています。また今年1月、アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡(AIO福岡)を開設しました。ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)、アナリティクス、人工知能(AI)をはじめとする先端技術の活用と、エンド・ツー・エンドのプロセスの見直しにより、人間とマシンが高次元で協働する次世代のビジネスプロセスを創出し、かつその業務オペレーションをお客様に代わって執行する拠点と位置付けられています。

福島 氏
アクセンチュア株式会社
テクノロジー コンサルティング本部
クラウドファーストアプリケーショングループ
シニア・マネジャー
福島浩二
カスタム開発によるシステム開発プロジェクトを複数経験後、Accenture JapanにおけるServiceNowチームの立ち上げに参加。現在はAccenture GlobalのServiceNowチームと連携しつつ、日本のServiceNowチームを拡大・強化する役割を担っている。
 

福島 業務の効率化だけでなく、当社のコンサルティングやテクノロジーに関わるノウハウを活用し、業務の改革・改善にコミットする形でBPOを提供しています。AIやRPA、アナリティクスなどの技術を駆使して、業務の最適化や効率化を進めます。先端的な技術を順番に取り入れることでBPOで受託するあらゆる業務の90%自動化を実現する。それが私たちの目指すところです。

──具体的には、どのような業務改革が考えられますか。

池永 例えば、経理業務において、自動化による効率化はもちろんのこと、デジタル化されたデータをもとに業務全体の流れを可視化・分析します。すると、「この製品については、他製品に比べて売掛金回収が遅い」といった課題が見えてきます。原因の特定も容易になるでしょう。こうして、売掛金回収サイクルの改善という、経営に対してよりインパクトのある打ち手が可能になります。

 
グローバルでのServiceNowの売り上げ推移
アクセンチュア・インテリジェント・オペレーションセンター福岡
BPOの拠点であり、アクセンチュアの先端技術、先進事例による業務改革の事例が集約されている。クライアントとともに、各領域の専門家とワークショップなどを実施しながら新たな価値を共創する場である。

グローバルな協業を深化させる
アクセンチュアと「ServiceNow」

──BPOの対象になるのは、どのような業務ですか。

池永 お客さまのニーズ次第ですが、あらゆる業務が対象といえます。財務・経理、人事・教育、調達・購買といったバックオフィス系の業務から、営業支援、デジタルマーケティング、カスタマーサービス、製薬R&D業務、保険業務処理など、多岐にわたる分野での実績を積み重ねています。AIO福岡のオープンは、ビジネスプロセスサービスのさらなる強化につながります。

──デジタルを駆使したアクセンチュアのBPOを支える基盤のひとつとして、「ServiceNow」が大きな役割を担っているそうですね。

池永 先ほどAIやRPA、アナリティクスに触れましたが、こうしたテクノロジーを最大限に活用するため、あるいはデジタルトランスフォーメーションを実現するためには、しっかりしたワークフローの基盤が不可欠です。これが未整備な場合、業務プロセスの徹底的な可視化と維持、改革は難しいでしょう。このワークフロー基盤において、ServiceNowは世界的なスタンダードとして確固たるポジションを獲得しています。

福島 ServiceNowはもともと、特に日本企業において多く残る紙文化の脱却など、「働く人々の環境をよりよく改善する」というコンセプトに基づいて開発されています。紙ベースで行われていた承認などのプロセスをデジタル化する上で、充実した機能を備えています。ServiceNowの提供するプラットフォーム上には多様な業務プロセスを載せることができ、複数部門が連携するプロセスにも柔軟に対応できる。私たちの提供するBPOサービスにも適したプラットフォームです。アクセンチュアはグローバルなアライアンスパートナーとして、ServiceNowの導入やトレーニングなど多方面で協力関係を深めてきました。

ServiceNowと先端技術を組み合わせた業務効率化イメージ
ServiceNowと先端技術を組み合わせた業務効率化イメージ
ServiceNowのワークフロー機能を導入すれば、複雑な業務プロセスであっても間違えることなく円滑なサービス提供が可能となる。処理時間の分析も可能となるため、停滞している業務や改善が必要な箇所を早期に特定し改善することや、大幅な処理時間の短縮が可能となる。

BPO活用で働き方改革を推進し、
付加価値の高い業務に人材をシフト

──企業によっては、データをServiceNowのようなクラウドに上げることに抵抗感を示す向きもあると思います。

福島 クライアントの考え方やデータの種類にもよりますが、そうしたケースがあることは確かです。ただ、今年の夏ごろにはServiceNowのデータセンターを東京と大阪に開設の予定です。これにより、データを国内に置くことができるので、抵抗感はほぼなくなるのではないかと考えています。

池永 データをクラウドに一元化することにより、各部門の生産性比較や需要分析など、業務プロセスのインテリジェント化が現実的なものとなってきます。ServiceNowの国内データセンターには、私たちとしても大いに期待を寄せています。

──ServiceNowの特長、メリットについてどのようにお考えですか。

福島 まず、部門を横断するワークフローのプラットフォームとして活用できること。その意味では、様々な部門の連携が求められる大企業により適しているといえます。次に、開発者にとっての使い勝手です。企業のIT部門で働くエンジニアがある程度のトレーニングを受ければ、例えば、ServiceNowを活用して新規サービス立ち上げに必要なシステムをつくることができる。シンプルで使いやすい仕組みといえるでしょう。一方で、使いやすいからこそ様々なカスタマイズをしてしまいがちですが、将来的なバージョンアップや利用範囲の拡大を想定した場合にどういったカスタマイズをするのがよいかは、専門的な視点でのコンサルティングが必要となります。

──最後に、経営者に向けたメッセージをいただけますでしょうか。

池永 日本では、人材不足が当分続くと見られています。こうした中で、能力の高い人材が雑務や定型的な業務に追われている状況は、非常にもったいない。デジタル技術を生かしたビジネスプロセスの改革により、こうした人材はより付加価値の高い業務にシフトできるでしょう。例えば、人事部門を志した社員であれば、楽しく働ける制度や環境づくりを考える企画、プランニングなどに多くの時間を使えるようになる。経理部門の担当者であれば、ファイナンスサイクルの改善などの施策をより深く考えることができるようになります。それは本人のモチベーションアップ、そして、企業にとっての価値創造につながるはずです。

福島 多くの企業において、今も紙文化が根強く残っています。これをデジタル化するとともに、業務プロセスを改革することで、生産性向上と働き方改革が加速します。アクセンチュアは、そういった新しいワークスタイルの実現を強力に支援していきたいと考えています。

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グローバルでのServiceNowの売り上げ推移
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〒107-8672東京都港区赤坂1-11-44 赤坂インターシティ
TEL:03-3588-3000(代表)
URL:https://www.accenture.com/jp

ServiceNowJapan株式会社

〒107-6035東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル
TEL:03-4572-9200(代表)
URL:https://www.servicenow.co.jp/