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ロボット活用のカギは導入目的の明確化と運用の最適化

ロボット活用のカギは導入目的の明確化と運用の最適化

ロボットの役割を明確にし、
正答率30%→80%を実現

Pepperくん
東京駅構内の商業施設「グランスタ」にある総合案内所、構内地図前に設置。制服を着た視覚的な訴求、Pepperが持つ親しみやすさ、知名度の高さもあり、若年層から年配者まで幅広く利用されたという

 こうして、終了時の音声認識率は90%まで改善し、結果正答率も約30%から80%までに向上。「コンシェルジュへのアンケートでは、単純な道案内の質問が減った印象があるといった声をいただきました。Pepperの1日の対応数、約130件という数値も、1人の案内係として評価に値すると思います」(坂入氏)。

 また、成果を最大限に上げるには、導入目的を明確にし、設置場所にも気を配るべきだと2人は指摘する。

 「総合案内所の地図前に設置したことが効果的な正答率向上につながったと分析しています」と菅澤氏。自然とPepperへの質問が道案内に集中し、学習機能も効率的に働いたという。

 「ロボットの役割をクリアにしてこそ、人間にはないロボットならではの業務の均質性や正確性という長所も生きてくるのではないでしょうか」と坂入氏は指摘。蓄積したデータを可視化し、新たな業務改革、ビジネスへの可能性にも期待を寄せる。

 同社では具体的な実用化に向け、次のフェーズの実証実験も予定。AI案内ロボットが置ける環境づくりを行っている。JR東日本をはじめ、人とロボットとの共存による新たな価値創造の動きも加速していきそうだ。

藤原氏

経営環境の変化を受け、
Pepperは日々進化していく

本実証実験を技術面から伴走したソフトバンクの藤原真氏。「ロボット技術はまだ進化の余地が大きい。その点からも、お客さまによって異なる環境、ニーズに合わせ、適切な技術やパートナーとの連携により課題を解決していく姿勢を大事にしています」と語る。Pepperはただ置いておくだけでは本来の効果を発揮しない。「観察を重ねながら、成長させていく必要があります。私たちもお客さまの課題解決のソリューションとなり得るよう、Pepperをより進化させていきたいです」。

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