4年間で売上1.6倍にその秘訣は、価値観の浸透と従業員満足2つを同時に実現するUniposは価値ある投資です

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 木村 隆之氏

トヨタ自動車で約20年にわたり、商品企画や国内レクサス立ち上げを担当後、ユニクロ営業本部長補佐、インドネシア日産、アジアパシフィック日産の代表取締役などを経て2014年から現職。ビジネス環境の変化をとらえ、従業員の意識改革に注力。4年間で売上を1.6倍に押し上げた。

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意識改革で売上を1.6倍に拡大

自動車業界は、そのビジネスモデルを根底から変えるほどの大きな転機を迎えている。

カーシェアリングというコンセプトがユーザーの所有概念を変え、自動運転のテクノロジーが自動車の社会的価値を変えつつある。電気自動車が本格化し、市場への新規参入が相次いだ。

そうしたなかで、ボルボ・カー・ジャパンは目覚ましい成果を上げている。2016年と2017年に2年連続で日本自動車セールス満足度「輸入車No.1」を獲得し、2018年には日本カー・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。売上は4年間で1.6倍に拡大した。

代表取締役社長の木村隆之氏は、その最大の要因に「組織の意識改革」を挙げる。「私たちの仕事は、もはや自動車の販売ではありません。お客様のニーズと常に向き合い、顧客満足を継続的に提供するサービス業の一種なのです」(木村氏)。

この理念の下で、社長に就任した2014年当時から顧客満足度向上に向けた従業員満足と価値観浸透への投資に努めてきた。

組織の価値観を「Unipos」で可視化

自動車の老舗ブランドとして知られる同社には、部門ごとに優れたスペシャリストが在籍している。従来は、そうしたスペシャリストが同社の競争力を支えてきた。

しかし、今日では、単に自動車を販売するだけでなく、企画、宣伝、営業、販売からアフターサービスに至るまで、あらゆる顧客接点をまたいで一貫性のあるサービスの提供が求められる。

これを実現するには、部門ごとの専門性もさることながら、あらゆる従業員が部門の壁を越えて情報を共有し、連携し合える組織をつくらなければならない。それが実現できなければ、お客様が店舗スタッフに伝えた情報が本社販売部門に伝わっていなかったり、担当部門が変わるたびにサービスが途切れるなど、一貫性のあるサービスが提供できない。

「当社はもはや自動車販売業ではなく、サービス業の一種」と語る木村氏。そのために、組織の意識改革を進めた

これは組織構造だけの問題ではなく、従業員の意識に依存する面も大きい。「全従業員が部門の壁を越えて同じ価値観を共有し、お互いの事情を理解し、信頼し合える組織になる必要があります」(木村氏)。

これを実現するため、同社は数々の施策を進めてきた。そのなかで、特にユニークで大きな効果をもたらしたのが、「Unipos」というITツールだ。

Uniposとは、社員がお互いへの感謝や称賛の気持ちを少額の成果給と共に送り合う「ピアボーナス」のサービスである。

従業員は、組織の価値観に合う行動を見たら、それを称賛し、その従業員にピアボーナスを送ることができる。その内容は、Uniposのタイムラインで全従業員に共有される。

「Uniposの優れた点は、目に見えない組織の価値観を、従業員の行動によって可視化できることです。これを全従業員が共有することにより、ボルボというブランドの価値観が、現場の隅々にまで行き渡ります」(木村氏)

称え合う文化がブランドを形成

例えば、お客様のために販売店を丁寧に掃除している1人の従業員がいる。その行動を誰かが称賛し、Uniposを通じてピアボーナスを送ると、それが即座にタイムライン上で共有される。

組織の価値観という目に見えないものが、従業員の行動というかたちで「見える化」されるわけだ。それが繰り返されることにより、従業員は次第に会社が求める価値観を理解し、それに沿った行動を取るようになる。同じ価値観を共有すれば、お互いの仲間意識や信頼感が醸成され、連携もしやすくなる。

「Uniposによって、お互いを称え合う習慣が浸透しました。このような仕組みを利用すれば、働く場所や時間を越えて従業員同士の信頼関係が深まり、部門の壁を越えた連携を生み出す土壌ができます」(木村氏)

今日の経営者は、従業員の意識や心の問題についてよく考えるべき時代にきていると木村氏は語る。従業員の働きがいや誇りを高め、お互いに称賛し合うカルチャーを醸成するために、同社は今後もUniposを活用していく考えだ。

ポテンシャルを組織力に
変える仕組みが必要