1969年、それは今も語り継がれるマスターピース誕生の年だった!

 今から50年前の1969年9月、弊誌『日経ビジネス』は創刊した。前年の68年には日本のGNPが世界第2位となり、翌年に大阪万博を控えたこの年は、日本経済の大きな転換期だったと言えるかもしれない。
 実は、この1969年は、腕時計の世界においても、非常に重要な年と言われている。その理由は、歴史にその名を残す数々の名作が誕生、または偉業を果たしているからだ。
 まず大きな出来事として挙げられるのが、世界初の「自動巻きクロノグラフ」の誕生だろう。1月にゼニスの誇る名機「エル・プリメロ」が、3月にはホイヤー(現在のタグ・ホイヤー)、ブライトリング、ハミルトンなどが共同開発した「キャリバー11」が発表されている。また、5月にはセイコーが「キャリバー6139」を発売しており、同じ年に別々の陣営から3つの自動巻きクロノグラフムーブメントが世に送り出されることになったのだ。
 世界初、という意味ではもう一つ、この年に重要な時計が発売されたことを忘れてはいけない。

それは、年の瀬も押しつまる12月25日に、セイコーが発売した世界初のクオーツ時計「クオーツ アストロン」だ。「自動巻きクロノグラフ」と同様、スイス勢も開発を進めていたクオーツ時計だが、セイコーがいち早く製品化。世界初の称号を勝ち取った。そして、クオーツはその後、世界を席巻することになる。
 一方、この年に偉業を果たした腕時計の代表格と言えば、オメガのスピードマスターだろう。アポロ11号による月面着陸ミッションに採用されたことにより、世界で初めて月に降り立った時計として、その名を残すことになった。もし、この成功がなかったとしたら、現在ほどの名声を、スピードマスターは手にしていなかったかもしれない。
 そのほかにも、腕時計にその名を残す数々の名作が誕生した1969年。今年はその偉業を祝福するような記念モデルが数多く発表されている。半世紀を超えて今に輝く歴史的な名作タイムピースをここに紹介しよう。

文=安藤夏樹

ZENITH
オリジナルの姿で
名機が復活
ZENITH
ゼニス
エル・プリメロ A386リバイバル
TAG HEUER
1970年代を象徴した
モナコの限定版
TAG HEUER
タグ・ホイヤー
モナコ 1969–1979 リミテッドモデル
SEIKO
世界初の精神を
受け継ぐ最新時計
SEIKO
セイコー
アストロン レボリューションライン クオーツ アストロン
50周年記念 限定モデル SBXC036
OMEGA
月面着陸を祝った
希少モデルが現代に
OMEGA
オメガ
スピードマスター アポロ11号
50周年記念 リミテッド エディション
BVLGARI
時計デザイン史に
刻まれた1969年
BVLGARI
ブルガリ
ジェラルド ジェンタ アリーナ バイ レトロ
50周年記念モデル
GLASHÜTTE ORIGINAL
ドイツが誇る名作
ダイバーズが復刻
GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル
SeaQ1969
ZENITH
オリジナルの姿で
名機が復活

ZENITH
ゼニス

エル・プリメロ A386リバイバル

世界で初めて発表された一体型自動巻きクロノグラフムーブメントとして知られるエル・プリメロ。その誕生50周年を祝うのは、リバースエンジニアリングを行うことで、初期のデザインを忠実に再現した記念モデルだ。ケース素材にはオリジナルのステンレススティールとイエローゴールドに加え、ホワイトゴールドとローズゴールドが追加された。50年保証も付く。最新型のエル・プリメロを見て楽しめるよう、ケース裏はスケルトンバックになっている。クロノグラフの名門ゼニスの原点を肌で感じられる1本。
自動巻き、18KYGケース、径38㎜、207万円、世界限定50本、7月発売予定

TAG HEUER
1970年代を象徴した
モナコの限定版

TAG HEUER
タグ・ホイヤー

モナコ 1969–1979 リミテッドモデルク

キャリバー11を搭載し、世界初の角形防水自動巻き時計として1969年に誕生した「モナコ」も今年で50年。その50年を10年ごとに区切り、時代のトレンドやカラー、スタイルを盛り込んだ限定モデルが5つ、順次発表される。その第1弾となる本作は、70年代を象徴するグリーンカラーとタイムレスなコート・ド・ジュネーブ仕上げを組み合わせた文字盤が特徴。ストラップにはパンチング加工を施し、スポーティな印象が際立つ。多くのカルト的なファンを持つ時計だけに、この限定モデルも入手困難になるのは間違いない。
自動巻き、SSケース、縦39×横39㎜、70万5000円、世界限定169本

SEIKO
世界初の精神を
受け継ぐ最新時計

SEIKO
セイコー

アストロン レボリューションライン クオーツ アストロン

2018年には未来技術遺産に認定された世界初のクオーツ時計「クオーツ アストロン」。今年、その名を継ぐ、GPSソーラーウォッチ「セイコー アストロン」から、50周年を祝う記念モデルが登場した。ベースになったのはアストロン史上最高性能を誇る「5Xシリーズ」。デザイン面ではダイヤルにクオーツ(水晶)をモチーフとしたパターンを施すなど、発売当時「未来的」と評されたクオーツ アストロンの意思を受け継いでいる。
クオーツ、18KPG×チタンケース、径47.2㎜、300万円、世界限定30本

OMEGA
月面着陸を祝った
希少モデルが現代に

OMEGA
オメガ

アストロン レボリューションライン クオーツ アストロン

オメガ「スピードマスター」といえば、1969年に行われたアポロ11号の月面着陸ミッションに使用されたことで有名だが、本作は当時1014本のみ製造され、帰還した宇宙飛行士たちにも贈呈されたことで知られる希少モデルのデザインを踏襲している。今回のモデルではムーンシャインゴールドと命名された特別な素材をケースとブレスレットに使用しており、手巻きムーブメントは耐磁仕様へと進化している点にも注目。
手巻き、18Kムーンシャインゴールドケース、径42㎜、371万円、世界限定1014本

BVLGARI
時計デザイン史に
刻まれた1969年

BVLGARI
ブルガリ

ジェラルド ジェンタ アリーナ バイ レトロ
50周年記念モデル

1969年という年は、デザインの面でも時計史に大きく刻まれている。時計デザイナーとして数々の名作を世に生み出した天才、チャールズ・ジェラルド・ジェンタが、自らの名前を冠した時計を発表した年なのだ。ジェンタの工房は2000年にブルガリの傘下に入り、現在躍進を続けるブルガリの時計製造に大きく寄与した。その功績に敬意を表して、今年ブルガリから発表されたのが本作。ジェンタが愛したジャンピングアワーを採用しており、ロゴも新たに作られたオリジナルが採用されている。
自動巻き、Ptケース、径41㎜、645万円

GLASHÜTTE ORIGINAL
ドイツが誇る名作
ダイバーズが復刻

GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル

SeaQ1969

1969年にはドイツでも名作が誕生している。グラスヒュッテ・オリジナルがこの年に発表した名作ダイバーズウォッチ「Spezimatic RP TS 200型」を現代に甦らせたのが本作だ。ケース径は39.5㎜へと拡大したが、矢印針などのデザインコードは1969年のオリジナルモデルを継承しており、シンプルで見やすい。防水性能は20気圧で、最大限の信頼性を高めるためにドイツの品質規格であるDINと国際品質規格のISOにも準拠している。搭載ムーブメントは自社製のキャリバー39-11となっている。
自動巻き、SSケース、径39.5㎜、102万円、世界限定69本

掲載の内容は2019年6月時点の情報です。製品価格は税抜表記となっております。
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