アサヒ ザ・リッチ
消費者ニーズを熟知するマーケターも認めた
音部大輔氏 クー・マーケティング・カンパニー代表取締役

目指したのは「まるでプレミアムビールみたい」な新ジャンル

アサヒザ・リッチ絶好調!!※過去10年のアサヒビール新ジャンル新商品の中で最速で100万函突破(1箱は大瓶633ml×20本で換算)

音部大輔氏 クー・マーケティング・カンパニー代表取締役

違いの分かる 大人は 一口目で分かる

贅沢なコク

華やかな香り

2026年までに段階的に税率が改定、統一されていくことが予定されているビール類。今後、存在意義が大きく変わろうとしている新ジャンルだが、今、生活者が強く求めているカテゴリーでもあり、熾烈な競争を繰り広げている。そうした中、アサヒビールが、今までにない斬新な切り口の新商品「アサヒ ザ・リッチ」を携え市場に切り込んできた。新ジャンルでありながら、「ライバルはプレミアム」と謳った「アサヒ ザ・リッチ」は、アサヒビールの過去10年のアサヒビール新ジャンル新商品の中で最速で100万函突破(1箱は大瓶633ml×20本で換算)を記録したという。この注目の商品を、第一線で活躍するマーケターである音部大輔氏が鋭い視点でチェックする。

音部氏がチェック

新ジャンルの常識を覆すプレミアムビールのような味わい、上質感は本物か?

「これが新ジャンルとは驚きですね!」。見た目ほどには飲めないものの、ビールは好きだと語る音部氏。「アサヒ ザ・リッチ」を試した感想は「味も香りも豊かで華やか。まさにプレミアムビールを彷彿させる味わいに仕上がっていると思います。すごくおいしい。これが新ジャンルとは驚きです」。そして、特に印象的だったのが一口目の味わいだったと話す。「グラスに入れて、まず一口。その余韻を楽しみながら飲んだ時に感じる複雑味は、今まで味わったことがない感覚。そこにユニークさを感じました」。

音部大輔氏 クー・マーケティング・カンパニー代表取締役

●PROFILE:音部大輔氏 クー・マーケティング・カンパニー 代表取締役
P&G、ダノンジャパン、ユニリーバ・ジャパン、資生堂などで勤務。マーケティング担当副社長やCMOとしてマーケティング組織を構築・指揮。2018年1月より現職。博士(経営学 神戸大学)。日本マーケティング学会 理事。著書に『なぜ「戦略」で差がつくのか。』(宣伝会議)、『マーケティングプロフェッショナルの視点』(日経BP)がある。

実は、音部氏が感じたその一口目の複雑味こそが「アサヒ ザ・リッチ」の最大の特長。その味を生み出しているのが、アサヒビールとしては初めての試みとなる「微煮沸製法 (びしゃふつせいほう)(*1)」だ。

通常、ビールの製造工程では、麦汁をしっかり煮沸=熱を通すことによってビールの噴きや濁りに関連する成分や不快な香りを取り除くことがセオリーである。しかし、実はそれでは煮沸によって挽きたての麦芽由来の力強く芳醇な麦の香りが失われてしまっていた。そこで、必要最低限しか煮沸をせず、麦の香りを残すことが出来る最適な煮沸条件で設計された製法=微煮沸製法をアサヒビールとして初めて活用することで、圧倒的な麦感、香り、厚みのある、プレミアムビールのような複雑味のある味わいを実現できることを、研究者たちは発見した。

ただこれは、アサヒビールにとっては、前例のない、常識を覆すような試み。無論、生産現場や技術系のスタッフたち、中でもベテラン陣は、不安や懐疑の念を当初抱いていた。しかし、試作品を味わった瞬間、皆の目の色が変わったという。想像を超えた味の可能性と仕上がりは、技術者たちのチャレンジマインドに拍車をかけたのだ。そこからは全社一丸となっての総力戦。こうして、これまでの新ジャンルにはない、また、これまでのアサヒビールのイメージとは違った、全く新しい味わいの「アサヒ ザ・リッチ」が誕生した。
(*1)特許出願中

音部氏がチェック

「アサヒ ザ・リッチ」が目指したのは、消費者の期待を超えた新ジャンル

これまで多くの新ジャンルは、ビールに近づけることを追求してきた。「まるでビールのよう」という言葉が最高の評価で、近年はそうした声も増えてきていた。とはいえ、やはりビールには及ばず、消費者の理想にも十分には届いていない。

アサヒビールはそこに着目し、新ジャンルにおける新商品開発に乗り出した。目指すべきコンセプトは消費者の声から着想。徹底的な調査のうえに浮かび上がってきたのは、これまでの新ジャンルに足りていなかった「コク」「麦の味わい」「高級感」「贅沢感」。これらのキーワードの先に見出したのが、「プレミアムビールを目指してつくった贅沢な新ジャンル」だ。

深いコクや味わいを生み出すための「贅沢醸造」、華やかな中に爽やかさもある上品な香りに仕上げるための「最高級ホップ」、これらを味のベースに、これまでの常識を超えた「微煮沸製法」で、プレミアムビールのような味わいを目指した。また、アルコール度数は、コクのある味を嗜好する消費者に今一番ニーズの高い6%に。音部氏も「少し高めのアルコール度数は、リッチ感を出しやすいですよね」と納得する。

音部大輔氏 クー・マーケティング・カンパニー代表取締役

「アサヒ ザ・リッチ」のこうした開発経緯を聞き、音部氏はマーケター視点でこう話す。「新ジャンル市場が相当に独立していると感じている状況下、ビール類の中で最も歴史の古いビールカテゴリーと類似した構造ができあがっていく、また消費者もそれを望んでいるという前提に立つなら、現在、新ジャンル市場でガラッと空いているのはプレミアムビール的な味わいのポジション。アサヒビールはそこに目を付け、新商品を作りに行った。それは評価できるところだと思います。新ジャンルでビールの構造をコピーする、これはこの先しばらく続く競争の絵図。ビール類市場に乱世がやってくるかもしれません」。

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。ほどよく、楽しく、いいお酒。のんだあとはリサイクル。