日経ビジネス50周年 NEXT Innovators チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏

チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏
株式会社チェッカーサポート

レジ専門のノウハウと質の高い接客で人手不足時代の救世主に

レジ業務のアウトソーシングを専門に行うチェッカーサポート。小売・サービス業での人材確保が厳しさを増す中で、順調に事業を拡大している。その成長の理由に、18年間レジ業務に向き合い続けた伏見啓史代表取締役が見出した哲学があった。

レジ部隊のアウトソーシング専業に歩んだ18年

現在、多くの企業が小売・サービス部門の就業に関わる業務の複雑さに頭を抱えている。この部分にかかる労力をアウトソーシングすることで体力を温存、企業はその労力を経営に振り分けることができる——このレジアウトソーシングのビジネスモデルを構築してきたのが、業界のリーディングカンパニーであるチェッカーサポートだ。

2002年の創業当時から、小売・サービス業のレジ部門に特化した運営の受託・代行サービスを構築し、現在、売り上げの90%以上を占める。その業務内容はレジ業務を部分的にサポートするのではなく、シフト作成や運用、スタッフの雇用や調整、また育成など就業に関わるすべてを代行するというもの。単に人員を派遣するのではなく、総合的なサポートを実現することで他社との違いを明らかにする。これにより業界に知られる存在となり、事業も拡大。大阪、名古屋、福岡など、全国10か所以上に営業所を構え、就業スタッフは6500人を超えるまでに成長している。

徹底した現場主義で、社長みずからレジ打ち

写真:店員の様子

「現場主義」という言葉はよく聞くが、本当に実践できている会社はそう多くない。だがチェッカーサポートは間違いなくその一社だ。同社では代表取締役の伏見啓史氏も必要とあらばすぐにチェッカー(レジを打つ人)になる。

「チェッカーの多くがパートやアルバイトで、それぞれ働ける時間帯は違います。それらを組み合わせてシフトを作りますが、順調に回すためにはレジの台数×5人もの人材が必要になります。レジ業務は絶妙なバランスで成り立っていて、これを崩さないことが我が社の強みなのです」。急にスタッフが休むといったケースでもすぐさまカバーに入れるよう、つねに臨戦態勢をとっているという。

さらに現場を知っておかなければ経営判断を誤るという危機感が伏見氏にはある。

「この18年間、現場は変わり続けています。この変化を肌で感じているかどうかは、業務を判断する際の大切な材料になります」

近年の最大の変化が電子マネー、クレジットカード、バーコード決済などの支払方法の多様化だ。さらに各店舗のポイントが付加されるなど、業務は煩雑になっている。「知識をつねにブラッシュアップしていかなければ、新人教育もままならず、また自身も置いていかれるという危機感がある」と伏見氏は語る。

画像:接客白書vol.15 今の若手の育て方
画像:接客白書vol.16 笑顔のちからを科学する

同社が制作・発行する「接客白書」には、接客ノウハウに加え、人事制度、法務の仕組みなど、人材にまつわる解説・事例などが紹介されている

専業の強みが小売業界に浸透。新たな業態へ進出

写真:レジの様子

空港業務を受託するきっかけになった那覇空港の販売店。那覇空港での実績や評判が広がり、全国の空港へと進出するきっかけになった

2年ほど前からチェッカーサポートにとって、新たな現場が加わった。それが「空港」だ。

「空港は特殊な現場です。機内持ち込みできるもの、できないものという規制も多い。また免税に関する知識も必要になります。対応によってはお客様が飛行機に乗れないということも起こりえますから、気が抜けません」

当初はエアポートトレーディング株式会社(那覇空港)の免税店や売店での業務からスタート。ここでの仕事ぶりが評価を得て、関西国際空港から声がかかったのだという。

「関西国際空港の乗降客数は2883万人(平成30年統計※)と、東京国際空港(羽田空港)、成田国際空港に次いで第3位です。商業施設としても膨大な規模です。受注直後は弊社の社員が実際に販売員として空港の店舗に入って、どんな現場なのかを徹底的に知ることから始めました」

これによりスタート当初からレベルの高い接客を実現し、評価を獲得する。伏見氏の言葉通り、空港は独特のノウハウを要する。そのため新規参入が難しいこともあったが、さまざまなノウハウを獲得した今では中部国際空港(セントレア)や成田国際空港などからも声がかかる。社内でも成長案件として、注力しているそうだ。

※国土交通省 大阪航空局 空港利用状況概況集計表