日経ビジネス50周年 NEXT Innovators チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏

チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏
株式会社チェッカーサポート

レジ専門のノウハウと質の高い接客で人手不足時代の救世主に

店舗そのものを任せたい」新しい挑戦だった

空港での業務と同時期にスタートしたのがタリーズコーヒー(※)をはじめとする飲食系チェーン店での店舗業務受託だ。効率的に店舗展開したいところに、人材不足が足かせとなり、運営上のストレスになっているケースは多いという。「人さえいれば確実に成長できるのに人がいない」という悩みを解決するために、企業は多数の人材派遣会社と付き合って何とか人手を確保しているのが現状だ。各社と付き合うのも時間を要するうえに、派遣会社はスタッフの教育まではしてくれない。そこでチェッカーサポートに声がかかった。とはいえチェーン店の運営は簡単ではないと伏見氏。

「タリーズコーヒーならば、タリーズコーヒー独自のフィロソフィーがあり、接客マニュアルがあります。これをすべて学んで初めて業務のスタート地点に立てるわけです」

学んだことを生かし、事業として確立するためには、同じタリーズコーヒーで複数の店舗運営を受託することが望ましい。「事業の可能性を広げるためにも、現存の店舗で確実に成功することが大切」と伏見氏は話す。

※2020年1月現在、タリーズコーヒー那覇空港店のみ受託

レジだけではない、質の高い接客こそが宝

今小売・サービスの現場では、人材教育にまで手が回らないというのが正直なところだろう。なかでもレジ業務での「笑顔の接客」はハードルの高いミッションなのだという。

「対面接客でサイズや味の選択を問う『応酬話法』では自然と笑顔が出やすい。つまりファストフード店などは笑顔の接客が実現しやすいのです。しかしスーパーなどでのレジ業務では、お尋ねすることはほとんどなく、一度も目を合わせずに一連の行動を完了することもできてしまう」と、伏見氏は笑顔のタイミングの難しさを語る。

しかしだからこそ「ここに商機があり、勝機がある」と見たのだ。チェッカーサポートは創業当時から「笑顔」を事業の核に据え、「笑顔で日本を元気にします!」をキャッチフレーズに、一貫した姿勢を取ってきた。その手法がいらっしゃいませのあとに時間帯別の挨拶(おはようございます、こんにちは、こんばんは)の一言をつけること。こうした一言を心掛けることがコミュニケーションの質を高め、互いの笑顔を生み、周囲を明るくし、現場の雰囲気の向上に役立っていくのだ。

こうした高い現場力が認められるに従い、接客コンサルティング業務の受注も伸びつつある。同社のコンサル業にも他社との違いがあり、たとえば研修を行う際、企業も人員ギリギリのところで業務を回しているのにも関わらず、「何時に研修センターに集合」という場合が多い。ところがチェッカーサポートでは社員全員がチェッカーになれるため、現場に出向いての研修や、研修時間のレジ代行が可能となる。これこそ同社にしかできないサービス形態であり、今ではレジ受託からコンサルティング業務までフルラインアップで業務を受託するケースも増えているそうだ。

「当たり前」を「特別」にする仕事 チェッカーサポートで就業中の川原潤子さん

写真:川原潤子 氏

チェッカーは多くのお客様にとって「当たり前の存在」です。しかし、チェッカーサポートで仕事を始めて「当たり前」に笑顔と丁寧な接客が加わることでお客様の心に残る「特別な仕事」に変わると知りました。セルフレジやネット通販が増えていますが、買い物にモノ以外の価値を求める声はとても根強いと感じています。