日経ビジネス50周年 NEXT Innovators チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏

チェッカーサポート 代表取締役 伏見啓史氏
株式会社チェッカーサポート

レジ専門のノウハウと質の高い接客で人手不足時代の救世主に

採用&固定は重要課題。従業員の心をどう動かすか

チェッカーサポートが業界内で知名度を上げる一方で、未曾有の採用難時代が続いていることは変わりない。人材確保への経営資源投資は欠かせないという。

「人を集める魔法はありません。皆さんと変わらぬ募集方法ですが、長年のノウハウに基づいて、エリアによって募集する媒体や方法を使い分ける工夫をしています」

そうして集めた彼らに仕事を続けてもらうための施策も必須になってくる。大きくは3つの施策を展開している。①離職・休職へのサポート体制整備、②スタッフへの正当な評価、③小売・サービス業へのプライド醸成である。

①については、離職や休職へのリスクヘッジを行う専門部署を設けて対応している。店舗同士の応援体制を整え、突然の離職・休職が、担当社員だけの負担にならないようにしている。またひとつの店舗にいたい人、さまざまな店舗に行ってみたい人など、従業員それぞれの性格や希望をしっかりと把握。個人の希望が極力生かされるよう配慮されている。

写真:研修の様子
写真:接客コンテストの様子

上/リーダー会議、接客研修など従業員が集まる機会も多い。個別業務がほとんどのチェッカーにとっては大切な交流の場になっている。右/接客コンテスト受賞者と喜び合う伏見代表。コンテストは今年で10回目を迎える

②について、伏見氏はこう話す。「いただいている現場すべてで、接客態度を判断するための調査員が入っています。弊社の評価比率では売上、利益と顧客満足度(CS)は同等で、他社にはない高比率設定です」

CS評価によって社員は昇給・賞与が、パート・アルバイトは時給が決まる。時給は変動制とし、評価は時給に直結する。またこうした評価を基に優秀チェッカーを表彰する他、レジチェッカーの頂点を決める大会として社内向けの接客コンテストや、「C1グランプリ」を幅広い企業参加の下に開催している。給与、スキル双方に対して評価体制を整え、従業員の向上心を支えているのである。

そして伏見氏の言葉に一番熱がこもったのは、③である。「1日8時間レジに立っていたら400~500組のお客様に向き合います。この間、笑顔でいることは本当に大変ですが、接客の質を高めれば、間違いなくいい反応が返ってきます。レジのスピードや精度も同じで、本人が『こうなりたい』という自発的な向上心こそがモチベーションにつながるのです。そうなれば同じ労働時間をより良い時間に変えられます」

今後国内でさらに伸長していくであろう、観光産業においても、「接客」は大きな位置を占めるだろうと伏見氏は語る。「小売・サービス業の働き手は日本のおもてなし精神の窓口です。日本の『居心地の良さ』の演出を担っています。そのプライドを伝える会社でありたい」

誰よりも現場を重んじ、1日レジに立つ大変さも喜びも知る伏見氏ならではの従業員への思いと施策は全国200を超えるレジの現場に、今日も息づいている。