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ウィズ・コロナ時代の選ばれる大学~今、社会に求められる人材創出とは~

学び方が多様な時代こそ
大学で学ぶ意義を考えたい

コロナ禍の今、多くの大学がオンラインで講義を行っている。山口氏が特任准教授を務める信州大学でも同様だが、「オンラインならば他のキャンパスの講義も受講できますし、講義室と違って全員が最前列で、チャット機能を使えばその場で質問も可能」と、前向きに受け止めているようだ。

「学生時代の私は教壇の真ん前で勉強するタイプ。司法試験対策専門の塾もありますが、基盤となる論理や思考法は大学の先生に教わったことばかりで、大学で学ぶ意義を実感しました」

大学にはそれぞれに特色がある。司法試験対策に強い大学もあれば、学生へのサポートが手厚い大学もあり、「自分に合った大学が最良」だと山口氏は言う。

「ロースクールの受験では不合格を経験して悔しい思いをしましたが、振り返ってみれば入試はマッチングにすぎません。合格をいただいて進学したハーバード大学は素晴らしい環境で学ぶことができましたから、私に合っていたのだと思います」

学びは社会に出てからも続くもの。
そのために必要な力とは

最近は若い世代と仕事をする機会が増えて、「日本の大学はビジネスに直結する人材を育ててこなかったのではないか」という問題意識を持つようになったと語る。

「実務を通して学ぶことはとても多く、最初は疑問や不明点がたくさん出てくるはずです。そういう時にはまず自分で調べて、ダメなら周囲に質問する。自ら学ぶ姿勢や向上心は社会に出てからも欠かせません。アメリカでは内容が少々的外れでも、質問は良いことだと考えられていますが、日本人はそうではないので、意識して実践する必要があるでしょう」

また、コミュニケーション能力も必要なスキルだと、山口氏は指摘する。「ビジネスの相手と性格が合わないのは当然です。身に付けるべきは論理立てて話す力よりも、相手がどう受け止めるかを想像できる力ではないでしょうか」

社会環境が変化するなかで、日本の大学も変化しつつある。叡啓大学はソーシャルシステムデザイン学部を、桃山学院大学はビジネスデザイン学部を、東京理科大学は国際デザイン経営学科をそれぞれ設置。

「最後に、大学にしかできないこととして期待するのは教養教育です。社会に出ると仕事で必要なこと以外を学ぶ時間はなかなか持てませんから、学生のうちに教養の大きな引き出しをたくさん作ってほしいと思っています」

山口真由

山口真由氏

2002年、東京大学教養学部文科Ⅰ類に入学。在学3年生時に司法試験合格。4年生時には国家公務員Ⅰ種試験合格。卒業後は、財務省に入省し、主に国際課税を含む租税政策に従事。2008年に財務省を退官し、弁護士として法律事務所に勤務した後、ハーバード大学ロースクールに留学。2017年、ニューヨーク州弁護士登録。現在では、朝の情報番組でコメンテーターなども務める。

未来を切り開く力を付ける大学ガイド

未来を啓く教育を広島から。

叡啓大学

叡啓大学・学長予定者 有信睦弘氏

1976年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻博士課程修了(工学博士)。東京芝浦電気株式会社(現・株式会社東芝)研究開発センター所長、執行役常務などを経て、東京大学執行役・副学長就任。

Society5.0時代に求められる、
社会システムを構想する力を備えて人材を育む。

叡啓大学は2021年4月広島に開学予定の新しい県立大学で、ソーシャルシステムデザイン学部のみの単科大学だ。

1学年100名のうち20名は留学生で、日本人学生も留学生も英語で開講される授業のみを履修して卒業することが可能。

学生は、俯瞰的な視野で「持続可能な発展を意識したリベラルアーツ」を学ぶことにより、普遍的で汎用性の高い知識を身に付けるとともに、企業等と連携した「PBL(Project Based Learning)」により、本質的な課題の発見や解決策を検討する。そのプロセスを3回経験することで、社会に対峙していくための訓練を積み、将来の社会像をデザインする力を養っていく。

桃山学院大学ビジネスデザイン学部

桃山学院大学

新たな教場となったあべのBDL。最先端オフィスのようなビル型キャンパスは、交流と共創を促す最新のフロア設計で、新しいビジネスの仕組みを生み出す柔軟な発想が身に付く環境を整えている

ウィズ・コロナの時代に
新しいビジネスの仕組みをつくる人材を育成。

地域で、世界で、人を支える人材を育成する桃山学院大学(大阪府)。経営学部ビジネスデザイン学科では、UCCプロフェッショナル(株)や小林製薬(株)をはじめとする企業・団体と連携したPBL(課題解決型学習)等を通して、「社会に新しい価値を生み出すビジネスの仕組みをつくる力」を身に付けることができる。

今秋からは「あべのBDL(ビジネスデザインラボ)」が新たな教場に。コロナ対策も徹底し、オンライン授業と併用しながら対面授業を行う。また、2021年4月からはビジネスデザイン学部となり、入学定員も70名から200名へ増加。入試においても、総合型選抜の一部(ビジネスプラン入試)をオンラインで実施。出願期間は来年3月4日までで、試験日は受験生と相談して決める。

2021年4月、経営学部に国際デザイン経営学科新設。

東京理科大学

デザイン、デジタル技術、異文化への対応力を養う。経営学をベースに知識とスキルを高度に融合し、社会課題解決を先導できる人材を目指す。

創立140周年を迎える
東京理科大学の新たな挑戦。

東京理科大学は、先の見えない時代の「やっかいな問題」に対し、様々な個性を束ねて敢然と立ち向かう“異才”を育むべく、2021年4月、経営学部に国際デザイン経営学科を新設する。

デザインは、製品の見た目だけでなく、今やビジネスや社会制度の設計などにも欠かせない技術になりつつあり、企業経営やプロダクト開発などにデザインの概念を取り入れるデザイン経営は注目を集めている。新学科では「デザイン経営」に加え、異文化対応力を高める「国際経営」、高度なテクノロジーを活用する「デジタル経営」の3つの研究領域を柱にカリキュラムを構成。異なるバックグラウンドや専門性を持った人材を上手につなぐことのできる優れた「マネジメント能力」を備えたリーダーを育む。