叡啓大学(仮称) 学長※ 有信 睦弘氏
PROFILE
有信 睦弘 [ありのぶ・むつひろ]
1976年東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻博士課程修了(工学博士)。東京芝浦電気株式会社(現・株式会社東芝)研究開発センター所長、執行役常務などを経て、東京大学執行役・副学長就任。
※2021年4月に叡啓大学学長就任予定。
偏差値偏重の教育ではなく、
人間力を育む。
未来を啓く教育を広島から。
SDGsを意識した
リベラルアーツ教育
――2021年4月に広島市に新しい県立大学「叡啓大学」を開学予定です。設置の目的、教育内容を教えてください。
グローバル化やAI等の技術革新が急速に進んでいます。従来のいわゆる偏差値教育は限界に来ています。先行き不透明な将来を見据え、多面的な入学者選抜と、学生が将来の社会を生き抜く基礎を身に付ける教育が必要です。
叡啓大学は、社会のさまざまな仕組みを理解した上で、自ら課題を発見し、解決策を立案して実行することで、新たな価値を創出し、より良い社会を実現する人材を育成します。「先見性」「戦略性」「実行力」「自己研鑽力」「グローバル・コラボレーション力」という5つの能力・資質の修得を教育の基盤としています。
――グローバル目標であるSDGsを教育の柱に据えています。
特に重要視したのはリベラルアーツの充実です。SDGsを意識し、17のゴールを分類した5Pを踏まえた科目群を設定しました。「Peace(平和)」「Partnership(共創)」については、共通して学ぶ基盤科目として位置付けています。同時に、「People(人間)」「Prosperity(繁栄)」「Planet(地球)」をベースとして、「アイデンティティデザイン」「ビジネスデザイン」「エコシステムデザイン」という3つの視点を設定し、学生が興味関心に応じて選択することにより、テーマに沿った内容を学べるようにしています。
社会のリアルな課題を
解決する人材の育成
――英語の授業やデジタルリテラシーの教育も充実しています。
英語力とICT利活用のスキルは、早い段階で修得することが重要だと考えています。これらの資質・能力があるかないかで将来できることは大きく変わるでしょう。学生数の2割程度は留学生を受け入れ、キャンパス自体がグローバルで多様な、異文化交流の場となります。
英語で授業を受けられる実践的な英語力や、ロジカルシンキング、システム思考などのスキルの修得を目指します。
学生が身に付けた知識とスキルを実践するのが、地元企業や自治体と共同で取り組む課題解決演習です。
――課題解決演習では、広島の企業のリアルな課題に取り組むようですね。
広島の多様な業種や業態の企業が参画しており、例えば、食品会社と海外展開に向けた市場環境調査を行ったり、保険会社と高齢ドライバーの事故対策を検討したりするなど、リアルな課題に取り組みます。ここでは、企業の課題設定から調査、情報分析、解決策の提案までを学生が行い、企業から評価してもらう仕組みを構築し、課題設定と実践的な課題解決能力、他者と協働するために必要な力を養います。
私たちが考える「ソーシャルシステムデザイン」とは、学生たちが生きていく世界を自らデザインする力のこと。将来、羽ばたいていく社会を学生自身が俯瞰する目を養い、一人ひとりが未来を、社会をデザインしていってくれることを期待しています。
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