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進む「デジタル・プラットフォーマー規制」 自主規制と対話で構築するガバナンス・イノベーションを

国内のデジタル広告市場が急速に勢いを増している。デジタル広告を提供するプラットフォームとして今まで多くの取り組みを展開してきたFacebook Japanの小堀恭志氏が、巨大IT企業への取引透明化を求める法案の成立に注目する岸博幸氏と今後のデジタル・プラットフォーマーの在り方について語った。

中小企業、地方創生を
支えてきたデジタル広告

 ──デジタル広告市場が急速に拡大しています。その役割、社会的意義についてどう捉えていらっしゃいますか。

小堀 氏
Facebook Japan
執行役員 公共政策統括
小堀恭志
富士通に入社後、マーケティング部門や渉外部門を担当。渉外部門では政府との関係性構築、新規事業部門を手掛ける。その間、外務省経済局に出向し、経済連携協定締結等について日本政府の交渉官として従事。2019年にFacebook Japan入社、現職に至る。

小堀 消費スタイルの変化を受け企業によるオンラインでのマーケティング活動の強化が進むなか、特に日本で重要な役割を担い、当社が注力しているのがデジタル広告による地方創生、中小ビジネスの支援です。FacebookやInstagramのビジネスアカウントは無料かつ簡単に作成でき、少額から広告配信、国内外へリーチできます。リソースに限界がある地方自治体や中小ビジネスと相性がいいのです。災害時のセーフティ機能として提供している「災害支援ハブ」同様、社会・経済貢献活動として位置付け、取り組みを進めています。

 私が教壇に立つ大学院でも自治体と連携した地方創生事業でFacebook広告を積極的に活用しています。米国IT企業の「一人勝ち」には日本の経済人として懸念を抱いているところですが(笑)、使いやすさ、リーチ力を高く評価する声を多く聞きます。

小堀 ありがとうございます。全国各地で中小企業向けのデジタル広告のセミナーを開催するほか、18年より自治体と連携し、地域の中小企業のサポートを実践しています。また、新型コロナウイルス感染症への対応としてもオンライン上で顧客との関係性を維持するリソースを提供し、事業継続性の担保と新たなファン獲得につながる事例も生まれています。

 世界随一のIT企業が中小企業に目を向けているとは、非常に意外な発見です。

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