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ポストEOSの今 自社のIT環境見直そう! セキュリティや働き方改革に必要なものとはいますぐ着手したい「働き方改革」テレワークの実践に有効なポイントとは?

いますぐ着手したい「働き方改革」テレワークの実践に有効なポイントとは?

「働き方改革」やBCP(事業継続計画)対策の一環として、企業がテレワークを導入する動きは着実に広がっている。テレワークを成功させるためには、どんなソリューションやツールの活用が有効なのか? 富士通株式会社の飯塚 大氏に聞いた。

いつでもどこでも職場と同じ環境を安心・安全に利用できる環境を整備

 テレワークの重要性が、「働き方改革」やBCP対策としてますます注目されている。台風などの自然災害や大型イベントによる通勤困難な時期など、社外でもオフィスと同様に働ける環境の整備は、もはや避けて通れない取り組みだ。

 それをいち早く推進してきたのが富士通株式会社である。同社の飯塚 大氏は、「当社は社員がいつでも、どこでも安心・安全に業務ができるテレワーク環境の構築を進めてきました。その一環として、2018年には、場所を問わず常に社内と同じワークスタイルが実践できるVDI(Virtual Desktop Infrastructure/仮想デスクトップ基盤)を全社で導入しています」と語る。

 VDIは、社員のパソコン上にデータやアプリケーションを置かず、社内からは社内LAN経由、社外からはインターネット経由で社内の業務システムを使えるのが特徴である。「テレワークを推進するうえでは、万全のセキュリティを担保すると同時に、社員の生産性をいかに落とさないようにするかが重要となります。一般的にオフィスは、社外よりも働く環境が整っているので、同じ時間を働いたとしてもオフィスより社外のほうが生産性は下がってしまいがちです。しかしVDIを使用し環境の違いを緩和することで、どこにいてもオフィスで働くのと同じような生産性を期待できます」(飯塚氏)

 そのうえ、パソコン上に重要なデータを置く必要がなくなるので、セキュリティ面でも安心である。

飯塚 氏
富士通株式会社
デジタルビジネス推進本部
デジタル革新推進統括部
MSソリューション推進部
マネージャー
飯塚 大

課題や改革の成果を「見える化」する仕組みづくりが重要

 そもそも富士通株式会社は、時代に先駆けてテレワークの導入を含む「働き方改革」に早くから取り組んできた企業のひとつである。

 「高い生産性の実現と同時に、長時間労働を前提としない働き方、多様で柔軟な働き方を実現することを目標に掲げ、改革を実践してきました。具体的には、VDIをはじめとする新たなICT(情報通信技術)・ファシリティの整備、制度・ルールの再構築、社員の意識改革を三位一体で推し進めています」と飯塚氏は語る。

 ICT・ファシリティの整備は総務部門とIT部門、制度・ルールの再構築は人事部門、社員の意識改革は業務部門の各現場が“主役”となり、具体的な計画を策定・実行している。

 関連部門のメンバーで構成される「働き方改革推進委員会」が、全社共通・部門横断的な課題を持ち寄り、解決を図るという進め方だ。「トップの強い意思のもと、現場が主体となって改革を推進する仕組みが出来上がっています」と飯塚氏は説明する。

 このような仕組みづくりに加え、改革を推し進めるうえで非常に重要となるのが、課題や成果の「見える化」である。

 「働き方改革に取り組む目的のひとつは業務の効率化ですが、残業時間が減っていても、無駄な業務を削減し、やるべき仕事に注力できていなければ意味がありません。しかしながらその実態が把握し辛いという課題がありました。社員が様々な場所で業務をするテレワーク環境であればなおさらです。そこで当社では、AIを活用することで、働き方改革の成果を見える化するためのテクノロジーを開発し、自社実践に取り組んでいます」と飯塚氏は振り返る。