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働き方改革実践のためにやるべきことは ~様々なITツールの導入事例や活用例をご紹介~ 働き方改革実践のためにやるべきことは ~様々なITツールの導入事例や活用例をご紹介~

改正された労働基準法が2020年4月より施行され、時間外労働の上限規制が導入される。中堅・中小企業も例外ではなく、ICTを導入した経営環境の再構築が待ったなしの状況となっている。そうしたなか、「働き方改革実践のためにやるべきこと」をテーマに成功を掴むための経営講座が開催された。以下、講座内容をご紹介しよう。

基調講演
中小企業こそデジタル変革を!
生産性向上に効くIT活用が急務

桔梗原 富夫
日経BP総研 フェロー
桔梗原 富夫

 人手不足がますます深刻化するなかで、大卒社員の32%が3年以内に離職しているのが現実だ。介護離職も増大しており過去10年で倍になった。さらにこの先、生産年齢人口は急速な勢いで減り続けていく。となれば企業は必然的に労働生産性を高めるしか生き残る道はないのだが、それをどうやって実現することができるだろうか。

 日経BP総研フェローの桔梗原富夫は、「成長に結びつく働き方改革を実現するため、すべての企業は長時間労働を是正する『働きやすさ』と従業員のエンゲージメントを高める『働きがい』の創出を両軸で進める必要があります」と説いた。

 そこでの生産性向上を支える強力な武器となるのがITである。現在ではクラウドやIoT、AI、モバイル、5G、RPA、ソーシャルといったキーワードで語られる最新技術を、誰でも簡単に利用できる環境が整ってきた。この機を逃すことなく、「企業は今こそデジタル活用による変革(DX)を目指すべきです」と桔梗原は強く訴えた。

富士通 講演
働き方改革で成功を掴むポイントと
最新ICTツールの活用法

丸子 正道
富士通株式会社
デジタルビジネス推進本部
サービス&プロダクトビジネス統括部
プロモーション推進部
部長
丸子 正道 氏

 働き方改革は「制度・ルール」「意識改革」「ICT・ファシリティ」を三位一体とした、強いトップダウンと現場における主体的な取り組みが成功の鍵を握る。富士通が全社を挙げて推進している働き方改革の全体像を紹介しよう。

 多くの企業が働き方改革に取り組んでいるが、個々の社員はなかなかその実感を得られていないのが実情ではないだろうか。この問題を捉えつつ富士通 丸子正道氏は、「まずは現場の意識改革が必要です」と説いた。

 そんな富士通自身はどうかというと、2017年から2018年9月度までの2年間で社員1人あたりの残業時間は1.3時間減少し、年休取得日数を2.3日増やしている。また、社員満足度調査でも「企業イメージの向上」「働き方への意識」「変化への対応力の強化」といった項目で高いスコアを獲得しているという。

 「富士通は全社を挙げた長時間労働を前提としない働き方、多様で柔軟な働き方により、高い生産性の実現を目指しています。また、働き方改革の実効性を高めるためにマネジメント改革や一人ひとりの意識改革に努めるとともに、それを支える人事制度の見直しやテクノロジー活用を進めています」と丸子氏は語った。この取り組みが先のような成果に結びついているわけだ。

富士通の経験に基づいた
働き方改革のポイント

 具体的に富士通は、これまでどのように働き方改革を推進してきたのか。「2010年に在宅勤務制度を導入し、コミュニケーション基盤の拡大/整備を開始するなど、業界に先駆けた取り組みを開始しました」と丸子氏は振り返った。そして、その経験に基づいたICTにおいて考慮すべきポイントとして挙げたのが次の3点である。

 第1は「コミュニケーション効率化のためのインフラ整備」。Office 365やBoxなどのグローバルコミュニケーション基盤の導入を段階的に進めてきた。

 第2は「働き方のルール化と適切な労務管理」。自社開発の「TIME CREATOR」というツールを活用した労働時間の管理、業務の可視化を進めてきた。

 第3は「セキュリティ対策の見直し」。仮想デスクトップと質量約799gの超軽量シンクライアント、手のひら静脈認証など、端末からの情報漏えいを防ぐ仕組みを整えてきた。
なお、富士通では現在、このシンクライアントよりもさらに軽い約777gのモバイルPCを提供している。インテル®Core™ i7プロセッサーのハイパフォーマンスを搭載した「FUJITSU Notebook LIFEBOOK U939」という最新モデルだ。丸子氏は「手のひら静脈認証のほか、覗き見から情報を守る人感センサー対応Webカメラ、機密情報でも安全に持ち出せる秘密分散ソフトなどを搭載し、社内外でのセキュリティを担保した働き方を実現することで、一人ひとりの生産性を高めます」と強調。働き方改革を支える今後のICT活用のあるべき姿を示した。

圧倒的な軽さで最高のモビリティを実現した超軽量モバイルPC
「FUJITSU Notebook LIFEBOOK U939」
インテル®Core™ i7プロセッサー搭載で高い負荷のかかる作業も快適
FUJITSU Notebook LIFEBOOK U939
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【関連リンク】
FUJITSU Mobility & Security
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法人向けパソコン・タブレット・スマートフォン製品情報 FMWORLD
https://www.fmworld.net/biz/fmv/
富士通のWindows10移行サービス
http://www.fmworld.net/biz/fmv/windows10_migration/assist/

扶桑電通 講演
活力あふれる職場環境の構築を目指して、
実践した働き方改革がもたらした成果

兼松 良一
扶桑電通株式会社
IT戦略統括部
統括部長
兼松 良一 氏

 扶桑電通では社員の働き甲斐やモチベーションの向上、活力あふれる職場環境の構築を重点課題として働き方改革を推進している。この取り組みは2011年のWeb会議システムの導入に端を発しており、扶桑電通の兼松良一氏は「以降、持ち出し端末やスマートフォンの配布などテレワークの環境整備を進めてきました。また、ICTによる残業管理を実施しています」と、社内実践の概要を紹介した。最近ではデジタルトランスフォーメーションに向けたOffice365やBoxの活用、フリーアドレスの導入なども進めているという。

 こうした働き方改革により扶桑電通は、2016~2019年度で残業時間9%削減、年次有給休暇取得4.2日増加といった効果を上げてきた。加えて、移動時間の削減や空き時間の有効活用、ペーパーレス会議による経費削減、会議参加者によるその場での議事録作成、Web会議を活用したコミュニケーション向上など、ICT導入の効果も確実にあらわれている。

【お問い合わせ】
扶桑電通株式会社
お問い合わせ窓口
https://www.fusodentsu.co.jp/contact/

Box Japan 講演
クラウドコンテンツ管理で推進する
デジタルビジネスと働き方改革

安達 徹也
株式会社Box Japan
執行役員
アライアンス・事業開発部
部長
安達 徹也 氏

 クラウドによるコンテンツ管理基盤の進化形がBoxだ。BoxJapanの安達徹也氏は、「ユーザー部門あるいはたった1人しかいないIT担当者でも、創意工夫によって新しい働き方のカタチをつくっていくことができます」と語った。

 例えば5年先を見据えた次世代のコンテンツ共有基盤としてのBoxの活用である。すでに多くの企業が、コーポレートや部門のファイル管理、セキュアなプロジェクト情報共有、グローバル拠点・グループ企業間の情報連携強化、外部コラボレーションなどを目的とし、最終的にはファイルサーバの代替としてBoxを導入している。

 さらに安達氏は、「働き方改革を推進していくデジタルビジネスの基盤としてもBoxを活用していただけます」と訴求した。ワークスペース変革、情報サイロ化の解消、生産性向上、紙文化から脱却したデジタル変革といった課題解決にBoxが貢献するのである。もちろん情報セキュリティや規制対応など、ガバナンス&リスク対策も万全だ。

【お問い合わせ】
株式会社Box Japan
https://www.box.com/ja-jp/

特別講演
経営課題により目的も手法も変わる。
働き方改革の本質は組織のマインドセット

白河 桃子
相模女子大学 客員教授
昭和女子大学 客員教授
東京大学 大学院情報学環客員研究員
白河 桃子 氏

 一口に働き方改革といっても、それを広義にとらえるか、狭義にとらえるかによって取り組み方はまったく違ってくる。例えば残業削減ばかりが注目されがちだが、逆に残業がない会社といえども決して働き方改革が不要なわけではない。会社ごとの経営課題によって働き方改革の目的も手法も異なることを認識しておく必要がある。

 相模女子大学の客員教授である白河桃子氏は、「働き方改革の本質は組織ぐるみのマインドセットにあります」と説きつつ、次のような提言を行った。

 まずは残業削減を進めながら、チームがチャレンジできる心理的な安心感と安全性を設計する。次にテレワークを推進しながらコミュニケーションの新しいやり方を設計する。また、新しいITツールを入れる前に必ず「その仕事は本当に必要なのか?」を問うべきである。そして、社員の幸せと会社の成果の好循環を築いていくことを目指す。「ここまでたどり着くことができれば、働き方改革は大成功と言えます」と白河氏は強調した。