コロナ対策で人事労務部門が今すぐ取り組むべき9つの課題とは?(後編) コロナ対策で人事労務部門が今すぐ取り組むべき9つの課題とは?(後編)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、生活やビジネスは大きく変化した。テレワークを前提とする新しい労働環境がニューノーマルになる中、企業の人事労務担当者が取り組まなければならない課題は山積みだ。多数の企業の人事労務部門から相談を受けている富士通Japanは、自社で培った経験を踏まえ、社員と組織の安全を確保しながら生産性を向上させるための9つの提言をまとめた。後編となる今回は、テレワークを前提とする新しいビジネス環境で人事労務部門が提供すべき仕組みや役割のうち、9つの提言の5~9について課題と対策を聞く。

テレワークで難易度が高まる勤怠管理

桔梗原 前半では、まずは新型コロナウイルスの感染から従業員を守ることが必要だということで、感染防止と健康管理に必要な対応についてお聞きしました。

 後半では、テレワークを前提とする新しいビジネス環境において、人事労務部門が今すぐ取り組むべき仕組みや役割についてお伺いしたいと思います。提言の5~9にあたる内容ですね。

金子 テレワークがスタートして、人事労務部門が最初に気を付けるべき課題は、残業です。これが5つ目の提言「テレワーク時の隠れ残業の抑制」になります。

 テレワーク環境では、勤怠管理が大きなテーマになります。在宅なので、業務の実態が見えにくくなるからです。一般的には、長時間残業や打刻漏れを検出するわけですが、当社の「GLOVIA iZ(グロービア アイズ)」ではさらにPCの電源ON/OFF時刻を取込み、申告した勤務時間と自動的に照合します。その乖離が大きい場合、隠れ残業の疑いがあるとしてアラートを出します。

 例えば、18時に終業の打刻をしているのに、PCは20時まで稼働していたとすれば、隠れ残業の可能性が疑われるわけです。

桔梗原 なるほど。ただ、あまり行き過ぎると、「管理」ではなく「監視」されているようで、社員から不満が出てきませんか。

田中 目的はあくまでも仕事の見える化です。事実として隠れ残業を発見することに主眼があり、客観的なデータをもとに、従業員の仕事量や配置が適正かどうかを管理することが狙いです。

金子 必要な残業はしてもよいのです。「隠れて残業しない」という考え方を浸透させることが大切です。やるなら、きちんと申請する。そうして残業の実態を「見える化」しなければ、対応ができませんから。特定の従業員に負担が集中しないように管理することは、業務実態が見えにくいテレワークで特に重要な課題になります。

 6つ目は「テレワーク時の仕事の見える化」です。従業員の仕事や作業の中身を可視化して分析するのに有効です。こちらは当社の「TIME CREATOR」というソリューションを利用して、PCで使用したアプリや入力操作のログを取ります。メールなのか、エクセルなのか、何の業務にどれだけ時間を割いているのかもわかります。勤務時間内の仕事の仕方や、どういう内容で残業になってしまっているかなどを、使用したアプリから検討します。

ペーパーレス化の徹底で人事部の負担を軽減

金子 7つ目は、「ペーパーレス化の徹底」です。文書やワークフローを紙で管理していることが、出社を必要とする大きな要因になっています。テレワークを進めるためには、ペーパーレス化が必須です。

 GLOVIA iZで特に強化している機能は、年末調整などの業務支援です。社員からの申請をすべて電子化できます。電子化することで、申告が必要な項目のみ入力出来るようにしており、保険料控除のミスなどを自動チェックしてくれるので、人事部の管理工数が大きく減ります。

 また、GLOVIA iZは行政報告の電子申請(e-Gov)に対応しており、人事部からハローワークや行政への届け出を電子化できます。人事部のスタッフはテレワークを続けたまま、自宅から申請できます。

富士通Japan株式会社 金子 浩之 氏 / 富士通Japan株式会社 田中 良和 氏 / 株式会社日経BP 桔梗原 富夫

富士通Japan株式会社

金子 浩之

富士通Japan株式会社

田中 良和

株式会社日経BP

桔梗原 富夫

管理すべき人事情報の拡大にも柔軟に対応

金子 8つ目は「人事情報の整理」です。今後、人事情報として管理すべき情報は増えていきます。経歴や教育履歴などの項目は以前からありましたが、例えば、最近増えつつある介護離職などのリスクを把握するには、社員の両親の生年月日や健康状態などのデータを把握するべきかもしれません。副業に関する情報や、今後のキャリアに対する本人の希望などの情報を管理し、タレントマネジメントに生かすことも検討されるはずです。GLOVIA iZは容易に管理項目を増やし、人事情報を自在に管理できます。

田中 これまでの人事情報は、主に人事評価のために管理されていました。今後は最適な人員配置や人事戦略に活用されるようになります。これは、システムの拡張というより活用方法の広がりという話になりますから、ご使用になるIT基盤がそれに耐えられる柔軟性を備えているかが問われます。

金子 9つ目は「社員のエンゲージメント向上」です。テレワーク化が進むことで対面によるコミュニケーションが減り、組織の一体感やエンゲージメントの低下が予想されています。テレワークを前提とした人事考課は、今後、重要な課題になっていきます。

 例えば、当社では月1回、マネージャーが部下の話を聞く1 on 1ミーティングを実施していますが、その記録も人事情報として管理し、従業員のモチベーションの変化を見たり、適正な人員配置の検討に生かしたりしています。

桔梗原 チームを編成するときに、社員同士の相性なども検討するのですか。

金子 はい。社員へのアンケート調査を活用して理想的なチームを作ったCYDASでの事例があります。相性の良いチームで人員配置を行った結果、小売店舗の売上が向上しました。組織としての総合力を最大化するために、従業員のエンゲージメントは非常に重要なテーマになると考えています。

コロナ禍でもOJTの継続は重要

桔梗原 エンゲージメントという意味で言うと、これまでは人が集まることで新たなアイデアが生まれたり、会社への帰属意識が培われたりすることが多かったと思います。特に新入社員は、このコロナ禍でいきなりテレワークですから、OJT的な研修が不足する心配はありませんか。

田中 当社では、OJTは非常に重要ですので、新入社員は定期的に出社するようにしています。新入社員に教える人を社内では「トレーナー」と呼んでいますが、トレーナーや上司が代わる代わる出社して、三密に注意しながら新入社員に指導しています。

桔梗原 従来と働き方が大きく変わる中で、社員と組織の安全を確保しながら生産性を向上させるのは容易ではありません。こうして9つの提言を一つひとつ伺うと、すでに顕在化している課題の解決策や、今後のリスクへの対応策が的確にまとまっている印象です。

田中 9つの提言を整理するために深く考えたことは、ニューノーマルとはいったい何なのかという点です。過去とニューノーマルで何がどう変わるのか。お客様と対話している部署やソリューションを作っている部署のメンバーが集まり、1カ月ほどかけて検討しました。

 当社に頂いているお客様からの問い合わせのほとんどが、この9つのどれかに当てはまると思います。

金子 当社が社内で実施している新型コロナ対策の真実を誇張することなく提案し、今あるソリューションでお客様に一刻も早く実現していただくことが、私たちの使命だと考えています。その意味で、本当に実現可能な提言ができたと思います。

桔梗原 この時期にタイムリーに人事労務部門が取り組むべき9つの課題を提言されたことには、大きな意義があると思います。対策に苦慮している企業は、まずこの9つの「コト」に沿って問題を整理すれば、解決の糸口を見出せるのではないでしょうか。どうもありがとうございました。

前編はこちら「増加する問い合わせを9つの課題に集約」
9つの提言のより詳しい内容を知りたい方へ ニューノーマル時代の人事労務管理とは?最初に取り組むべき9つの「コト」
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