「富士フイルム」ブランドで全世界にビジネスを拡大し、イノベーションを起こし続けたい。

富士ゼロックス株式会社 代表取締役社長 玉井 光一 氏

1952年大分県生まれ。東京大学で論文により博士(工学)学位取得。東芝を経て2003年に富士写真フイルムに入社。富士フイルムホールディングス取締役執行役員、富士ゼロックス代表取締役副社長を歴任後、富士フイルムホールディングス取締役副社長 兼 現職。

新しい未来への船出にともなう三つの大きな変化

─2018年度は過去最高益を記録しました。19年度はそれを上回る見通しのようですね。

まずは当社の商品・サービスを評価してくださり、導入いただいたお客さまに深く感謝しています。また、好業績については、営業・研究開発・生産・調達など全従業員一人ひとりが、高い目標に向かって果敢に取り組んでくれた結果でもあると思っています。

マーケットシェアにおいても堅調で、2019年度上期のA3カラー複合機(当社調べ)では、日本・中国・アジア・オセアニアの多くの地域でトップとなり、さまざまな施策の手ごたえを感じています。現在1兆円の売上高を、2024年度には1.3兆円に引き上げたいと考えています。

─昨年11月に富士フイルムホールディングスの100%子会社となり、米ゼロックスとの技術契約も2021年3月で終了します。また同年4月に社名を「富士フイルム ビジネス イノベーション」に変更することも発表されました。今後、御社のビジネスはどのように変わっていくのでしょうか。

大きく三つの変化があると考えています。一つは、販売テリトリーが全世界へと拡大することです。これまで、当社のテリトリーは、日本・中国・アジア・オセアニアに限られていました。2021年4月以降は、独自ブランドでワールドワイドにビジネスを展開できるようになります。

二つめは、ビジネスのスピードが圧倒的に速くなることです。これまでは、新規事業への投資や、グローバルな他社との提携・買収時には、すべて米ゼロックスの確認と了承が必要でした。その過程が省かれることにより、格段に機動的なビジネス展開が実現することになります。

そして三つめは、富士フイルムのブランドで勝負をすることです。富士フイルムのブランドパワーは、ワールドワイドに及んでいます。

私は、世界的に認知度の高い「FUJIFILM」ブランドのもとで、十分に戦っていけると考えています。また、ゼロックスブランドと決別することで、これまで米ゼロックスへの年間約100億円のブランド使用料の支払いがなくなるという大きなメリットもあります。今後この資金を研究・開発費やM&A投資に充てていく予定です。

新CMに俳優の大谷亮平さんを起用。
強固なセキュリティ機能をもつ複合機をベースに働き方改革を強力に支援するメッセージが印象的だ

グローバルリーダーとしての地位確立に向けて新たな一歩を踏み出す

─新社名にはどのような思いが込められているのですか。

100を超える候補から富士フイルム ビジネス イノベーションを選んだのは、これからのあらゆるビジネスの変化に対応できると考えたからです。ドキュメント事業に限定せずに広範な事業領域に挑戦し、イノベーションを生み出し続けたい──。そんな思いがこの社名には込められています。

─今後は富士フイルムグループ内でのシナジーも期待できそうですね。

グループ内の協業はすでに進んでいます。例えば、富士フイルムが保有する画像処理技術と富士ゼロックスの言語処理技術を組み合わせてメディカル分野の診断レポート生成に生かすための研究開発を進めています。今後も、シナジー効果を加速させ、革新的な価値を提供していきたいと考えています。

─最後に、これからの成長戦略をお聞かせください。

新たに広がる欧米市場では、まずOEMビジネスで市場を開拓していきます。すでに国内外の複数の企業から相談をいただいていて、「ロバストネス(堅牢性)において富士ゼロックス商品に勝る複合機はない」という評価を頂戴しています。

すでに販路のある地域では、市場シェア拡大やソリューション・サービス展開の加速につながるM&Aを推進します。さらには、業界のルールを変えるような革新的な商品として「ゲームチェンジモデル」の開発を進めています。来年の社名変更後、それほど時を置かずにリリースしたいと考えており、関係者一丸となって市場導入に向けて取り組んでいます。

当社はこれからも、お客さまには今まで以上の革新的な価値を提供し続けるとともに、グローバルリーダーとしての地位確立に向け、新たな一歩を踏み出したい。そう考えています。

富士ゼロックス株式会社

富士ゼロックス株式会社

https://www.fujixerox.co.jp/