市長インタビュー

デニム生産量日本一

枝広市長が語るデニムの展望

出所:日本綿スフ織物工業組合連合会による調査

穏やかな瀬戸内海に面し、風光明媚な鞆の浦を有することでも知られる広島県福山市。実はデニム生産量日本一を誇る、デニムの街でもある。国産デニムの実に7割が福山市の企業で作られているのだ。地域に受け継がれるモノづくりの文化を土台に、新時代へと羽ばたく福山市のデニムの展望とは? 福山市長、枝広直幹氏に伺った。

福山市は、昔から製造業が盛んなところ。海沿いにあることから造船業、そして製鉄業とともに発展しました。また、備後福山藩の初代藩主、水野勝成公が綿花栽培を奨励したことに端を発する繊維業も脈々とこの地に根付き、福山の文化を醸成してきました。厚手の綿織物で作る「備後絣(びんごかすり)」は、日本三大絣の一つで昭和30年ごろには日本最大の絣の産地として知られていました。

備後絣の技術はデニム製造へと受け継がれ、現在、福山のデニム生産量は日本一を誇るまでに成長しました。市内には40以上ものデニム関連企業がひしめき、糸をつむぐところから、染め、織り、縫製、洗い加工、デニム製造のすべての工程が福山市内の企業で完結できる体制が整っています。ただ、福山がデニムの一大生産拠点であることは、あまり知られていない。BtoBの取引が中心で、一般の消費者の目に触れることがなかったことがその大きな理由です。

しかし、最近は若い世代を中心に、福山のデニムを知ってもらおうというムーブメントが起こっています。特徴的なのは、市内の企業に横のつながりが生まれたこと。企業同士のコラボレーションで、これまでになかったようなデニムの可能性が拓けてきました。たとえばカイハラ株式会社のストレッチの効いた、動きやすく、通気性がよい薄手のデニム生地は、スーツにも最適です。また、篠原テキスタイル株式会社の品のよい光沢感をそなえたデニムは、フォーマルなシーンにも映える。靴やバッグなどの小物やデニム生地を使った家具やカーテン、壁紙など、実に多様なアイテムが登場しています。使い続けるごとに経年変化を重ね、持ち主になじんでいくデニム。愛着を持って育てていけるのも、品質のいい国産デニムの魅力だと感じます。

今後、デニムは、世代を超えて、福山市民が共有する文化となり、この地を象徴する地域資源になっていくでしょう。大きな可能性を日々、感じています。

そのために大切なのは、発信の仕方です。福山市は、岡山県境をまたぐ6市2町で「備後圏域」を形成し、行政と企業による「備中備後ジャパンデニムプロジェクト」を立ち上げました。その事業のひとつが「産地の見える化」。製品に記載されることの少ない中間工程(BtoB)の企業名と産地名を製品に明示する取り組みです。そしてそのブランドが「JAPAN DENIM」。トップデザイナーとのコラボにより作られたジーンズやスカートが大きな反響を得て、今年は世界に向け販売もしています。また、公的コンサルティング「福山ビジネスサポートセンターFuku-Biz(フクビズ)」では新商品開発やコンセプト立案、販路確保のための情報発信方法などの相談に乗っています。F.F.G(福山ファクトリーギルド)もその一環で立ち上がった地域発ブランドです。

官民で手をたずさえながら、さらに多くの方に福山の国産デニムを知っていただくこと。これが当面の目標です。

国内シェア50%を誇る、カイハラ株式会社

明治26年に福山の地に誕生したカイハラ株式会社は、デニム素材の一貫生産をする国内唯一の会社です。デニム特有の色落ちを生み出すために、独自のロープ染色機を開発。加えて品質にとことんこだわるメイド・イン・ジャパンのモノづくりで、日本のみならず、世界からオーダーが殺到するデニムファクトリーとなりました。現在、カイハラが手がけるデニムは、国内シェアの約50%。さらに毎年800~1000点もの新商品を開発し、たゆまぬ努力を続けています。

1.500年ネクタイなめらかな肌触りのデニムのネクタイ。山陽染工株式会社の「段落抜染」の技術で描かれたバラのモチーフがエレガント。

2.デニムファッションショービジネス着用の提案として福山市の職員がモデルをつとめ、レッドカーペットならぬデニムロードをウォーキング。

3.ミラノウニカ出展イタリアで開かれる世界最高峰のテキスタイル展示会「ミラノウニカ」にも出展。高い評価を得ている。

4.ANCHOR HOTEL FUKUYAMAデニムを主役としたファブリックや家具が配された「カルチャー発信型ホテル」。福山の今と伝統文化に触れられる。

5.デニムユニフォーム市内12以上の企業で、福山産デニムのユニフォームや作業着、エプロンを採択。落ち着いた色味と上品な雰囲気が好評。

6.F.F.G(福山ファクトリーギルド)市内の繊維関連10社が協業する、100%福山メイドのデニムブランド。ユニセックスで穿けるボトムスを販売中。

1.500年ネクタイなめらかな肌触りのデニムのネクタイ。山陽染工株式会社の「段落抜染」の技術で描かれたバラのモチーフがエレガント。

2.デニムファッションショービジネス着用の提案として福山市の職員がモデルをつとめ、レッドカーペットならぬデニムロードをウォーキング。

3.ミラノウニカ出展イタリアで開かれる世界最高峰のテキスタイル展示会「ミラノウニカ」にも出展。高い評価を得ている。

4.ANCHOR HOTEL FUKUYAMAデニムを主役としたファブリックや家具が配された「カルチャー発信型ホテル」。福山の今と伝統文化に触れられる。

5.デニムユニフォーム市内12以上の企業で、福山産デニムのユニフォームや作業着、エプロンを採択。落ち着いた色味と上品な雰囲気が好評。

6.F.F.G(福山ファクトリーギルド)市内の繊維関連10社が協業する、100%福山メイドのデニムブランド。ユニセックスで穿けるボトムスを販売中。

お問い合わせ

福山市:http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/