2020年11月21日、47社の注目スタートアップが集うオンラインマッチングイベント「パラダイムシフトで世界が変わる」が開催された。働き方や価値観が大きく変わる中、スタートアップで働く意義とは何か。新しいキャリアの築き方とは──? ここでは同日公開された、スタートアップ業界有識者による講演内容を紹介する。

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ー 主催者講演

コロナ禍で再認識が進むスタートアップの役割

グローバル・ブレイン
代表取締役社長
百合本 安彦 氏

「不確実性の時代は、スタートアップが最も輝くとき。もともと機動力が高く、迅速な問題解決能力に優れたスタートアップは、コロナ禍をチャンスに変えることもできます」と百合本氏。影響が大きいとされる飲食・観光業においても、ビジネスモデルを転換して生き残るのみならず、成長を遂げているスタートアップは多いという。

「霧が晴れるまで座して待つのではなく、リスクを見極めながら果敢にチャレンジする。それができるのも、小回りの利くスタートアップの強みです」

そんなスタートアップを20年間支援し続けてきた百合本氏だが、ベンチャーキャピタル業界にはどんな変化が訪れているのか。

「グローバルに見て投資件数は低下しているものの、投資金額は変わらない。つまり良い企業にはこれまで以上に資金が集中しているということです」

成長企業に向けられる視線は熱い。大企業からの転職を考えている人も増えているようだ。

「転職志望者にとっても、今は最大の好機。試練の時期に入社することで、普段とは違う経営者の意思決定や試行錯誤にも立ち会える。その経験は、将来のキャリアにも役立つはずです」

チャレンジ精神を発揮してスタートアップの発展に貢献することは、自身の成長にもつながるに違いない。

ー 基調講演-1

コロナ後の世界経済のトレンドと生き残る人材像

早稲田大学大学院 
早稲田大学ビジネススクール教授
入山 章栄 氏

「不確実性の高い時代は、イノベーションの力が勝敗を分ける。数年前から変わらぬこの図式はコロナ禍でより浮き彫りとなり、加速しつつあります」

コロナ禍前後の変化について、入山氏はそう説明する。では、イノベーションとは何か。どうやって起きるのか。

「イノベーションは知と知の組み合わせから生まれます。ただ人間は目の前の知ばかりを探しがち。遠くに知を求める“知の探索”なくして、新しいイノベーションは生まれません」

この探索に秀でた人材こそが、これからの時代に求められるのだという。だが、探索には時間もコストもかかるうえ、うまくいかないことも多い。それでも探索を続けるためには、「腹落ち感」が何より重要となる。

「先の見えない時代は、ざっくりと方向感を見据えて突き進むしかない。その原動力となるのが、腹落ちです」

腹落ちは、ビジョンを言語化し、行動することで生まれる。

「スタートアップと大企業の最大の違いは、この『決めて、行動する』場数の圧倒的な差にあります。いずれ大企業に戻るにしても、一度スタートアップで経験を積んでみてはいかがでしょう。そうした両社の人の交換が、これからの日本を良くしていくはずです」

ー 基調講演-2

求められる“ニュータイプ”の思考と行動様式

独立研究家、著作者 
パブリックスピーカー
山口 周 氏

ビジネスの世界では、これまで分析や論理、理性が重視されていた。サイエンスに基づき再現できることが“正解”であり、その正解を引き出す人こそが優秀な人材とされていたわけだ。

「その結果“正解のコモデティー化”が起きている」と山口氏は言う。

「誰が作っても同じものしか再現できなければ差別化は生まれず、ビジネスは淘汰されてしまいます」。ITの発達により、今や誰もが簡単に正解に行き着ける時代。さらには、人工知能の普及がこの現状に追い打ちをかける。現に、金融業界では給料の高い職場から順にAIに取って代わられているのだという。

「コンピューターのない時代、あるいは世の中に問題がたくさんあった頃には、正解を出す能力は重要でした。ところが生活満足度が足りている現代は、問題自体が少ない。そこで新規事業をつくる際に必要なのは正解ではなく、問題を見つけることにあります」

問題とはありたい姿と現状が一致していないこと。ならばありたい姿を描くことが、ビジネスの第一歩となる。それを生み出すのが、“衝動”だ。

「喜怒哀楽に根ざした衝動こそが、人の心を動かす。今後はアートや感性を磨いていくことが重要となるでしょう」

ー 特別対談

先の見えない時代で成長する企業・人材とは

起業家・エンジェル投資家
有安 伸宏 氏

Chomp Inc. Co-founder and CEO、投資家
小林 清剛 氏

特別対談では、起業家かつ投資家の視点から、①自分に合うスタートアップの見分け方、②スタートアップに転職する方法、③スタートアップで活躍する秘訣、の3点について議論された。

まず①の見分け方に関しては、第一に「ビジョンとの相性」、次に「企業規模」と「自身のキャリアタイプ」に応じた選択が必要になるという。「どこでも力を発揮できる野武士タイプなら、会社規模の小さいうちに入ったほうが面白いし、活躍のチャンスも多い。一方、管理職や専門職タイプならある程度育った会社でも最適なポジションを得ることができます」(有安氏)。

②の転職方法としては、紹介が最も安心かつ効果的。相性や内情を見極めるために、副業などでつながりを持つところから始めるのもおすすめだという。

では、③の活躍する秘訣とは?

有安氏は、苦難を何とか乗り越える「ハックする力」と「人間力」、小林氏は「英語力」と「自己投資」を挙げた。「情報収集や心身の健康管理など、自己を高める時間を持つ。チェックリストを作り、その過程を記録することが成長につながります」(小林氏)

スタートアップで活躍できるかどうかは自分次第。「迷う前に飛び込んでみよう」というのが二人の共通意見だ。

ー 注目セッション

キーパーソンが語る
「これからの時代で成長するために」

ラクスル
代表取締役社長CEO
松本 恭攝 氏

ラクスル
代表取締役社長CEO
松本 恭攝 氏

“働く”の価値観を変える
スタートアップで働く醍醐味

ラクスル
代表取締役社長CEO
松本 恭攝 氏

「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」というビジョンに基づき、印刷、物流、広告のプラットフォームを変革し続けるラクスル。目指すのは、21世紀の産業インフラの構築だ。

このビジョンに共感し、大企業から同社に転職してくる人も多い。

「人材の流動化はスタートアップのエコシステムを成長させ、日本社会の新陳代謝を促します。これからは、自分がわくわくできる場所で活躍することが求められる時代。スタートアップは最適な選択肢となるでしょう」

積極採用受付中!

https://recruit.raksul.com/

SYNQA Holdings
CEO
長谷川 潤 氏

SYNQA Holdings
CEO
長谷川 潤 氏

世界で挑み、世界で勝つ

SYNQA Holdings
CEO
長谷川 潤 氏

ペイメント事業や、ブロックチェーン技術を活用したエンタープライズ向けDX導入サービスを展開し、邁進するグローバルスタートアップ、SYNQA。

「世界で成功するには、エリアと市場性を見極め、短期間でマーケットシェアを得る必要があります」と、自社を例に解説する長谷川氏。自らの体験に基づく起業家の心得も伝授してくれた。

「世界には銀行口座を持てない人が約17億人います。当社が目指すのは、テクノロジーによる金融の民主化。誰もが公平に金融サービスを使える社会を、私たちと一緒につくりませんか」

SYNQA グループのOPNで積極採用受付中!

https://bit.ly/3oST0EV

セーフィー
代表取締役社長
佐渡島 隆平 氏

セーフィー
代表取締役社長
佐渡島 隆平 氏

クラウドを駆使し、
映像から未来をつくる

セーフィー
代表取締役社長
佐渡島 隆平 氏

「映像から未来をつくる」をビジョンに、クラウド録画サービス「Safie」を開発・運営するセーフィー。だれもが安心・手軽に使える同サービスは創業3年でクラウド録画サービスシェアNo.1を獲得し、昨今のコロナ禍で遠隔業務ニーズにフィットするなど成長を続けている。

「新しい社会事変によって急激に成長できるのも、スタートアップの醍醐味。不確実な未来においてもテクノロジーの変化は予測可能なので、転職をするなら次のテクノロジーにメインで携わる会社選びをおすすめします」

※テクノ・システム・リサーチ調べ「ネットワークカメラのクラウド録画サービス市場調査」から

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ー クロージング

これからの時代を担う人材の3つのキーワード

グローバル・ブレイン 代表取締役社長 百合本 安彦 氏 × 日経ビジネス 発行人 伊藤暢人

クロージングでは、イベントの共催者二人が講演内容を振り返った。

最初のキーワードは、「成長」だ。「不確実性が高まる時代にこそスタートアップは成長し、そこで働くことは自らの成長につながる」というのが登壇者に一致する意見。そのスタートアップで「成功する鍵」は、「正解のない中で、前例にとらわれずに挑戦し続けていくこと」にあるという。成長し、成功するためには「現場に足を運ぶこと」も重要だ。「自ら探索し、企業を成長に導くことのできる人材をスタートアップは求めています」と百合本氏。本イベントはその好機となったようだ。

有望スタートアップ47社との
マッチング機会を提供

本イベントには、今市場で注目されている47社の優良スタートアップが集結。各企業の魅力を紹介するとともに、採用担当者とのオンライン面談も行われた。出展企業はすべてグローバル・ブレインの厳選投資先であることから、将来性も十分。これを機に、ぜひ注目しておきたい。