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[TOP MESSAGE]日立キャピタルは大きく生まれ変わります! 日立キャピタル株式会社執行役社長 兼 CEO 川部誠治氏 [TOP MESSAGE]日立キャピタルは大きく生まれ変わります! 日立キャピタル株式会社執行役社長 兼 CEO 川部誠治氏

社会価値創造企業」として、グローバルにおける
社会課題の解決にコミット

時代や経営環境の変化は激しい。日立キャピタルグループは、2008年のリーマンショックやリース会計基準の変更などに柔軟に対応し、持続的に成長を遂げてきた。「2019~2021年度 中期経営計画」では、“脱ファイナンス”を進め、付加価値の高い事業モデルへのシフトを加速していく。また、同社は社員を「人財」と捉え、社員エンゲージメントを高めて「ワクワクする会社にしたい」という。

──この10年余りの経営環境、社会情勢はどのようなものでしたか。

当社にとっては2008年がターニングポイントでした。リーマンショックを発端に金融緩和、そして低金利政策が始まり、ファイナンス業におけるスプレッドが非常に厳しくなりました。そのうえリース会計基準が大きく変更となり、リース業界における需要低迷に追い打ちがかかりました。

さらに、同じ時期に日立グループが事業の選択と集中を行い、社会イノベーション事業にかじを切ったことにより、当社としても事業のあり方などを変えていく必要がありました。

そこで、ファイナンスに依拠した営業をはじめとして、バックオフィスや業務フロー、システムなどを変えていきましたが、それにも増して社員の意識を改革することがとても重要でした。

また、海外事業を成長ドライバーとし、国内事業は取捨選択を行ったことで、2009年度を底にして業績は右肩上がりに回復することができました。

──2016年に三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、三菱UFJリースと資本・業務提携を結び、日立製作所、MUFGそれぞれの持分法適用会社となりました。その狙いと効果を教えてください。

社会イノベーション事業では事業の川上から入り、高度な金融・サービス力が求められるため、MUFGグループにはノウハウ、人財、情報ネットワークなどで連携いただいています。最近は、当社でもいろいろなスキルを持った人財が増えており、組織に多様性が生まれてきました。社会イノベーション事業のパートナーとして協働している日立グループからも、「日立キャピタルはずいぶんと変わりましたね」と評価の声をいただけるようになりました。

──進行中の「2019~2021年度 中期経営計画」(以下「2021 中計」)の概要、そこに込めた思いを教えてください。

前回の中計は順調に推移していたのですが、最終年度に詐欺被害の可能性の高い中国事案で大きな損失が出てしまいました。その反省と教訓を踏まえ、日立キャピタルの「良さ」「らしさ」を見直そうというのが基本にあります。「2021 中計」は「バリューアップステージ」と位置づけ、規模の拡大ではなく、付加価値の高い事業モデルへのシフトを加速させます。

当社が経営方針として掲げている「社会価値創造企業」というのは、その時々の社会が必要としているものを提供できる会社に姿を変えていくということです。変化する時代の先を予見して事業プランを作り、実際に行動する社員に繰り返し説明を行い納得してもらいます。この説明プロセスが最も重要です。努力は必要ですが、その結果、みんなが一丸となり同じ思いを持って取り組んでいくことができます。

──「2021 中計」で掲げた「サプライチェーンのユーティリティプレーヤーへ」も付加価値向上の一つでしょうか。

さまざまな分野の産業界や企業と幅広くお付き合いさせていただいていますが、事業や案件、ネットワークなどを「つないでほしい」「まとめてほしい」というご要望がたくさんあります。ファイナンスや情報連携機能を持つ当社であれば、その役割を担うことができると考えており、必要に応じていろいろなことができるユーティリティプレーヤーをめざしています。

「2021中計」でも「つなぐ」「まとめる」「実らせる」というキーワードを掲げており、各地域・事業分野のパートナーやステークホルダーをつなぎ、案件をまとめ、事業として実らせていきます。今後は産業の壁を越えた連携がますます必要な時代になってくると思いますので、独自のポジショニングでその存在感を高めていきます。

「地球にやさしく」「社員を大事に」「厳格な経営」→サステナブルな企業価値向上 「地球にやさしく」「社員を大事に」「厳格な経営」→サステナブルな企業価値向上

──ESG経営の「Society」を社員と位置づけています。モチベーション向上のためにどんな働きかけをしていますか。

大きく変えようとしているのが報酬制度です。人件費はコストではなく投資だと考えています。優秀な人財を確保してパフォーマンスを発揮してもらうためにも、マーケットにおいて競争力のある報酬制度を構築し、その成果に報いていきたいと考えています。また、引き続き社員一人ひとりのキャリアに合わせた成長の機会も提供していきます。

働き方としては、既に企業内起業や副業を認めるなどしていますが、もっと自由な会社にしたいというのが本音です。自由な発想で、得意なことを会社で生かしてもらい、場合によってはパフォーマンスに応じた給与を社員自身が決めてもよいと思っています。自分が成長して自己実現できると、喜びや働きがいを感じてもらえます。とにかく社内コミュニケーションが活発で、ワクワクするような会社にしたいですね。何年かかるか分かりませんが、それに向けて果敢に挑戦していきます。

──「2021 中計」の先にはどんな姿を想像していますか。

現在、4つの重点事業である「環境・エネルギー」「モビリティ」「ライフ」「販売金融」にリソースを投入していますが、各事業で存在感のある会社になっていくことが目標です。これまでファイナンス会社はどうしても黒子的な存在でしたが、今後はもう少し表に出て事業やサービスの主体になりたいですね。

例えば、これからは「使用」価値の時代が始まります。モノを「所有」しているだけでは価値は生まれません。モノは使用してこそ価値が生まれます。メガトレンドを考えたとき、限りある資源をみんなで有効活用することが必要になります。

稼働率を意識しながら資産を最適配置する、あるいは不要な資産を必要とするところにシフトするシェアリングも増えてきます。当社も既に取り組んでいますが、「最適化」は当社の重要なスタイルの一つになっていくでしょう。

日立キャピタルはこれから大きく生まれ変わります。ぜひご期待ください。

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