特別トップインタビュー
激動をチャンスに変える2021年
インフィニオン テクノロジーズ ジャパン

世界基準の技術を結集して日本のお客様に貢献

リアルとデジタルをつなぐ
ソリューションで
半導体市場をリードする

インフィニオン テクノロジーズ ジャパン
代表取締役社長

川崎 郁也

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コロナ禍においても拡大しつづける半導体市場の中で、ひと際注目を集めたニュースが半導体大手インフィニオン テクノロジーズによる米サイプレス セミコンダクタの買収だ。幅広い高度な製品群を武器に市場をけん引してきた両社の統合で、どのようなシナジー効果が生まれるのか。インフィニオン日本法人代表取締役社長の川崎郁也氏にビジョンを聞いた。

2020年、インフィニオンによる半導体米サイプレス セミコンダクタの買収は、半導体市場を大きく賑わせました。

川崎 この事業統合によって、世界の半導体メーカーのトップ10に入るとともに、より完成度の高い価値あるソリューションをお届けできる体制が整いました。

 インフィニオンでは「リアルとデジタルの世界をひとつに」というビジョンで、生活や仕事、社会活動の場である“リアル”と、データを基に新たな価値を生み出す“デジタル”の世界をつなぐことで、時代と社会のニーズに応えたいと考えています。

 これまでも当社は、リアルから様々なデータを収集するセンシング、機器や設備を動かす電源・駆動制御、さらにはデータを安全にやり取りするためのセキュリティーの領域で高い競争力を持つ製品などを幅広く提供することで、とくに車載やパワー半導体、セキュリティーコントローラ分野を中心に市場をけん引してきました。ここにサイプレスの強みである、現場での情報処理に用いる汎用マイコンやメモリー、ソフトウエア、さらにはデジタル世界との間でデータをやり取りするWi-FiやBluetoothなど、コネクティビティーを担う半導体製品が加わりました。思い描いていたリアルとデジタルの世界をつなぐソリューションを構築するための要素がすべてそろったと言えます。

車載の強みを他分野にも拡大

リアルからデジタルの世界へとデータを送るための製品をそろえる半導体メーカーはありますが、デジタル世界で生み出した価値ある情報の活用まで含めてソリューション提供できることは大きな強みですね。事業構成に変化はありますか。

川崎 4つの事業本部「オートモーティブ(ATV)」「インダストリアルパワーコントロール(IPC)」「パワー&センサーシステムズ(PSS)」「コネクテッドセキュアシステムズ(CSS)」という構成に変わりはありません。ただし、従来は売り上げに占めるATVの割合が大きかったのに対して、統合後にはCSSの割合が一気に高まります。とくに汎用マイコン市場でトップグループに食い込むことができた意義は大きいと感じています。これまで車載分野では、「AURIX™」という制御用マイコンを中心にパワー半導体やセンサーなどを組み合わせた競争力のあるシステム・ソリューションを投入してきました。同様の強みを、産業機器や家電製品など他分野にも展開できるようになりました。

コロナ禍など、例年とは環境も大きく変化しました。足下の事業状況はいかがでしょうか。

川崎 コロナ禍の中でも、半導体市場全体は成長しています。自動車の販売が世界的に落ち込んだ時期などもありましたが、現在は急速に回復してきており、当社としても堅調です。

 事業本部別では、やはりCSSがサイプレスの事業統合効果で昨年に比べて大きく変わりました。これまでのセキュリティー関連に、スマートホーム、ゲーム、ウエアラブルなどに関連した製品の売り上げが新たに加わっています。その効果は、他の事業本部で扱っている製品にも及んでいます。例えばスマートウォッチには、PSSのRF部品とセンサー、ワイヤレス充電関連製品などを組み合わせた提案ができるようになりました。

日本ではどのような変化があったのでしょうか。

川崎 従来の日本法人はセールス・マーケティングの機能を中心とした組織でしたが、サイプレスには旧富士通セミコンダクターの車載用マイコン部隊を中心した設計開発の機能もありました。新たに得たこの機能を、いかに価値ある製品の開発に生かすかが今後の挑戦になります。本格的な設計開発機能を保有することで、お客様との関わり方も大きく変わることでしょう。

日本発の技術・製品を世界に発信

世界をリードする技術に自在かつ迅速にアクセスできる強力なエンジニア集団が身近にいるのは、世界に打ち出す製品を開発する上で心強いことです。

川崎 事業統合以前から日本市場には注力しており、2018年には技術支援の拠点として「東京テクノロジーセンター(TTC)」を設立しています。ADAS(先進運転支援システム)技術や、パワーデバイスのマイコン制御を容易化する技術「iMOTION™」のシステム応用支援、品質解析能力の向上などを充実させる体制を整えてきました。今後は、技術支援にとどまらず、システム開発の能力が大幅に強化されます。日本市場のお客様は、要求する技術と品質のレベルが世界の中でも際立って高いです。ドイツの本社は、ここから世界に通用する新たな技術が数多く生まれ、磨かれることに期待をかけています。そうした意味でも、日本に本格的な設計開発の機能が置かれる意義は大きいと感じています。

コロナ禍によって、リアルの生活や仕事の多くがデジタルの世界へ移行しました。双方の世界をつなぐソリューションを提供するインフィニオンの役割は想定以上に大きくなっているように思います。2021年にはどのようなことに注力しますか。

川崎 インフィニオン、とくに日本法人は、企業としての機能が拡大し、扱う製品の幅や応用市場も広がりました。まずは、サイプレスの機能を有効活用できるようにします。そして従来のインフィニオンの製品との組み合わせで、価値を最大化したソリューションを継続的に生み出していく仕掛けを作っていきたいです。

最後に一言、読者へのメッセージをいただけますでしょうか。

川崎 インフィニオンが描く、リアルとデジタルの世界をつなぐというビジョンに向けて邁進できる体制が整いました。とくに日本では、お客様の価値創造を支援するための極めて強力な体制を整えることができました。日本の産業界のエコシステムの一員として、お客様とともに成長していきたいと思っています。

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サイプレス買収で「リアルとデジタルの世界をひとつに」を実現する技術が結集

※ Based on or includes research from Omdia : Annual 2001-2019 Semiconductor Market Share Competitive Landscaping Tool Q4 2019 v2 March 2020

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