「おそらく世界で類を見ないビールのつくり方」一番搾りがいま大人気の秘密とは? 「おそらく世界で類を見ないビールのつくり方」一番搾りがいま大人気の秘密とは?

贅沢な味わいを手頃な価格で!おいしさと喜びを支える企業努力 贅沢な味わいを手頃な価格で!おいしさと喜びを支える企業努力

品田 「一番搾り」はどんなときに飲むのがいいでしょう?

キャンベル 「一番搾り」は麦のうまみが感じられ、飲みやすく飲み飽きない味わいのビール。個性はあるけど強調しすぎず、料理の邪魔をしないので、肉料理にも魚料理にもよく合いそうです。私は地方に行くと、地元の新鮮な魚を刺身で振る舞っていただくことが多いんですが、そこにこの一杯があったらたまらなくおいしいでしょうね。

品田 私もとっておきのごちそうには、贅沢につくられた「一番搾り」のようなビールを合わせたくなります。何といっても、この贅沢さをスタンダード価格で楽しめるのがいい。

キャンベル スタンダード価格であっても、プレミアム価格に負けない本当にいいものをつくり、多くの人々に喜んでもらえるというのは、デフレ時代に培ったメーカーの知恵なんですね。それは一朝一夕にできるものではありません。技術力や経営判断など、相当な企業努力があってのたまものといえるでしょう。

世界40の国と地域で親しまれる「KIRIN ICHIBAN」 世界40の国と地域で親しまれる「KIRIN ICHIBAN」

品田 キャンベルさんは日本文学、それも江戸の文学を専門に研究されています。

キャンベル 江戸文学ってものすごく範囲が広いんですよ。なぜなら物語から仏典、本草学に至るまで書物に書かれたもの、絵画に描かれたものはすべて文学の括りだからです。なかには、お酒の正しい飲み方について説いた文献もあります。

品田 江戸時代にはなかったビールが今は日本の中だけでも何種類も楽しめて、逆に世界へ発信する側になっています。「一番搾り」は「KIRIN ICHIBAN」の名で、本場ドイツをはじめ世界40の国と地域で販売されているんですよ。

キャンベル ドイツには、「ビールは麦芽、ホップ、水のみによってつくられるべし」というビール純粋令があるんですよね。その厳しいルールのもとで市場を開拓できるのは、麦100%だからこその強みといえるでしょう。どんな料理にも合う、飲み飽きないおいしさを持つ「一番搾り」の味わいは、世界中の人に愛されるのではないでしょうか。

品田 「一番搾り」は、世界最古のビール醸造所として知られるドイツのヴァイエンシュテファン醸造所で製造されているようですね。聞くところによると、「一番搾り製法」はドイツのビール醸造家たちも驚くほどの贅沢なつくり方だとか。一番搾り麦汁だけを使えばおいしいのはわかっているけれど、コスト面の採算が合わないそうです。

キャンベル それほど思い切った製法なんですね。こだわりのクラフトビールならともかく、広く流通するナショナルブランドで惜しげもなくこのつくり方を選ぶというのはさすがです。

品田 採算ハードルは多少高くても、とにかくおいしさを届けたいという、キリンビールさんの想いや努力があって生まれたのが「一番搾り」。だからこそ、30年間売れ続けているでしょうね。

キャンベル そうしたものづくりがなされる日本で暮らすことの静かな幸福を、私はことあるごとにひしひしと感じています。贅沢な製法のビールを手軽に飲めるのはうれしいし、ビールがおいしければ友人たちとの会話も弾む。日本のビール業界がもたらしてくれるこの恵みを、これからもありがたく噛みしめていきたいですね。