



1965年生まれ。87年宝工務店(現タカラレーベン)に入社。96年開発部長、98年取締役、2002年常務取締役開発部長、06年代表取締役副社長兼開発本部長などを歴任。14年代表取締役就任(現任)。
分譲マンションを主軸に拡大する事業
分譲マンション事業を主力に、「レーベン」「ネベル」などの新築マンションを供給する総合不動産デベロッパーのタカラレーベン。2013年以降、7年連続でマンション供給戸数がトップ10入り(※)するなど高い支持を獲得している。
同社が展開する事業は従来のデベロッパーの枠に留まるものではない。「すべての事業に通底するのは当社が掲げるビジョン『幸せを考える。幸せをつくる。』です」。同社代表取締役・島田和一氏はそう語る。
同社は1972年に創業。01年に株式上場を果たす。しかし「このまま拡大路線が続くわけはないと考えていました」と島田氏。その危機感が的中するように05年、耐震偽装事件が建設・不動産業界を激震させる。企業の社会的責任のあり方を示すべく、同社が08年に発表したのが先の企業ビジョンだ。奇しくもリーマンショックと重なるも、「地域と社会の幸せについて深く考え、すべての人が安心して暮らせる住まい、街をつくるという思いを全社員で共有し、取り組みを進めてきたことが今につながっています」と島田氏。
分譲マンション事業に留まらず、不動産管理事業、不動産賃貸事業、発電事業などのストック・フィービジネスのフィールドも確立し、安定的な事業基盤を構築。とくに発電事業では全国でメガソーラー発電所の開発を推進し、持続可能な社会へ貢献している。
より良い人生を叶える会社を目指して
企業ビジョンの下、事業を通じて社会課題の解決に取り組むなか、来る22年の創業50周年に向け、新たに打ち出したのが、グループスローガン「ライフスタイルに、新常識を。」だ。
「時代の変化に合わせ、誰もやったことのない『新常識』を発信し、住まう人々・地域・社会の『幸せ』を実現したいという決意を表明しました」と島田氏。具体的には18年に制定した中期経営計画に「ESG対応」を掲げ、SDGs(持続可能な開発目標)と紐づけた事業を推進。そのなかでも地方創生への取り組みは多くの実績を上げている。
「地方では人口減少、少子高齢化が進むなか中心市街地の空洞化、衰退が大きな問題となっています」(島田氏)。同社では早期から参画した富山県の再開発事業を始め、地方都市における用地取得やマンション供給を積極的に推進。「行政とも連携しながらコンパクトシティの実現、コミュニティ形成を進めています」と島田氏。現在では全国33もの都道府県でマンションや街全体のコミュニティの形成を支援している。
近年はコンパクトマンション「NEBEL(ネベル)」シリーズも注目を集める。2019年秋に竣工した「ネベル恵比寿」
タカラレーベンを創造するのは従業員
「現状維持は後退でしかない」を持論とする島田氏のリーダーシップの下、「新たな価値」創造に邁進する同社だが、「あくまでも企業ブランドを創り上げる主役は従業員です」。島田氏はそう語る。
16年より行っている社内提案活動「レーベンラボ・エシカルアクション」からは、マンション内の「ごみ置き場のスマート化」、モデルルームの「防災拠点活用」などのアイディアが生まれ、多くの「グッドデザイン賞」を獲得している。
18年からは「ライフスタイルに、新常識を。」を具現化する、社内公募制度「新常識開発プロジェクト」も始動した。
「全11社からなるタカラレーベングループの22チームから既にユニークな事業プランが多数挙がってきています」と島田氏。ビジョン・スローガンの共有、CSRへの取り組みなどを経て、社員一人ひとりが持続的変革を体現し、顧客含め全ステークホルダーの「幸せ」を実現するという企業風土の確立に向け手応えを感じているという。
独立系デベロッパーとして独自の個性を醸成し、唯一無二の存在感を放つ同社。今後さらに、永続的な事業、企業のあり方を追求し、従業員が主導する「新常識」が、業界の常識を変えていく原動力になるに違いない。
※不動産経済研究所調べ
社内にはこれまでに受賞したグッドデザイン賞のパネルがずらりと並ぶ


