Conference Report 不確実な時代の経営に求められる法務の役割とは

写真:角田 望氏
写真:佐山 展生氏

主催者
株式会社LegalForce
代表取締役CEO/弁護士

角田 望

インテグラル株式会社
代表取締役パートナー
スカイマーク株式会社取締役会長

佐山 展生

法務業務を支援するソフトウエアの開発・提供を行うLegalForce主催のオンラインカンファレンス「LegalForce Conference 2020」が9月8日に開催。申込数は3800人を超え、大きな注目を集めた。ビジネスの不確実性が増す今日、経営基盤を強化するために法務が果たすべき役割とは何か。講演内容から、その答えを探ってみたい。

現代のビジネスで高まる法務部門の役割

まず基調講演には、インテグラル 代表取締役パートナーで、スカイマークの取締役会長でもある佐山展生氏が登壇。M&Aと企業再生の長年の経験を基に、「日本型バイアウト投資・リスクをとる経営と法務」と題する講演を行った。

佐山氏は、自らが銀行員としてM&Aに関わり始めた1980年代後半を振り返り、「日本のM&A黎明期の投資契約書は、A4の紙が2、3枚程度と非常に薄く、最後に『何かあったときは、誠意を持って協議する』という文言が付されているだけでした。これではあまりにも無防備なので、将来起こり得る紛争の可能性をすべて書き出し、何か起こったときには定量的に解決できるようにする米国流の契約書を作り上げました」と語った。

日本企業を取り巻くビジネス環境は、その後30年余りで比較にならないほど複雑さと不確実さを増している。

佐山氏は、「契約違反や不履行などのリスクから経営を守る法務部門の責任はますます重くなっていますが、最新のリーガルテック(法務を支援するテクノロジー)を活用すれば、契約書の膨大な文章の中に潜む紛争の種を簡単に発見できます。不確実な時代を企業が生き抜くためには、法務部門がこうした技術を積極的に採り入れ、問題発見能力を高めることが不可欠ではないでしょうか」と語った。