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「企業が成長するための要素は、生産性の向上とイノベーションの創造に尽きる。コロナ禍の以前も以後も変わらない」。慶應義塾大学大学院教授 岸博幸氏の言葉に力がこもる。大事なのはアフターコロナを見据えて、コロナ禍で一気に普及したリモートワークの定着化を図ることだ。ニューノーマルな働き方として、リモートワークの定着・活用を阻む壁とは?また、デバイス1台でオフィスと同じように快適な仕事環境を実現するには?政治経済に深い見識を持つ岸氏と、デジタル時代に向けてPCのモダナイゼーションを牽引する日本マイクロソフト 執行役員 デバイスパートナーソリューション事業本部長 梅田成二氏の両氏が、個人の生産性を高め、現場から日本を強くするリモートワークについて大いに語り合った。

岸 博幸 氏

慶應義塾大学大学院教授

1986年通商産業省(現経済産業省)に入省し、産業政策、IT政策、通商政策、エネルギー政策などを担当。経済財政政策担当大臣、総務大臣などの政務秘書官を歴任。地域再生をはじめ、政治経済について明快に語る。テレビや雑誌など多くのメディアで活躍中。

梅田 成二 氏

日本マイクロソフト
執行役員
デバイスパートナーソリューション事業本部長

マイクロソフトのOSやソフトウェアを搭載したパソコンやサーバーなど、デバイスパートナー向けソリューション販売、マーケティング戦略部門を統括。Windows 搭載パソコンのエクスペリエンス向上を図る「モダンPC」キャンペーンの国内展開を牽引。

コロナ禍からアフターコロナへ、
企業はいかに成長を図るべきか

梅田 コロナ禍を契機にリモートワーク環境の整備が急速に進みました。日本企業におけるリモートワークの導入率は、コロナ禍以前が20%に対し現在は40%。東京都内に限定すると60%というデータもあります。重要なポイントは、場当たり的な導入に終始する企業と、リモートワークを武器として積極的に活用する企業との間で、競争力に大きく差が開きつつあるという点です。コロナ禍からアフターコロナへ、企業が危機的状況をチャンスに変え、成長していくために何が必要になるとお考えでしょうか。

 企業が成長するために必要な要素は、生産性の向上とイノベーションの創造、この2つに尽きます。この観点でいえば、「働き方改革を推進し、如何に社員の生産性や創造性を高めていくか」、コロナ禍の前も今も課題は変わっていないわけです。しかし、これまで政府の政策も企業の施策も、残業時間の上限規制や有休休暇取得の義務化など“休み方改革”に焦点が当たっていました。コロナ禍で在宅勤務をはじめリモートワークの普及へと一気に進んだ今こそ、真の意味での働き方改革を推進するべき絶好のチャンスです。

リモートワークを活用した働き方改革の実現に向けて、高いハードルとなるのが従来型の社員管理です。パソコンにアクセスしている時間=働いている時間といった、オフィスワークの延長にある管理の仕方は、時間を有効活用するリモートワークに適していません。また仕事の成果は「仕事をした時間×仕事に集中した度合い」で表わすことができます。特に創造性の面で仕事への集中度を無視している従来型の管理手法は、問題が大きいと思っています。

リモートワークによる新しい働き方では、終身雇用や年功序列を前提としたメンバーシップ型雇用から、職務(ジョブ)を明確に定義し成果を評価するジョブ型雇用への転換も必要です。社員の評価指標の見直しを含め、経営層の意識改革が求められます。従来型管理手法で労働時間や場所から社員を解放できない現状では、リモートワークを定着化するチャンスを逃してしまうと危惧しています。

リモートワークを武器とするために
必要なデバイスとは?

 コロナ禍の業務継続の観点から、リモートワーク=在宅勤務という認識を持つ方も多く見受けられます。在宅勤務は「いつでもどこでも仕事ができる」というリモートワークの一部に過ぎず、自分が働きやすい場所と時間で仕事をすることで、生産性や創造性を高めていくことが、リモートワークの本質です。

リモートワークを活かし生産性を高める働き方では、仕事の内容によって場所を使い分けることもポイントとなります。私の場合、集中しやすい新幹線の車中やインターネットカフェの個室で創造的な仕事を行い、人の動きが気になるカフェでインターネットを使って情報収集や下調べをしています。また日本の住宅事情では、仕事用のスペース確保が難しいことから、自宅近くのコワーキングスペースの活用なども考慮するべきです。

場所を問わず仕事をするのが当たり前の時代になるからこそ、リモートワークに適したデバイスの選択が重要となります。デバイスの優劣が個人の生産性を大きく左右するからです。今、私はデバイス本体に加え、電源コードなど付随する様々なものを持ち歩いており、重くて大変です。梅田さん、リモートワーク時代に向けてデバイスはどこまで進化しているのでしょうか?

梅田 リモートワークに最適なデバイスの条件では、「持ち運びやすさ」が基本となります。今は700gを切る Windows 10 搭載の国内パソコンが登場しており、非常に軽量かつ薄くなっています。しかし、デバイスの進化は軽量化だけにとどまりません。マイクロソフトでは、コロナ禍の前からOEMパートナー様とともにPCをモダナイゼーションする「モダンPC」に取り組んできました。「モダンPC」のコンセプトは、パソコン1台を持ち歩けば、どこでもオフィスと同じように快適な仕事環境を実現できるということです。

デバイスの電源を入れたらすぐに立ち上がる起動の速さは、時間短縮はもとより仕事に集中するスイッチを入れる面でもメリットがあります。またバッテリー駆動時間も15時間くらい使えるモデルが多いことから、フル充電で1日利用することも可能です。また高品質マイクと高音質スピーカーも搭載しており、Web会議も快適に行えます。さらに2in1 PCなら、仕事の内容に合わせてタブレットとノートPCを使い分けることもできます。

ビジネスシーンや仕事のスタイルに合わせて、性能や様々な機能を持つデバイスの中から最適な機種を選択できるのも、「モダンPC」ならではの特徴です。

リモートワークに最適なデバイスに求められる3つの要素

 社外で仕事を行うリモートワークでは、コミュニケーション手段としてWeb会議を利用する機会が増えます。視覚と聴覚だけのコミュニケーションとなるWeb会議は、リアルの会議ほど場の雰囲気が伝わらないため、会議を円滑に進行する上で特に視覚の重要性は高くなります。日本人は笑顔をつくるのが苦手な方も多くいらっしゃいますが、Web会議中の画面にずっと上司のしかめっ面の画像が映し出されていると、活発な議論に水を差すばかりです。“いい笑顔”は、“いい会議”のために大きな効用をもたらすと思っています。

梅田 「Web会議は“いい笑顔”で」というのは、心に響きますね。リモートワークにおけるコミュニケーションの重要性は、コロナ禍において日本マイクロソフトが提供するコラボレーションハブ「Microsoft Teams(以下、Teams)」を導入する企業が急増しているという点からも窺えます。Teams はWeb会議だけでなく、会議に参加した人の間での情報共有も容易です。これまでのようにパスワードをかけたファイルを送って、その後にパスワードをメールで送信するといった手間も不要。その場にいながら様々な会議やミーティングに参加できます。働き方改革でテーマとなる、会議の効率化の面でも非常に有効です。

リモートワークのセキュリティは
システム全体とデバイス単体の両面が重要

 リモートワークはどこでも仕事ができる一方で、情報漏洩などのリスクが広がります。私もインターネットカフェなどを利用する機会もあるので、セキュリティについてはとても気になります。移動中のデバイス紛失も心配ですね。

梅田 スガタリサーチの調査によると「リモートワークにおけるセキュリティリスクを考えたとき、最も懸念しているもの」は、業種・企業規模を問わず「不注意による情報漏洩」が最多でした。岸先生の懸念を、多くの企業も抱いているということですね。また「デバイス紛失」は大企業ほど不安視しており、「ネットからの個人情報搾取」は規模が小さいほど懸念が強いという結果が出ていました。

リモートワークのセキュリティでは、システム全体とデバイス単体の両面での対策が必要となります。システム全体の観点では、今社内システムにアクセスしているのが本当に社員本人なのかを担保することが重要です。モダンPCでは細かなアクセス管理により、社用PCでも自宅の私用PCでも、ネットカフェでも移動中でも、「人」をセキュリティの境界線とすることで、社外での強固なセキュリティを実現します。

デバイス単体の観点でポイントになるのは、デバイスを置き忘れてディスクを抜き取られたとしても、データを見ることができないようにすることです。Windows には、デバイスのハードディスクやSSDをはじめ様々なドライブの暗号化を行うセキュリティ機能 BitLocker が標準で搭載されています。BitLocker は法人向けの Windows 10 Pro と ボリュームライセンスで利用可能な Windows 10 Enterprise のみで利用することが可能です。安全・快適にリモートワークを行うためには、OSも Office も最新かつビジネス用途に合ったものを選択することが大切です。

株式会社スガタリサーチによる「リモートワークにおけるセキュリティ危機に関する調査」
(MA:複数回答、SA:単一回答)

「ニューノーマル」より
さらに先の未来へ

 日本経済の今後を考えた場合には、中小企業を含めて生産性や創造性を高める働き方改革をいかに広めていくかが勝負どころです。また、日本のいちばんの強みは現場の力ですから、現場で働く人の可能性を広げる観点からも、新しい働き方としてリモートワークの定着化が重要だと思っています。

コロナ禍で企業経営が苦境にある今だからこそ、アフターコロナにジャンプアップするための準備を進めることが大事です。DX時代を勝ち抜く原動力となる新しい働き方の実現に向けた投資は、企業の未来への投資でもあります。

梅田 マイクロソフトでは、企業がニューノーマルに向けて進む上で3つのフェーズがあると考えています。第一段階が、喫緊の状況に対処するリモートワークへの移行。第二段階が現状回復と復帰を実現する事業回復への対応。第三段階が事業戦略の革新、制度改革などニューノーマルの形成。リモートワークをベースに、DXを推進し業務プロセス改革や新規ビジネスを創出していくというデジタル戦略を加速させることが、多くの企業に求められています。

リモートワークで現場から日本を強くするという、岸先生のご提案に私も大賛成です。個人が新しい働き方の武器として持ち歩くモバイルPCの向こう側に、ニューノーマルの先の未来が広がっています。

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