多忙な一日をフルパワーで乗り切るためにも、疲れを癒やす住環境は欠かせない。さらにリラックスできる空間を整えることで、エグゼクティブに求められるひらめきも促進される。脳科学者の篠原菊紀教授に、健康的で活力に満ちた日々を送るための家づくりのヒントを聞いた。

エグゼクティブに欠かせない要件の一つは、多忙な日々の間にホッとひと息つけるリラクゼーション。ストレスをしっかり解消し、明日からの活力を取り戻すための環境が求められる。

どのような住まいが人をリラックスさせ、朝から再びフルパワーで活躍できるように促すのか。まず重要なのは良質な睡眠の取れる環境だろう。

脳科学を専門とする諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授が、睡眠に関する最新のトピックを教えてくれた。

「ある論文によると、左右に10.5㎝ほどゆっくり揺れる(振動数0.25Hz)ロッキングベッドで被験者18人が寝たところ、深い睡眠と記憶が促進されました。脳波がゆるやかな波になる徐波睡眠(ノンレム睡眠)時に記憶の定着が起きることが知られていますが、この実験では、それに関与しているとされる脳波のα波が増加しています」。

このことからも分かるように、理想的な睡眠のためには、徐波睡眠の時間を長く取ることが重要。そうした質の良い睡眠は、光の環境によって左右されるところが大きい。

「光を感知する視細胞には3種類あります。目の中央に集約されている錐体細胞は色を感知し、周辺にある桿体細胞は白黒や動きを感知します。そして近年発見された第3の視細胞がブルーライト系を感知し、視床下部の概日リズム(1日周期)を司る体内時計と直結しています。寝る前にここへ刺激が入ると、体内時計が狂い、睡眠にも支障をきたすのです」(篠原教授)。

就寝前にはパソコンやタブレットなどを見ないようにしたり、画面のブルーライトをカットした方が良いのは、このためだ。これは室内の照明においても同様。室内照明の色温度(ケルビン)や、光量を自動で調節できると良い。

篠原教授によれば「体内時計のリズムは個人差があり暗示効果も大きいので、最も心地良い光環境のパターンを自分で選べるのが望ましい」という。

3階のバルコニー。四季の風を感じながら朝食を摂ることで、一日の英気を養う。〈駒沢〉

ホテルのスイートルームを思わせるプライベートフロア。仕切りを設けずフロア全体をフラットに繋げたことで、開放的な空間を実現している。〈駒沢〉

フィットネスルーム。窓を開ければ、爽やかな風を感じながらヨガやフィットネスに励むことができる。〈駒沢〉

理想的な睡眠時間を計算する

必要とする睡眠時間も人によって違う。それを知るには「社会的ジェットラグ」と「休日と平日の睡眠時間の差」の2つの指標を使えばよい。

例えば平日、24時に寝て6時に起きるとしよう。睡眠時間は6時間で、睡眠中央時刻(就寝から起床までの中間の時刻)は3時。休日の前日は24時に寝て8時に起きるとすれば、前者は8時間、後者は4時。この場合、睡眠中央時刻が1時間ずれている。これが社会的ジェットラグ。毎週1時間の時差を経験しているのと同じだ。これが2~3時間に及ぶと、毎週時差ボケを経験しているような状態になるという。

次に、同じように休日と平日の睡眠時間の差を見ていく。平日の5日間が6時間睡眠、休日の2日間が8時間睡眠なら、その差の2時間×2日=4時間が、休日に返済している“睡眠負債”の額だ。つまり、平日の睡眠時間を4時間÷7日≒0.57時間(約30分)増やし、休日も同様に6時間半睡眠にするのが理想的というわけだ。

リラックスがひらめきを生む

物事がうまく行かず悪戦苦闘している時ほど脳は活性化する。「鼻歌が出るくらい手慣れた仕事の時は最低限必要な脳活動だけ残り、あとは沈静化します。ということは、なるべく脳活動が効率化するような工夫を施せばリラックスできるのです」(篠原教授)。

住まいでも、認知する対象が周囲に多く置かれた狭い空間よりも、見通しが良い広々とした空間の方が余計な脳活動は起きず、効率的。これにともない、交感神経よりも副交感神経が優位になることで、自律神経が安定してリラックスしやすくなる。

ちょうど「プレミアム・レジデンス駒沢」における、プライベートリビングからキッチンまで続くワンフロアのベッドルームや、エクステリアと繋がるLDK一体空間となるグレートルームなどがそんな空間といえよう。視線が遠くへ繋がる広々とした空間は、視覚への刺激が少なくリラックスできる。

「光や音など、住環境が脳に与える影響は大きい」と話す、諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授。

構造が木であることもリラックスには最適だ。木材から発散される化学物質のフィトンチッドは「副交感神経の活動を上げ、精神を安定させるセロトニンやギャバなどの脳内物質の分泌を促す」(篠原教授)という。

また、部屋ごとに温度差が大きいと交感神経の活動が上がり血圧の変動が激しくなる。これは脳卒中や心筋梗塞のリスクもともなう「ヒートショック」の原因となる。温度差が少ないほど副交感神経の活動が上がり、リラックスの面でも理想的だ。住宅の温度を一定に保つには、気密性の高い2×4工法や、全館空調で廊下やバス・トイレまでを快適にする機能が求められる。

仕事の面でも、脳をしっかりリラックスさせることが必要だ。エグゼクティブの仕事は決まったタスクをこなすルーティンワークより、物事の全体を見てひらめくことが大切になる。この時、重要なのは「脳の安静時に活性化するデフォルトモードネットワーク」と篠原教授は指摘する。「ぼんやりしている時にふとアイデアが思い浮かぶのは、デフォルトモードネットワークが働いているから。これは自我と記憶の検索や整理を行っているため、ひらめきが起きやすい状態になるのではないかとされています」。

とはいえ、これは自我と記憶を検索するものなので、両者が空っぽではひらめきも起きようがない。豊富な情報や知識があることが前提だ。篠原教授によれば「ひらめきとは脳内データのネットワーク化」だという。ぼんやりとした状態と豊富な情報・知識の両方が揃ったうえで、何らかのきっかけが与えられると、ひらめきが生まれる。

「脳は単体で存在していると思ったら大間違い。ネットワークのハブにすぎません。だからアイデアのきっかけになるライブラリや、人が集い触発しあえる空間が自宅にあると、ひらめきも促されるでしょう」。

くつろげる環境に加え、感性を刺激するアートや音楽を能動的に楽しむと、仕事の生産性も上がりそうだ。

照明を暗くしたダイニングキッチン。部屋の明るさを落とすことで落ち着きのある空間を作り出し、さらに自然の木材を活かした壁面が心地良さを誘う。〈駒沢〉

エントランスの壁面は、左官職人の久住有生氏が手がけた。揺らぎのある筋とそれが作り出す陰影は、
邸宅を訪れた人への最初のもてなしとなると同時に、毎日の帰宅時に気持ちを落ち着かせる作用も併せ持つ。〈駒沢〉

ヒントは「身体的認知」

思考力・判断力・集中力・持続力などを含めた、脳の認知機能全般の健全な維持に運動が効果的なのはもはや常識だと篠原教授は明言する。「特に有酸素運動と筋トレをすると、BDNFという脳由来神経栄養因子物質の分泌が増え、作業記憶(ワーキングメモリ)にも関わる海馬で新しい神経細胞を作りやすくなることが分かっています」。

ワーキングメモリはアウトプットのために情報や記憶を一時的に保持して組み合わせ、加工する脳の機能。2013年の研究によれば、65歳の被験者を日常的に速(有酸素運動)をしたグループと健康体操をしたグループの2つに分け、1年後に海馬の容積をMRIにより比較したところ、健康体操のグループでは歳相応の加齢の影響から1~2%縮小したが、速歩のグループでは逆に2%増大したという。

もともと相互に関連した案件を複数抱え、それらをまさに“組み合わせ、加工して”適切な経営判断を下すことを日々の責務とするトップマネジメントやエグゼグティブは「加齢によってもワーキングメモリ機能が落ちにくい」(篠原教授)。有酸素運動と筋トレでワーキングメモリに関わる海馬の機能を若々しく保てれば、より一層健康的でいられる。自宅にフィットネスルームがあれば、ランニングマシンや筋トレ器具を装備し、多忙な日々でも自宅で運動を習慣化できるだろう。

「柔らかな」光、「広々とした」間取り、「暖かい」雰囲気の室内──過剰なストレスを遮断し副交感神経を活発にしてリラックスできる空間を形容するこれらの言葉は「身体的認知」を表していると篠原教授は言う。

「柔らかい、広い、暖かいと感じる時、比喩にとどまらず、まさにそれに近い心理状態になっているのです。例えば、硬い椅子より軟らかい椅子に座った方が相手の話を受け容れやすいとか、冷たい飲み物を手にしているより暖かい飲み物を手にしている方が相手への好意が増す、といった研究報告が知られています。四角いテーブルより丸いテーブルの方が気分が和んだり、狭い部屋より広い部屋にいた方がおおらかな気持ちになるというのは、根拠のあることなのです」。

ポジティブにリラックスし最高の朝を迎えられる家づくりのヒントは、こうした身体的認知のメカニズムにある。柔らかい光に包まれ広々として見通しが良く、木の香りと質感に和み、冬に暖かく夏に涼しい邸宅──そんな住まいには人が集い、“ネットワークのハブ”としての脳と身体が日々、活気づくに違いない。

リビングなどのリラックスできる室内環境にライブラリを設けることが、ひらめきを促進してくれる。〈芦屋〉

シアタールーム。篠原教授によれば「こうした趣味の部屋は狭くて構わない。視野を遮断して没入感を得られることが大切」だという。〈芦屋〉

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