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株式会社宮本製作所 代表取締役 宮本隆氏
マグネシウムの力を生かして、人びとの健康や地球の環境保全に寄与したい

株式会社宮本製作所 代表取締役 宮本隆氏

1949年東京都生まれ。先代亡き後に宮本製作所を承継し、新規事業開発優先の経営戦略にかじを切る。2008年に中小企業庁「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれる。2013年洗濯補助用品「洗たくマグちゃん」発売。2020年「洗たくマグちゃん」シリーズ販売累計600万個突破。

ひらめきから生まれた環境にやさしい商品

マグネシウムの力を洗濯に活用できる―、マグネシウムの研究開発をしてきた私たちにとって「ニュートンのりんご」のようなひらめきでした。

マグネシウムと水だけで汚れや臭いを落とす「洗たくマグちゃん」を発売したのは2013年。洗浄力はもちろん、環境にやさしいことも「洗たくマグちゃん」の強みです。マグネシウムで洗濯した洗濯排水は、栄養分を含んだ農業用水としても使うことができます。

近年、サステナビリティへの関心が高まっていることやメディアで注目を浴びたこともあり、「洗たくマグちゃんシリーズ」は累計販売数600万個、2019年は年商約20憶円の売上を達成しました。

長年にわたり積み重ねたトライアンドエラー

当社とマグネシウムとの出合いは40年以上前にさかのぼります。自動車の機械部品を加工する会社を父が創業したのは1965年ですが、マグネシウムはいつも身近にありました。父が他界した17年前、会社の経営を引き継いでから、アルミより軽いマグネシウムを使って自動車部品を開発しました。品質面での評価は高かったものの、値段が高く、競争力で劣ってしまいました。

熱帯魚の水槽に砂利とマグネシウムを入れると藻がつかないと分かり、「グッピーストーン」という製品を開発したこともあります。マグネシウムの最適な割合を調べるため、工場食堂の壁という壁が水槽で埋め尽くされました。マグネシウムを入れた水槽でグッピーが元気に泳いでいた姿が目に焼き付いています。ところが、東日本大震災で取引先が被害を受け、断念せざるを得なくなりました。

「グッピーストーン」から、長年に及ぶトライアンドエラーを積み重ね、「洗たくマグちゃん」が誕生しました。「洗たくマグちゃん」も、最初は全然売れませんでした。一時は、資金繰りが苦しくなり、商品の権利を売却しようとしたこともあります。

そんなとき、スティーブ・ジョブズについて書かれた書籍にあった「カネ不足を嘆くより、夢不足を嘆け」という言葉に心を打たれました。「気付く、すぐやる」は私の信条です。早速、著者でビジネスコンサルタントの竹内一正さんに会いに行き、竹内さんから「世の中になかった発見なのだから、自信を持っていい」と力強いアドバイスをいただきました。

当社は今、大きな夢やビジョンとともに、中長期で研究開発を進めています。マグネシウムの計り知れない可能性を見いだすことで、人びとの健康にも寄与したい。東京慈恵会医科大学客員教授の横田邦信先生はマグネシウムの健康効果を指摘しています。マグネシウムを経皮吸収できる入浴製品のほか、健康寿命を延ばすための商品開発も手がけています。

地球規模の水不足にもビジネスモデルで対応

世界の水不足解消に向けて貢献できるビジネスモデルを確立していきたい。米国カリフォルニア州やインドなど、世界で干ばつが深刻な地域が増えています。「洗たくマグちゃん」の生活排水を買い取り、農業用水など必要な地域に提供できないか、実現のための準備を進めています。

常に念頭にあるのは、子どもたちが笑顔で過ごせる社会をつくること。地方自治体と連携して、新生児が生まれたご家庭に「洗たくマグちゃん」をプレゼントする試みも始めました。将来、子どもたちが今よりもっと幸せな環境で暮らせるよう、私たちの技術や研究力を役立てていきたいと思います。

「洗たくマグちゃん」など、マグネシウムの特性を生かした新しい生活用品を提供することで、環境にやさしい循環型社会の実現を目指す
洗たくマグちゃんL

「洗たくマグちゃん」など、マグネシウムの特性を生かした新しい生活用品を提供することで、環境にやさしい循環型社会の実現を目指す

株式会社Origami

株式会社 宮本製作所

〒306-0215 茨城県古河市水海2393

https://www.miyamotoss.co.jp/

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