顧客のニーズは「モノからサービスへ」

DXによる新ビジネスの創出で
ニューノーマル時代を勝ち抜く

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、企業が直面する市場環境の変化やビジネスモデルの新陳代謝はますます加速している。どのようにビジネスを変革すれば、自社のコアコンピタンスを生かしながら長期的な成長を実現できるのか? 日本オラクルの桑野祐一郎氏に聞いた。

コロナショックで高まる
変革の必要性

profile

日本オラクル株式会社
理事 クラウド・アプリケーション事業統括
CXクラウド事業本部長
桑野 祐一郎

 新型コロナウイルス感染症の拡大による生産活動や消費の停滞で、2020年の世界経済は未曾有のマイナス成長に陥ることが予測されている。言うまでもなく、日本経済に及ぼされるダメージも極めて甚大だ。そして何よりも懸念されるのは、コロナ後の経済復興の遅れである。

 残念ながら日本経済の潜在成長力は、新興国のみならず、他の先進国と比べても低い。急速な少子・高齢化や、それに伴う人口減少、労働生産性の低さなどがネックとなっているからだ。他の国々に比べて回復が遅れれば、米国や中国との経済力の差はさらに大きく開き、急成長する後発の国々に追い抜かれてしまう懸念もある。

 一方で、すでに何年も前から、第四次産業革命やデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれる最新テクノロジーを活用したビジネスの大変革が進み、既存のビジネスは淘汰の波にさらされてきた。今回の事態は、新たな競争相手にとっても大きな試練ではあるが、コロナショック後のニューノーマル(新常態)な暮らしや働き方などにいち早く対応し、さらなるビジネス変革に踏み出している企業もある。

 「新型コロナウイルスの感染症の拡大により、『変革しなければ、生き残れない(Change or Die.)』というDX時代の激烈な競争にますます拍車を掛けることになるでしょう。その中で日本企業が売り上げを伸ばし、企業価値の目に見える指標である株価を上げるためには、いよいよ本腰を入れてビジネス変革に取り組むことが避けて通れなくなったと言えます」

 と語るのは、日本オラクルのクラウド・アプリケーション事業統括 CXクラウド事業本部長の桑野祐一郎氏である。

 では、どうすればビジネス変革は実現するのか。桑野氏は、「自社の強みや顧客の新たなニーズをしっかりと把握し、そこにアイデアや最新テクノロジーを組み合わせて、今までにない顧客価値を創出することです」(下図参照)と説明する。

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新たなビジネスの創出は、自社の強み(コアコンピタンス)と顧客ニーズを知ることから始まる。ビジネスのアイデアを具体化するためのテクノロジーは、すでに整っている