変化にチャレンジし続ける
リクルートグループの課題解決⼒

Case1

外国籍の方も活躍できる社会の実現を目指す

AIの導入、製造ロボットのスマート化など、いわゆる第4次産業革命が進んだことにより、製造業の労働環境も変革期を迎えている。かつての製造現場で働くには技術力と体力が重視されていたが、最近は女性やシニアなど、多彩な人材が活躍できる職場へとシフトし始めている。それにも関わらず、外国籍の方に対して門戸を開いていないところはまだ多い。その課題に立ち向かったのはリクルートグループの製造派遣会社テクノ・サービス。そこで、製造業を専門とする派遣会社テクノ・サービスが注目しているのが“外国人派遣スタッフ”。その現状と可能性について、同社の外国籍専門サポート部署「グローバル・センター」のゼネラルマネジャー・伊藤薫氏とミランダ ビニシウス氏に聞いた。

厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況」(令和元年10月末現在)によると、日本で働く外国人労働者数は約166万人で、平成19年に届け出が義務化されて以降、過去最高を更新している。産業別に見ると、外国人労働者数が最も多いのが「製造業」で約48万3000人、29.1%を占めている。また、国籍別・産業別に見ると、製造業で働く人が多いのがブラジル人(43.8%)、フィリピン人(37.5%)となっている。製造業派遣のテクノ・サービスを通して就労する外国籍スタッフも年々増加している。

テクノ・サービスで就労する外国籍派遣スタッフの推移


出典:テクノ・サービス

課題は理解不足。
「まず自分たちが変わらなければ」

現在はテクノ・サービスで外国人就労のサポートを行うブラジル国籍のミランダ ビニシウス氏も、16歳で来日後、製造業で6年ほど働いた経験がある。「はじめのうちは、会話の機会が少ないとはいえ、日本語には苦労しました。質問したくてもできないし、周りの日本人が優しく教えてくれても理解できなくて、ずっと申し訳なく思っていました」(ミランダ氏)。

ミランダ ビニシウス氏

株式会社テクノ・サービス
グローバル・マーケティング部 グローバル推進グループ

ミランダ氏はその後、インターナショナルスクールで外国人向け英語教師として働いた。「でも、生徒たちが英語を上達したところで必ずしもいい仕事に就ける訳ではありません。日本で働くためにはコミュニケーション能力や、税金や労働条件などの知識も必要と感じました」(ミランダ氏)。

日本に住む外国籍の方がより働きやすく、キャリアを積める環境を作りたい。そう考えたミランダ氏は2017年にテクノ・サービスの名古屋営業所に入所した。

一方、テクノ・サービスは外国籍人材の優秀さと重要性にいち早く着目し、2017年には外国籍専門サポート部署を立ち上げていた。そのゼネラル・マネジャーに就任した伊藤薫氏はまず、外国籍スタッフの就労における企業側の2つの課題を見出した。

伊藤 薫氏

株式会社テクノ・サービス
グローバル・マーケティング部 セネラルマネジャー

1つは「労務管理」の問題。外国籍スタッフを受け入れる側にとって、各国の就労ビザの真偽や期限をチェックするのは煩雑で、敬遠する理由の1つになっていた。もう1つは「労働慣習」の問題。「年末調整」といった日本独特のルールについて外国籍の方に伝えることが難しく、書類提出を求めても返事がない。その結果、書類を提出しない人をルーズだと判断し、「外国人と働くのは難しい」と誤解されてしまうこともある。

日本人と外国人の間には大小さまざまな問題があると気づき、それまでドメスティックな環境でしか働いたことのない伊藤氏は、まず自らが外国人とともに働いてみようと考え、数名の外国籍スタッフを東京本社に招請した。そのうちの1人がミランダ氏だった。

「東京に呼び寄せるにあたり、1人1人に社内の引越し規定や契約について説明しなければなりません。それだけでもとにかく大変でした。私たちのクライアントである製造業の方々も、外国籍スタッフの労務管理でこんな苦労をされているのだと思い知りました」(伊藤氏)。

その反面、労務管理の手間さえクリアすれば優秀なスタッフが揃うということを実感。「ミランダたちと一緒に働いてみて、その手応えは確信に変わりました。これまで私は日本人のチームを率いてきましたが、外国籍スタッフの能力は日本人に比べて遜色ありません。むしろ仕事に対するモチベーションは、外国籍である彼らのほうが高いかもしれません。こうしたことをクライアント様にぜひともお伝えしたいと思いました」(伊藤氏)。