爽快な読後感が明日を生きる力に REFRESH INTERVIEW 池井戸 潤 氏 爽快な読後感が明日を生きる力に REFRESH INTERVIEW 池井戸 潤 氏 爽快な読後感が明日を生きる力に REFRESH INTERVIEW 池井戸 潤 氏

困難に直面しながらも奮闘し、自らの人生を切り開く人々の姿を力強く描く、作家・池井戸潤の作品世界。身の内に眠る勇気と活力を呼び覚ますエンターテインメントを生み出し続ける作家の、創作の矜持とは——。

名場面も決めぜりふも
「勢い」から生まれる

日々、懸命に頑張っていても、なかなか思い通りにいかない仕事人生。いつか自分にも、こんな胸がすくような出来事が起こるだろうか……。そんな想像をかき立てられながら、ページを繰る手がはやる。作家・池井戸潤氏が世に送り出す小説は、そうして幾多のビジネスパーソンに、夢と希望を届けてきた。

どの作品でもクライマックスに登場するのは、爽快無比な逆転劇に、痛快な決め台詞だ。2004年から現在にかけて4作が発表され、いずれもベストセラーとなった代表作『半沢直樹』シリーズで、主人公・半沢直樹が自分を陥れようとした敵たちに言い放つ《やられたら、倍返しだ》は殊に有名。13年にドラマ化された際には、その年の流行語大賞にも選ばれた。だが、山場となる場面やこうしたせりふは、決して書き始める前から見えているものではないと、池井戸氏は言う。

「僕の場合、小説はすべて〝出たとこ勝負〟。その場の勢いやアドリブで書いているので、どこでどういう場面を出そうとか、こういうせりふを言わせようとか、まったく決めていません。《倍返し》のように、後で振り返ってこれはいいせりふだったなぁと思うものも、そうした流れの中で、ふいに出てくるものです。頭で考えてはめるせりふは、どうしてもイキが悪いというか、予定調和的になってしまいますからね。喩えるなら、天然の魚と養殖の魚の違い、みたいなものでしょうか(笑)」

瞬きを忘れるほど没頭。
だから、目薬は常に傍らに

都市銀行勤務を経て作家デビューを果たし、今年で22年。出版界から、そして現在はテレビや映画の世界からも新作を待たれる身となった。毎日、400字詰め原稿用紙換算で20枚を目標に日々、執筆に励む。

「だいたい、朝の9時か10時くらいから書き始めます。15時くらいまでに20枚書ける日は、わりと調子がいいほう。『今日はダメだな』という日もありますが、そういうときもとにかく書く。頑張るしかありません」

物語のうねりをつかもうと根を詰めて続ける執筆は、肩、腰、そして何より目を酷使する肉体労働。パソコンで執筆したのち、出力した校正紙で推敲を重ねる作業は、5回、6回と繰り返される。一編の長編小説が刊行されるまでに赤ボールペン1本のインクが尽きるというから、目への負担は推して知るべし、だ。

「紙の上での作業はまだいいんですが、圧倒的に目が疲れるのは、やはりパソコンに向かっているときです。話にのめり込んでいると、ついつい瞬きをするのを忘れてしまうんですよね。僕は利き目が左目だと思うんですが、とくにそっちが乾いて疲れる。だから、机の上には常に目薬が置いてあります。作家業と目薬は、切っても切れない関係。作家だけでなく、パソコンを使う人なら誰でも必須だと思いますね」

普段から成分や効能をチェックし、目薬を選んでいるという池井戸氏。「ロートジープロd」のさし心地を尋ねると、「これは……刺激的だな。驚きました」と目を瞬かせた。

「普段使っているものも相当すっきりすると思っていたんですが、この爽快感は、これまでなかったのでは?」

銀行、メーカー、建設業、伝統産業の作り手から企業スポーツチームの運営まで、あらゆるビジネスシーンを舞台に、夢や誇り、仲間との絆を胸に格闘する人々の物語を紡いできた。爽快な読後感をもたらす骨太な作品は、先行きの見えない現在を生きる人々の心に染み入り、明日に向かう活力をよみがえらせる。

「読み終わった後に悩んで考え込んでしまう小説もあるにはあるとは思いますが、僕はあまり書きたくない。ああ面白かったな、と気持ちよく読み終えて、スカッとしてもらいたいんです。それが、エンターテインメントを書く作家としての役割であり、責任だと思っているので」

オフの日は、趣味の写真撮影やゴルフに出かけ、遠くの景色を眺めてひとときリフレッシュ。そしてまた机の前に戻り、パソコンのワープロ画面に向かい、想像を巡らせる。「僕のピントは、やはり机の上で合うようになっているんでしょうね」と池井戸氏。新しい物語の躍動が、作家の目を、またくぎ付けにする。

池井戸潤 JUN IKEIDO

1963年岐阜県生まれ。『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞、『下町ロケット』で直木賞。『半沢直樹』シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』)のほか、近作に『陸王』『民王』『七つの会議』『アキラとあきら』『ノーサイド・ゲーム』がある。

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