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協賛講演

トッパンフォームズ

働き方改革の推進やデジタル変革の本格化に伴い、多くの企業がRPAの導入を進めている。しかし、単にRPA導入だけでは効果の最大化は望めないのが現実である。それではRPAを導入する企業は何を行い、どのようなソリューションを活用すればよいのだろうか?

RPA導入・運用に欠かせない
ノウハウも併せて提供

トッパンフォームズ
企画販促統括本部
販売促進本部 業務推進部
デジタルワークフローデザイングループ
大塚 大 氏

「現在RPAは浸透し、多くの企業が取り組んでいます。しかし、それらを導入し運用するためには、ノウハウが重要。そして、そこに苦労されている企業もたくさんいると認識しています」

登壇したトッパンフォームズの大塚氏は、RPAを導入する企業の現状についてこのように語り、同社がこのような課題に対して、どのようなソリューションを提供しているかについて言及した。

実際の業務では、まだまだ紙ベースの申込書や依頼書、納品書などが使われている。そのため、RPAを導入するにしても、紙ベースの情報の取り扱いを含めた業務プロセスの改善は必須だ。このような課題に対し、トッパンフォームズでは、デジタルだけではなく、紙ベースの業務も含めて最適化する「デジタルハイブリッド型」のソリューションを提供しているという。同社がこのようなソリューションを提供できるのは、長年携わってきたビジネスフォームなどに関連する事業で培ってきたノウハウがあるからこそだといえそうだ。

数々のソリューションの中で初めに紹介された「RPAの導入・運用支援サービス」は、RPA導入の検討、RPAツールの選定、導入、運用の各フェーズについてワンストップで支援を行うもの。サービスの中には、運用面の課題の解決に向けた支援、ロボット活用のスキルを上げるための研修なども含まれており、まさにかゆいところに手が届くような内容になっている。

セッションでは、サービス内容と併せて、クレジットカード会社における導入事例が紹介されたが、申請情報のシステム登録業務をRPAで自動化したことで、それまで最大6時間程度を要していた作業時間を大幅に短縮したという。さらに大塚氏は「転記ミスがなくなるなど、その効果は数字に表れない部分にも及ぶ」ことを強調。作業時間だけではなく、入力品質の向上や内容の確認に要していた人員の削減、エラー時のリカバリー作業工数の削減に寄与したことも示唆した。

AI-OCR導入事例として、トッパンフォームズ財務部門での請求書情報のテキスト化に
ABBYY FlexiCaptureを利用した内容を紹介。併せて、会計システムへの登録をRPAで自動化している。

DX推進の第一歩である
AI-OCRに必要な高精度化対策

続いて、大塚氏は、紙の各種帳票の情報を自動でデジタル化するのに欠かせないAI-OCRツールに言及した。

AI-OCRとは、紙の書類や帳票イメージを読み取り、テキストデータに変換するツールで、以前から活用されていたOCR技術にAI技術を組み合わせることで手書き文字や非定型帳票の文字を読み取れるようにしたものだ。

最近ではテレワークを実施する企業が増え、紙ベースの書類のやり取りが困難になったことで、データ化・自動化の入り口としてこのツールを使い始める企業が増えている。

DXを進める上でRPAだけでは解決できない業務プロセス全体の見直しや、システムによる見える化が重要で
そのためにはBPMS、BPMNの活用とそれを操るDX推進人材の育成が急務であると訴えている。

しかし、このAI-OCR、読み取り精度が上がっているとはいえ「100点を常に取ることはできない」と大塚氏は言う。

同社が提供するAI-OCRサービスでは、手書き文字の特徴を学習する手書き帳票向けの「Tegaki」と、活字・非定型帳票向けの「ABBYY」という2つのソリューションを用意しているので、用途に合わせて適切なツールを利用することはできる。しかしいずれにせよ読み取り精度を高めていくためにはチューニングが必要不可欠なのだという。

そして、このチューニングは、ツールの機能的な改善だけにとどまらず、帳票のデザインをOCRで読み取りやすいものに変更することなども求められる。同社のサービスは、このような点もサポートしてくれるのも特長だ。

「ABBYY」を活用して、請求書情報のテキスト化から財務会計システムにデータ登録するまでのフローを自動化したトッパンフォームズの自社実践事例では、適切なチューニングを行うことで読み取り精度を97%に向上。その結果、月5000枚に及ぶ請求書の手入力作業を削減し、年間8760時間の削減に成功したという。

また、AI-OCRでデータ化する前段階工程には、郵送で受領した封筒の開封作業や添付資料の不備の確認、帳票ごとの事前仕分け、スキャン作業などが必要だが、同社ではこの作業を自動化する機器を販売しており、これらの機器を活用したアウトソーシングサービスも提供しているとのことだ。

RPA導入後に直面する壁を
乗り越えるために

大塚氏いわく、RPA導入後の企業が直面しがちな課題には次の4つがあるという。

「1.手順のみのRPA導入となり、一般的領域外へ取り組みが拡大しない」「2.効率化が時間効果に偏り過ぎ、成果が思ったほど上がらない」「3.現場で可能な作業改善に終始してしまい、業務を変えられない理由を放置してしまう」「4.現場だけでは改革できず、取り組みを断念してしまった結果、付加価値向上・改革につながらない」

そして、このような状況に陥らないためには「各業務部門間で連携したプロセス改善や実際にいま使われているシステム全体の見える化、人が介在するプロセスの自動化が必要」だと大塚氏は強調する。つまり、RPA導入の価値を最大化するためには、RPAの導入だけではなく、ビジネスプロセスそのものを改革しなければならないということだが、同社ではこのニーズに対するソリューションも提供している。

それが、業務プロセス全体を管理する自動化基盤「BPMS(Business Process Management System)」とISOで国際規格化されている業務プロセスのモデル表記法である「BPMN(Business Process Model & Notation)」を組み合わせた業務プロセス改革支援サービスだ。

なお、現在、神奈川県横須賀市ではこのソリューションを活用し業務プロセス改革を推進している最中だ。2020年度からは業務プロセス改革の全庁展開に向け、BPMS導入に向けた検証や研修を実施しているという。

セッションの最後、大塚氏は「(多くの企業が)DXへの初期的な取り組みとして、RPAやAI-OCR、各種ツール、機器の導入を行っていると思いますが、それらを導入した後に個別最適に陥らないよう業務プロセス全体の見直し、最適化を行うことが必要だと思います。そして、やはりそれを行う人材の育成が最も重要だと思います」と視聴者に呼びかけた。同社のデジタルハイブリッド型ソリューションがその実現に寄与するのは間違いないといえるだろう。