日経ビジネス電子版スペシャル

今、企業の競争力強化の鍵を握るデジタル・トランスフォーメーション(DX)。
ところが真に企業の変革につながるDXに取り組んでいる企業はまだ少ない。
真のDXを推進できる人材の条件、そしてそれを受け入れる企業側に求められる条件とは。
ハイレベルデジタル人材の紹介を専門に手がける、株式会社ウィンスリーのヘッドハンターに、
企業の生き残りをかけたDX人材獲得成功の極意を聞く。

真のDX化は業務効率化にとどまらない
生き残りをかけた変革が必要

10年後、20年後に自分の会社が生き残っていると自信を持って言えるだろうか。

今、企業の競争力強化の鍵を握るのが、デジタル技術を生かしてビジネスに変革を起こす「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」だ。近年、ビジネスの世界では、耳にしない日がないほどDXという言葉が広く認知され、多くの企業が競争力強化にDX化が不可欠と考えている。ところが、本当の意味でDX化を進めている企業はごく一握りにとどまっているという。

DX推進を担うデジタル人材を手がけている人材紹介会社ウィンスリーのヘッドハンター、三谷岳氏によれば、ひとくちにDX化と言っても、大きく2つのレベルに分かれるという。

「DX化は、既存業務の効率化を図るようなレベルと、デジタル技術を駆使してまったく新しい事業を創出するレベルがあります。業務効率化をゴールにしていては、DXの本当の可能性を引き出せません。後者のビジネスの変革による新しい事業の創出こそ、DXでめざすべき姿なのです」

自社が得意としている事業があってライバルの動向にも目を光らせているつもりでも、デジタルの世界から突如、現れたライバルに市場を持っていかれる恐れがあるからだ。

例えば、JR東日本は山手線の高輪ゲートウェイ駅に無人コンビニをオープンした。決済も既に普及しているセルフレジとは異なる。店内にあるカメラとAIが棚から商品を取るだけで何を買うのかを瞬時に把握し、客はレジで表示された金額を払うだけだ。レジ待ちの行列解消とともに、対面接客が不要なことは、コロナ禍のニューノーマルな生活様式にも対応し、急速な拡大の可能性も高まる。デジタル技術を駆使して、新たな小売店のあり方を提示した好例だ。

こうしたパラダイムシフトは突然やってくる。

このように、デジタルの世界からの思わぬ市場変革に備えて、自らデジタル世界で動き出しておかなければ、文字どおり命取りになりかねないのだ。従来の意味でのライバルの動きを注視しているだけでは安心できない時代になっているのである。

待ったなしのDX化
自前の人材育成だけでは間に合わない

新規事業創出につながる積極的な意味でのDX化に乗り出した企業にありがちな悩みがあるという。

三谷氏が説明する。
「前例の無い新規事業なので、当面は試行錯誤を重ねたり、大きなビジネスになるとすんなり理解してもらえなかったりすることも少なくありません。とはいえ、創っていくのは将来のコア事業です。見えないライバル企業はデジタルに強い人材を揃えてPDCAを回しています。いつまでも外注任せにしていたり、自前で社員を育成していてはとても間に合わないのです。そこで中途で優秀な人材を獲得する必要があるのですが、オーダーの中にはひとまず契約社員で対処したいとの声もあります。想像に難くありませんが、優秀なDX人材は契約社員という条件ではなかなか応募して頂けません。たとえ入社しても、新規事業に関する経営陣とのやり取りや、既存事業部門との調整作業の際、契約社員という立場では相手から軽く見られてしまいますし、行き詰ることが明白だからです。また、これほど重要な事業を契約社員に任せる会社は、DXに向けた会社としての本気度もその程度と見られてしまうからです。」

これまでに手がけたことのない新しい事業なのだから、必要となる人材の条件もこれまで採用・育成してきた人材とは異なって当然だ。特にDX化に求められる人材は経営、技術、クリエイティブの3本柱の2つ以上に強いデジタル人材が必要とされる。

三谷氏によれば、DX人材のイメージとしては、ウェブサービスや広告会社、デザインファーム、デジタルエージェンシー、システムインテグレーター、コンサルティングファームといった企業での十分な経験があり、新規事業立ち上げに活躍してきたような人々だ。しかし、こうした人材は圧倒的に少なく、現在、超売り手市場になっている。

DX人材を採用するためのチェックリスト

  • DX推進への強い覚悟が経営トップにあり、その思いを社員に浸透させようとしているか?
  • プロパー社員育成一辺倒やコンサル任せではなく、外部から専門人材を採用する必要性を理解しているか?
  • DX人材の採用やプロジェクト推進の難易度はきわめて高いため、面接方法、人事制度、チームの立ち位置、裁量権限など、柔軟に変えていく検討はできているか?
  • 人事採用担当自らが、DXの背景や経営陣の覚悟などについての熱意を候補者に十分に語ることができるか?
  • DX人材支援に強い紹介会社、ヘッドハンターに相談しているか?

デジタル業界の実務経験者だからこそ理解できる
現場のニーズと候補者の心情

デジタル業界の実務経験者だからこそ
理解できる現場のニーズと候補者の心情

三谷氏がヘッドハンターを務めるウィンスリーでは、DX支援室という専門部署を置き、ハイレベルのDX人材を企業に紹介している。

「弊社はデジタル人材を専門に8年の実績があります。そして弊社のコンサルタントは、変化の激しいデジタル分野で10年以上にわたるマネジメント経験者が中心です。現場での実務経験があるため、採用企業の人材ニーズを深く理解していて、ときには企業の人事部担当者から求職者に刺さる求人票の作成依頼も来たりします。」

一方で求職者側のキャリア構築やインサイトにも詳しく、適合する人材の見極めや、入社後の環境・制度・風土も求職者に事前にお伝えするため、入社後に起こりうるイメージギャップを最小限に抑えられ、「弊社経由で転職された方の勤務継続率(転職して6カ月以上在籍)が99.2%に達している」という。

的確な人材が紹介されたとしても、まだ安心はできない。こうした人材が社内にしっかりと定着して、持てる力をフルに発揮し、DX事業が軌道に乗っていくかどうかは、組織づくりや経営トップの姿勢に大きく左右されるからだ。

つまり新しい人材を受け入れ、活躍してもらう素地が必要なのである。これは受け入れ側に突きつけられた課題である。

例えば伝統的な事業を続けてきた企業にとって、社内に突然生まれたDX推進部門やそこに所属する人材は、ときに異質に映るかもしれない。異質だからといってDXを支える人々に対して他部門が非協力的だったり、足を引っ張ったりするようだと、DX化を支える人材は「この会社に未来なし」と判断してあっという間に逃げていく。

トップの覚悟なしにDX成功はありえない

今やDX人材は引く手あまた。能力の高い人が多いため、おのずと給与水準も高くなる。年功型の給与体系を中心とする企業では、給与の面でDX人材を確保できないこともある。この場合、特別枠の給与体系を導入するといった思い切った措置も欠かせない。採用面接にせよ、人事制度にせよ、支給するデジタルツールにせよ、柔軟に適応していかなければ、これまでとは違う人材は採れない。変革を起こすためには、それ相応の特権も与えなければならない。

当然、変革には常に抵抗勢力がうごめきだす。社内の反発は容易に想像できる。だが、そこで企業の長期的なビジョンを語り、的確に調整してスムーズに受け入れる企業風土を生み出せるかどうか。これはトップの腕にかかっている。

「何のために社内にDX推進部門を作るのか、トップ自ら社内に向けて繰り返し説明し、中長期的な視点に立って、成功するまでDX推進部門を応援し続ける覚悟が欠かせないのです。会社の強みとテクノロジーを掛け合わせた新規事業の創出を何としてもやり遂げるという強い覚悟が経営トップにあるかどうかです」と三谷氏。

つまりDXを経営計画の最重要戦略に掲げて経営層が深く関与しているかどうかが大切なのだ。企業自体が生き残りをかけてしなやかに生まれ変わる変革。その成否は、圧倒的に優れた人材を見つけだすパートナーの選定と、DX化という企業変革を遅滞なく進めていくトップの覚悟にかかっている。

Service of Win3, Inc.
株式会社ウィンスリー ヘッドハンター
三谷 岳氏

採用ニーズに合わせて
さまざまなサービスを提供

ハイレベルなデジタル人材をめぐる熾烈な獲得競争に勝ち、他社に先駆けてDX対応を有利に進めるには、さまざまな方法で人材を獲得しなければならない。デジタル分野に完全特化したウィンスリーは、入社決定の確定段階でコミッションが発生する成果報酬モデルに加え、採用までの期限を設定して要件に合った人材を確実に紹介する期間コミット型ヘッドハンティングサービスも提供している。さらに、正社員や契約社員という立場ではなく、業務委託の形で優秀な人材を紹介する業務委託サービスも取り揃え、多様な採用ニーズに対応している。

デジタル系の実務に精通する
ヘッドハンター陣

ウィンスリーは、デジタル分野で10年以上活躍してきたメンバーをヘッドハンターとして擁する人材紹介会社。それだけに採用企業の現場の事情に精通し、同時に候補者の心情も深く理解しているため、これまでに紹介した人材の勤務継続率は99.2%という高い数字を叩き出している。

株式会社ウィンスリー

〒106-0032 東京都港区六本木4-8-7 六本木三河台ビル5階  https://w3hr.jp/