日経ビジネス電子版 Special

ビジネス環境が激しく変化し、企業は変革のスピードを上げることが急務となっている。だが、拙速な対応を避け、自らの課題を正しく捉え直す必要があるなど、従来とは異なる取り組みを迫られている。企業のパートナーとなるコンサルティング会社の役割も変わってくる。アビームコンサルティングは2021年の設立40周年を節目に自らも変革し、顧客企業の挑戦が結実するところまで伴走する覚悟だ。

環境変化を先取りして変革を進めることが重要

コロナ禍の世界的な広がりを受けて、我々はかつて経験したことのない、大きな環境変化にさらされています。多くの企業はコロナ禍以前から変革を進めてきましたが、コロナに背中を押される形で、事業戦略へのアプローチを見直す動きが広がっています。

感染拡大でリモートワークは一気に普及しましたが、あらかじめ変化に対応していた企業とそうではない企業との間では、マインドセットや評価の仕組みなど、様々な面でスピード感の差が露呈したように思います。「変わらざるを得ない状況に追い込まれる前に、変わらなければならない」との認識が、実感を持って共有されたのではないでしょうか。変化の振れ幅が大きく、先のことが見通せないときには、変革のスピードを速める必要があります。とはいえ、取り組みの本質をしっかり見据えなければ、拙速な対応となりかねません。短期間で成果を出すためには、やるべきことの本質を見極め、優先順位を決めて取り組むことが重要です。

その意味では、クライアントと対峙しながら変革をサポートする我々自身も、本気で変化し、成長していかなければなりません。一方で、コンサルティング会社に対する市場やお客様の期待値も、より明確になりつつあります。

その1つが、「成果」に対してより強いコミットメントが求められるようになったという点です。従来、クライアントは課題やテーマについて自分たちで一定程度の整理をした上で、コンサルティング会社には外部の専門家として、How(いかにして実現するか)の部分におけるCapability(能力)の提供を期待する傾向にありました。Howの提供が重要であることに変わりはありませんが、今後は、より本質的なことに本気で取り組み、クライアントと一緒に成果を創造できるコンサルティング会社が選別されていくでしょう。

アビームコンサルティング株式会社 代表取締役社長 鴨居 達哉氏

アビームコンサルティング株式会社

代表取締役社長

鴨居 達哉

Tatuya Kamoi

◎1961年長野県生まれ。セイコーエプソン、プライスウォーターハウスクーパース、IBMビジネスコンサルティングサービス、米国IBMを経て2012年日本IBM常務執行役員。2014年マーサージャパン社長兼 Mercer Far East Market Leader。2020年4月より現職。

Why、WhatからHowまで一貫して取り組む

アビームは、最後までプロジェクトをやり抜く「リアルパートナー」としての強いDNAを持つ会社です。しかし、クライアントの期待に応えるには、より本質的な部分からクライアントと一体で取り組めるよう、我々のコミットメントや組織的な能力をより一層拡充していかなければなりません。トランスフォーメーション・ジャーニー(変革の旅路)では、なぜ(Why)その取り組みをする必要があるのか、何に(What)取り組むのかという議論を、スタート時点で徹底的に尽くすことが重要です。クライアントが挑戦すべき課題やテーマの本質を徹底的に考え、取り組みの優先順位を見極め、成果を創り上げるところまで伴走する。そんな真のパートナーとしての役割を果たすことのできるコンサルタント会社だけが、生き残っていけるのです。

しかし、そこへ向けては、我々の側にも覚悟が必要です。企業が抱える課題を真に解決し、価値を共創するためには、初期投資も含めてリスクを取り、大きなテーマにチャレンジしていかなければなりません。例えば、現在注力しているグリーン・トランスフォーメーションの領域では、企業や公的機関などのステークホルダーをつなぎ、社会変革を加速させる役割を我々が担っていきたいと考えています。

一方で、我々には「日本企業」としてのアドバンテージもあります。例えば、リスクを取って初期投資を行い、我々自身の意思決定によって能力を存分に発揮し、ステークホルダーをつなぐことにスピード感を持ってコミットできるのは、「日本に本社がある」アビームならではの強みです。今年は設立40周年の節目にあたり、国内外で6500人超の社員がビジネスを展開しています。「日本起点のグローバル・コンサルティング会社」としての強みを活かすためにも、組織的なCapabilityに広がりと深みを持たせ、我々自身の変革を前へ進めていく必要があります。

アビームコンサルティング株式会社 代表取締役社長 鴨居 達哉氏 変革のスピードを速める前に、やるべきことの本質を見極め、優先順位を決めて進めることが重要。我々はその段階から一体で取り組みます。

異能の人材が活躍できる多様性に富んだ環境づくり

昨年、アビームは「10年ビジョン」と2025年までの戦略を策定し、“Build Beyond As One.”というコーポレート・スローガンを新たに設定しました。Buildには「全体を俯瞰して構想から実現まで確実に導く」、Beyondには「従来の枠組みを超え、未来に向けた新たな価値を創る」、As Oneには「クライアントやビジネスパートナー、社員などステークホルダーと共創し、そのチームをリードする」という意味が込められています。

我々が変革を進めるためには、会社の仕組みを変えるだけでなく、社員1人ひとりがより一層の成長を目指し、自分自身の可能性を広げていく必要があります。同時に、外部からも特定の領域に精通した異能の人材を集め、その人たちが活躍できる場をつくって、多様な人材が集結した組織にしたいと考えています。

併せて、クライアントの変革を進めるためには、様々なパートナーとの共創も欠かせません。我々がリード役となって変革を加速させていくためには、様々な能力を持った人たちをつなぎ合わせて、ビジョンを共有し、サステナブルなエコシステムをオーケストレーションしていく力を発揮することが大変重要です。

今後は、クライアントから選ばれる存在であると同時に、社会から必要とされる会社であり続けること――それが、我々の重要な存在意義になっていくと考えています。

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