あかつき証券代表取締役社長
工藤英人
東洋信託銀行(現・三菱UFJ信託銀行)を経て、ソフトバンク(現・ソフトバンクグループ)入社。イー・トレード証券(現・SBI証券)常務取締役COO、黒川木徳フィナンシャルホールディングス(現・あかつき本社)に招聘され、2012年4月より現職。

リテール営業の実績で
IFAをサポート

 2021年3月期決算では2019年3月期に比べ、営業収益が35億円から123億円と3.5倍に増収したあかつき証券。その成長を支えているのは、IFA支援サービスだ。

 「弊社には対面でアドバイスを行うリテール営業を行ってきた長い歴史があります。その経験豊富な営業スタッフをIFA専任担当者として配置し、彼らが営業しやすいようにさまざまなサポートを行っています。それが評価されてきたことで収益につながったと考えています」と話すのは、あかつき証券の代表取締役社長、工藤英人氏。IFAからの評価は実際にデータにも表れており、「ADVISER navi」がIFAを対象に行ったアンケート調査では、あかつき証券が利用する証券会社として非常に高い評価を得ている。

販売者目線ではなく
顧客目線が不可欠な時代に

 IFAとは独立系ファイナンシャルアドバイザー(Independent Financial Adviser)の略で、金融機関から独立・中立的な立場で顧客に資産運用のアドバイスをする。あかつき証券は2014年からIFAビジネスへ参入。長年培ってきたノウハウを生かしている。

 「当初はマーケットが大きくないうえに、大手オンライン証券が先行していたため、積極的に営業をしても契約には結びつきませんでした。当然、部門別損益は赤字に。しかしながら、お客さま本位の営業スタイルは米国同様に日本でも必ずスタンダードになるという確信のもと、IFAビジネスへの投資を継続。2年前ぐらいから収益の柱となったと実感しています」と工藤氏。

 2018年頃から金融庁が「顧客本位の業務運営を行う」という方針を打ち出したことも後押しになったという。

 「販売者目線ではなく、お客さま目線に立って商品を提案していく仕事に魅力を感じた金融マンが独立してIFAになるというケースが増加。弊社のサポート体制や取扱商品の優位性などを理解してもらえるようになり、それが口コミで他のIFAに伝わる形で契約数は次第に増えていきました」と工藤氏。

 老後資金の「2000万円問題」が2019年頃にクローズアップされたことで、自助努力の必要性を感じた顧客の意識変化も影響しているという。

 「ライフプランや資産状況を踏まえて提案してくれる専門家のサポートが必要だと考えるお客さまが増え、IFAの存在感も高まってきました」(工藤氏)

 とはいえ、欧米に比べて日本のIFAの認知度はまだまだ低いのが現状だ。「米国では証券投資の顧客資産27兆ドルのうちIFA経由が約21兆ドルと言われていますが、日本ではまだ2兆~3兆円程度。現在、弊社が契約しているIFAは800名程度ですが、今後、高い志を持った方たちが爆発的に増えていくと予想しています。その中でサポートのレベルを維持、向上させていくことが重要だと考えています」と工藤氏。

ITインフラの充実でも
IFAの営業活動を後押し

 あかつき証券では、人的なサポートと共にシステム的なサポートにも注力。商品やコンプライアンスの情報を一覧できるIFA向けサイトを提供する。

 「条件を入力すると瞬時に提示される仕組債のプライス提示システムは、業界初の試みとなります」(工藤氏)。サイトの利便性の向上を図るために開発を継続しており、今年6月に第2フェーズが、9月にはさらにサービスを向上したものをリリース予定だ。

 「IFAが必要とするサポートを熟知しているスタッフがあかつき証券の圧倒的な強み。実直にやってきたことがいま花開いているのだと考えています。外資系の証券会社と提携しての金融商品開発、地域に根付いた信用金庫との業務提携など、新しい取り組みも進めています」と工藤氏は言う。

 老舗でありながら新たな挑戦を続ける姿勢。それが飛躍の理由のようだ。

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