ランゲ1

時計専門家も多く愛用する芸術的腕時計 A.ランゲ&ゾーネの魅力に、銀座で触れる 時計専門家も多く愛用する芸術的腕時計 A.ランゲ&ゾーネの魅力に、銀座で触れる

A.ランゲ&ゾーネ。
その名を初めて耳にしたのは、腕時計に詳しい知人から
「世界屈指の高級腕時計」と聞かされた時だ。

以来、雑誌などを見るたびに目に留まるようになり、
その長い歴史と他にはない哲学、細部まで美しい丁寧な仕上げに心惹かれ、
だんだん本物を見てみたくなってきた。

高級腕時計ブランドが軒を連ねる銀座並木通りに
「A.ランゲ&ゾーネ ブティック 銀座」があると知り、訪れてみた。

表からの視線を適度に遮るようにレイアウトされた什器

クロノグラフやクオーターリピーターを搭載した貴重な懐中時計

上/表からの視線を適度に遮るようにレイアウトされた什器によって、落ち着いた空間に。奥には特別な接客スペースも用意する。下/1891年に製作された、クロノグラフやクオーターリピーターを搭載した貴重な懐中時計。豊富な展示物により、長い歴史を肌で感じることができる。

176年に及ぶ激動の歴史を持つ
ドイツの名門ブランド

 「A.ランゲ&ゾーネ ブティック 銀座」に足を踏み入れると、そこにはダークグレーを基調とする重厚感あふれる空間が広がっている。すぐに、温かな笑顔をたたえたスタッフが静かに近づいてきた。初めて訪れたことを伝えると、柔らかな物腰で店内奥に設えられた歴史を説明するコーナーへと導いてくれる。

「ドイツのザクセン州グラスヒュッテで、時計師のフェルディナント・アドルフ・ランゲが1845年に立ち上げた腕時計ブランドです。1868年、アドルフの長男が加わった時、“ランゲとその息子たち”という意味を持つA.ランゲ&ゾーネへと名を改めました。ただ残念なことに、第2次世界大戦後に東ドイツ政府によって国有化されてしまい、復興したのは1990年の東西ドイツの再統一がきっかけだったんです」

創業者ファミリーのウォルター・ランゲを中心に、1994年には復興第1弾コレクションを発表。以来、30年近い年月が経つが、マニュファクチュール(自社一貫生産)と手仕事を重視する姿勢は変わらないそうだ。その歴史を知るほどに、ますます魅了されていく。

グランド・ランゲ1 ランゲ1・タイムゾーン

時計を選ぶ至福の時間

上/「ランゲ1」ファミリーがずらり。やや大型の「グランド・ランゲ1」や各国の時刻を表示する「ランゲ1・タイムゾーン」も並ぶ。下/複数の時計を見比べながら時計を選ぶ至福の時間。ムーブメントの解説には特に熱がこもるが、美しい仕上げにはそれだけの価値がある。

美しく精緻な心臓と
個性的な顔が際立つ「ランゲ1」

続いて、エントランス近くのショーケース前に案内された。

「A.ランゲ&ゾーネのアイコンモデルといえば、1994年の復興第1弾モデルの一つとして登場した『ランゲ1』です。大きな窓が2つ並ぶアウトサイズデイト、時分、秒などの各表示が重なり合うことなくオフセンターに配されたダイヤルが目を引くモデルです」

これこそまさに、雑誌で何度も目にしたモデルだ。スタッフの熱のこもった説明が続く。

「A.ランゲ&ゾーネでは丁寧な時計作りを行っているため生産本数が決して多くありません。ゆえに、これだけのモデルを同時に見られる場所は、実は非常に限られているんですよ」

早速、スタッフに気になっていた2本を出してもらった。ホワイトゴールドモデルは針に夜光塗料が施され、スーツだけでなくカジュアルなスタイルにも合わせやすいと感じる。ピンクゴールドモデルはクラシックな雰囲気が引き立ち、華やかな美しさがある。さらにケース裏からは、ムーブメントを見ることができた。

「テンプ受けには彫金仕上げが入っていますが、職人によって微妙に作風が異なります。手作業をとても大切にしているという姿勢が見えるディテールです」

人の感性に訴えかける機械に、“アート”にも似た価値を感じた。

ツァイトヴェルク・デイト

五分時計

上/大きなデジタル表示が特徴の「ツァイトヴェルク・デイト」。写真の時計が表示するのは、5時13分だ。秒針が60を差すと、表示がカチッと動く。下/ブティックの壁には、「五分時計」のミニチュアが飾られている。このデザインは、ランゲ1のアウトサイズデイトにも用いられる。

見た目だけでなく感触や味わいも
モデルごとにまったく違う

「A.ランゲ&ゾーネはモデルごとに専用ムーブメントを持つことも、大きな特徴の一つ。他のモデルに流用することはありません」

そう言って、スタッフが別のモデルを紹介してくれた。「ツァイトヴェルク・デイト」だ。1841年に初代ランゲが師と共作した、ドレスデンのゼンパー歌劇場の「五分時計」をイメージしたという、デジタル表示の腕時計。五分時計はランゲ1でもモチーフとなっており、そのレプリカが店内の壁に飾られている。

「最大で3枚のディスクを同時に回転させられる強いトルクを生み出すため、動力ゼンマイも強力。実際に巻き上げていただくとおわかりになると思いますので、ぜひ」

促されるままにリューズを回す。確かに先ほどのランゲ1と比べると指に伝わる重みが違う。A.ランゲ&ゾーネの時計は、感触でも楽しい時計なのだ。

リヒャルト・ランゲ

A.ランゲ&ゾーネの様々なバリエーション

上/「リヒャルト・ランゲ」は3針モデルながら、ケース径は40.5㎜で厚さは10.5㎜。やや大き目なので、スーツはもちろんカジュアルスタイルにも似合う。下/稀少なモデルが多いA.ランゲ&ゾーネ。様々なバリエーションを同時に見ることで、より深くブランドの哲学が見えてくる。

ブランドを愛するスタッフとの
時計談義も楽しい

他にも、「ビジネスシーンに映える美しい腕時計」として出してくれたのが「リヒャルト・ランゲ」だ。初代ランゲの長男の名を冠した、高精度をより追求したモデル。実際に腕に巻いてみると、しっかりとした存在感と心地よいフィット感がある。

「シンプルな中3針ですが、ケースは大きくて厚いんです。これは高い精度を実現するために、大きな香箱を収める必要があったから。A.ランゲ&ゾーネの時計には、すべてに理由があるんですよ」

スタッフはA.ランゲ&ゾーネの腕時計そのものを深く愛するだけでなく、ブランドの文化や歴史にも精通しているため、時計談義が尽きない。こうした良好なコミュニケーションも、長く愛用していく腕時計を選ぶ上では重要なポイントになる。

これほど濃厚なA.ランゲ&ゾーネの世界は、ブティックでなければ堪能できない。だからこそ、ここに足を運ぶ価値があるのだと実感した。

A.ランゲ&ゾーネ ブティック 銀座

東京都中央区銀座6-7-15 第二岩月ビル1F
TEL 03-3573-7788
営業時間 11時〜19時 不定休

ビジネスシーンで映える、
美しき3つの世界

ランゲ1

ランゲ1

1994年にデビューしたアイコンモデル。時刻表示をオフセンターに配置し、スモールセコンドやパワーリザーブ表示、アウトサイズデイトなどをバランスよくレイアウトしている。すべてを重ねないことで視認性を高めるという理論から生まれた個性的な顔は、今でも揺ぎない人気を集める。なお10時位置のプッシュボタンは、カレンダー修正用である。

手巻き、18KPGケース、径38.5㎜、447万7000円

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ツァイトヴェルク・デイト

ツァイトヴェルク・デイト

機械式デジタル表示の傑作「ツァイトヴェルク」のデビュー10周年となる、2019年にリリースされた1本。カレンダー表示を追加しており、ダイヤル外周部の赤くなった部分が日付となる。カレンダーの修正は8時位置のプッシュボタンで行い、4時位置ボタンは時表示の修正用。強いトルクを安定して発生させるために、コンスタントフォース機構が組み込まれる。

手巻き、18KWGケース、径44.2㎜、1196万8000円

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リヒャルト・ランゲ

リヒャルト・ランゲ

初代の長男であるリヒャルト・ランゲの名を冠した時計で、彼が製作した科学観測用のデッキウォッチの伝統を受け継ぐ高精度モデル。大きなダイヤルの端まで伸びる長い針も特徴だ。このホワイトゴールドケースにブルースティールの時分秒針を組み合わせるモデルは、ブティック限定となる。シースルーバックから見えるムーブメントも、大きくて見栄えが良い。

手巻き、18KWGケース、径40.5㎜、411万4000円
*ブティック限定エディション

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お問い合わせ

A.ランゲ&ゾーネ

TEL 0120-23-1845

https://www.alange-soehne.com/ja/

文=篠田哲生 写真=田川友彦