アムコン

世界76の国と地域で導入される汚泥脱水機
世界で評価を受けるニッポンの技術で
汚泥脱水機にさらなる革新を

汚泥の水分を抜き、産業廃棄物の量を減らす汚泥脱水機。国内だけで1850台を納入し、世界76の国と地域で4900台以上を販売するアムコンは、今年6月に機能を大幅に向上させた新製品「ヴァルートデュオ」を投入。世界中で勢いを増す中国メーカーに対し性能と品質で勝負をかける。

世界の常識を変えた
汚泥脱水機「ヴァルート

工場や家庭などから排出される汚水は処理施設に送られ、濾過(ろか)や沈殿など様々な工程を経て水と汚れ(固形物)に分離される。大ざっぱに言えばこの汚れの部分が汚泥だ。1950年代はゴミとして廃棄していたが、土壌汚染や地下水系への浸透などの公害が発生し、1970年に水質汚濁防止法によって適切に処理しなければならなくなった。

汚泥脱水機とは、汚泥を絞って水分を抜き、産業廃棄物として処理する量を圧縮するための装置だ。汚水を微生物で処理する場合、使用済みの微生物も汚泥となる。人間が水を汚し続ける限り、汚泥の発生を避けることはできない。

世界で使われている汚泥脱水機は、主に3系統ある。1つ目は遠心脱水機。洗濯機の脱水のように高速回転させて遠心力で汚泥から水を分離する。消費電力と騒音が大きい。2つ目はベルトプレス脱水機。網を掛けたローラーで汚泥をプレスして水を出す。網に汚泥が目詰まりしやすく、大量の水で洗浄し続けないと脱水し続けることができない。

3つ目はスクリュープレス式。1991年、アムコンはスクリュープレス式をベースとしたこれまで誰も見たことのない濾過体を持つ「ヴァルート」を開発した。スクリューで汚泥を搬送しながら連続的に水を抜く。

スクリュープレス式との違いはスクリューを収める外筒をリングの積層で形成したこと。脱水しながら濾過面をセルフクリーニングすることで脱水機の弱点である目詰まりの問題を克服してみせた。騒音も消費電力も格段に少ない。

それだけではない。機械加工や食肉加工などで出る、大量の油を含む汚泥は従来型の脱水機では対応が難しかった。油は冷えると固まるため、網の目の洗浄が困難になるからだ。しかし、「ヴァルート」は濾過面を自分で掃除しながら脱水するので油が固まっても脱水できる。

「ヴァルート」は、食品、機械部品、半導体、化学製品、繊維、ビル施設、下水処理場、中間処理場、し尿処理、集落排水施設など、あらゆる業界に導入され、国内だけで1850台を納入している。2007年に中国法人、2011年にチェコに欧州法人を設立し、世界76の国と地域で4900台以上を販売した。

汚泥脱水機「ヴァルート」の仕組み脱水と同時にセルフクリーニングを行うため、目詰まり防止の洗浄水に頼らず、安定した連続脱水が可能だ

新製品で従来の課題を解決、
交換部品の削減も実現

世界の汚泥脱水機市場に新しいジャンルを創出した「ヴァルート」。しかし、中国を中心に「ヴァルート」とそっくりな汚泥脱水機を出すメーカーが増え、アムコンの市場を奪っていった。

2021年6月に発売された新型汚泥脱水機「ヴァルートデュオ

この状況を打破するため、同社は今年6月に「ヴァルート」を大きく改良した新製品「ヴァルートデュオ」で攻勢をかける。

「ヴァルートデュオ」は「ヴァルート」を3つの点で進化させた。

第1の進化は、1つの外筒にスクリューを2本搭載したこと。従来の「ヴァルート」では、繊維状物質が多い汚泥だと筒内閉塞してしまうことがあった。「ヴァルートデュオ」は2本のスクリューが筒内で逆方向に回転し、汚泥を崩しながら前に進めるため筒内閉塞しづらい。従来の「ヴァルート」よりも対応できる汚泥の幅が広がった。

第2の進化は、可動リングやスクリューなどの消耗品の寿命を飛躍的に延ばしたことだ。ステンレス部品の接触を防ぐ構造に設計を変え、部品の摩耗を避けている。処理性能120kg-DS/hの装置を8.2年間使用で比較した場合、「ヴァルート」の交換部品の総重量は1088kgだったのに対し、「ヴァルートデュオ」は約4分の1の274kgで済む。環境負荷を大きく下げ、企業のSDGsの取り組みに貢献する。

第3の進化は、長期にわたって高い脱水性能を維持できることだ。「ヴァルート」は部品交換が近づくにつれて脱水性能が低下していく。「ヴァルートデュオ」は脱水性能に関わる消耗部品がほとんどないため、脱水性能の低下が見られない。「処理可能な汚泥の領域を拡げ、脱水性能を向上させました。世界のお客様に性能と品質を訴求していきます」と代表取締役の佐々木昌一氏は自信を見せる。

汚泥脱水機方式別比較表4種の汚泥脱水機を各項目で比較したもの。費用面でもアムコン製品の優位性が見て取れる

SDGsの取り組みとして
高い効果が期待できる汚泥処理

「世界ではまだ汚泥をそのまま廃棄し、深刻な土壌汚染や地下水汚染を招いている国や地域が多くあります。当社は汚泥処理技術を通して環境汚染問題にも貢献したいと考えています」(佐々木氏)

人間が水を汚し続ける限り、汚泥の発生は避けられない。これを適正に処理できなければ、やがて地球環境に深刻な影響が出る。SDGsの世界的な目標を達成するには、まだ相当な努力と時間が必要になると佐々木氏は言う。

汚泥処理が注目を集める機会は少ないが、対応に苦慮している企業は実は多い。SDGsへの取り組みとして考えても、汚泥処理を改善できた場合のインパクトは大きい。汚泥の種類や量は企業によって千差万別なため、「ヴァルートデュオ」の真価はテストしてみないと分からない。アムコンでは、ユーザー企業の現場に実機を持ち込み、実際の汚泥によるテストを常時受け付けている。

アムコン株式会社

URL:https://www.amcon.co.jp/

TEL:045-540-8585 (代表)

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