日経ビジネス電子版 SPECIAL

スモールビジネスから始まる『ネオ日本型経営』 中小企業でもできる!“身の丈”課題解決策 スモールビジネスから始まる『ネオ日本型経営』 中小企業でもできる!“身の丈”課題解決策

2021年9月28日、29日に開催されたウェビナー(Webセミナー)「スモールビジネスから始まる『ネオ日本型経営』」。今回はその中から、「中小企業でもできる!″身の丈″課題解決策」と題されたトークセッションをレビュー。かね徳 代表取締役社長の東村具徳氏と経済ジャーナリストでありイノベディア代表の内田裕子氏、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.法人事業部門副社長/ジェネラル・マネージャーの須藤靖洋氏が、中小企業が抱える課題と解決策について鼎談した内容を紹介する。モデレーターは、「日経ビジネス」の発行人である伊藤暢人が務めた。

PR:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.

2021年9月28日、29日に開催されたウェビナー(Webセミナー)「スモールビジネスから始まる『ネオ日本型経営』」。今回はその中から、「中小企業でもできる!″身の丈″課題解決策」と題されたトークセッションをレビュー。かね徳 代表取締役社長の東村具徳氏と経済ジャーナリストでありイノベディア代表の内田裕子氏、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.法人事業部門副社長/ジェネラル・マネージャーの須藤靖洋氏が、中小企業が抱える課題と解決策について鼎談した内容を紹介する。モデレーターは、「日経ビジネス」の発行人である伊藤暢人が務めた。

PR:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.

“身の丈”で実践するDX改革 “身の丈”で実践するDX改革

本日のテーマは、中小企業が身の丈に合った改革で課題を解決する手法について。まずは、兵庫県芦屋市に本社を構える「かね徳」の東村さんに、コロナ禍で直面した課題とその解決のために実践しているDXについてお伺いします。

パネリスト

東村 具徳氏

かね徳 代表取締役社長
東村 具徳

1989年早稲田大学卒業。同年株式会社東村德太郎商店入社(後に株式会社かね徳に社名変更)。1999年に株式会社かね徳常務取締役就任。2007年に同社代表取締役社長就任。

東村氏「かね徳」は生珍味と呼ばれるご飯のお供や寿司ネタなどを製造、販売している企業です。1925年創業で、国内従業員数が120名、ベトナム工場で220名が働いています。コロナ禍前はオンラインでの業務は全く行っていませんでしたが、2020年4月の緊急事態宣言を受けて、チャットツールなどの活用を開始。手探りで仕組みやルールを作ってきました。大掛かりなことをしたつもりはありませんが、オンラインでいかに上手くコミュニケーションを取るのか、どう組織を動かしていくのか、を考えました。DXは、アナログをデジタルに置き換えるだけでなく、デジタルという手段で組織に変革を起こすことが本質だと考えています。現在、導入しているツールは、オンライン会議やチャットツール、クラウドストレージです。また、RPAで業界情報の収集を自動化しており、今後は定型的な仕事にも活用する予定です。これらを活用したDXによって最も生産性が向上した取り組みが、「ワンストップミニミーティング」でした。従来は、情報が伝言ゲームのように伝わっており、往復にすれば何度もコミュニケーションが発生します。しかし、オンライン会議ならば、1度で全員が情報を共有できる。ワンストップミニミーティングの頻繁な開催こそ、弊社の生産性向上のカギでした。

トップ自ら、先頭に立って、身の丈に合わせてDXに取り組まれていることがよく分かりました。経済ジャーナリストでもある内田さんは、今の話を聞いて、どのような感想を持ちましたか。

内田氏大変な状況が続く今、好調な企業とそうでない企業は二極化しています。好調な企業に共通しているのは、使命感と理念があること。その上で、ビジネスモデルの将来予測を行い、事業計画を立て、説明責任を果たし、実行している会社は強い。重要なのは、トップ自らが動き、現場と信頼感で結ばれていることです。それがあれば、いざというときにスピード感を持って時代の変化に対応できます。「かね徳」さんの事例は、まさに好調な企業の代表例。素晴らしいと感じました。

確かに、中小企業が身の丈でできるDXの好例です。今回はアメリカン・エキスプレスの須藤さんにも参加頂いていますが、一般の方には、アメリカン・エキスプレスと中小企業が結びつかないかもしれません。

須藤氏はい、多くのみなさまには個人向けカードの印象が強いかと思います。しかし、法人部門の成長も著しく、個人カードと肩を並べる規模に近づいています。2004年から中小企業の経営者や個人事業主向けに「ビジネス・カード」を発行しており、中小企業や個人事業主へのビジネス支援を続けてきました。建設業、医療、IT関係など、幅広い業種でDXのためのツール導入の際にもお役立て頂いています。

ニューノーマル下の中小企業の課題とは ニューノーマル下の中小企業の課題とは

次は、中小企業が抱える課題について話を進めたいと思います。経営者である東村さんは、次の一手としてどのような取り組みをされていますか。

パネリスト

内田 裕子氏

経済ジャーナリスト/イノベディア代表
内田 裕子

玉川大学卒業後、大和証券に入社。社内TV放送のキャスターなどを経て、2000年財部誠一事務所へ移籍。経済ジャーナリストとしての活動を始める。2020年イノベーションに特化したメディア「イノベディア」を設立。

東村氏オンラインのお陰で、拠点間の距離がゼロになりました。これを踏まえて、仕事のあり方を再構築しています。特に注目しているのが、画面共有。オンラインで、営業担当者一人ひとりにコーチングができるようになりました。具体的には、私と本部長が支店長に、支店長が担当者にコーチングを行っています。クラウドストレージにアップした資料や記録、販促チラシ、予算などを基に、その画面を共有しながら言葉で説明できるところがいいですね。

内田さん、須藤さんは、中小企業の課題をどのように見てらっしゃいますか。

内田氏経営者の方は「DXをやらなくてはいけない」という危機感をひしひしと感じています。しかし、投資を考えると躊躇してしまう。「かね徳」さんのように、お金を掛けなくてもやる気さえあればできることがあることを知ってほしいです。

須藤氏相談相手がいないことも課題の一つです。実際、どこから情報を得ていいかも分からず、何から手を付けて、どう進めていいか分からない企業も多いと思います。アメリカン・エキスプレスにはビジネス・カード会員様へ様々なビジネスのコンサルティングを無償で提供するチームがいるので、ぜひ活用頂きたいです。一例ですが、私たちのお客様からDXで勤怠管理のプロセスを改善したいといった要望がありました。そこで、企業規模や事業戦略などをお聞きし、勤怠管理サービスを提供する会社とマッチング、サービス導入のお手伝いを行いました。経営者の方には、使えるものは何でも使うという姿勢を持ってご相談頂きたいですね。

中小企業では経理周りの改革でも苦労するケースが目立ちます。

内田氏特にファミリー企業では、経理のディスクローズ(情報開示)を軽んじている経営者も少なくありません。しかし、スピード感を持って経営を進めるには、従業員との信頼感が必要です。売り上げや利益、経費など経理周りを見える化して、情報を共有することが大事になってきます。そうすれば、従業員も経営を自分事として捉え、知恵も出てくる。結果として、DXも進みます。そのためにも、経営者自身が意識を変革しなくてはいけません。

パネリスト

須藤 靖洋氏

アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc.
法人事業部門副社長/ジェネラル・マネージャー
須藤 靖洋

1990年にアメリカン・エキスプレスに入社。2011年にマーケティングの副社長に就任。2015年に個人事業主、中小企業経営者向けサービスを統括する副社長に就任し、その後2016年より現職。

須藤氏ビジネス・カード導入により、支払いがデータとして蓄積されるので、経理の可視化が進み、DXの一つのステップとなります。データによるペーパーレスが進めば、経理の業務も軽減し、その分の労力を本業に投資するなど、業務改善が見込めるのもメリットではないでしょうか。もう一つ、支払い額が大きいビジネス・カードでは、個人カード以上にポイントが貯まります。ポイントを活用し、福利厚生、備品購入といった形で従業員の方に還元いただくことも可能です。カードの年会費は経費での計上が可能ですし、経営を圧迫するほどの負担にはならないと思います。

NEXT

中小企業が成功するための条件とは