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コロナ禍で企業を取り巻くさまざまな環境が大きく変化している。
小手先ではない本質的な事業価値を高めることが急務の今、
コーポレートガバナンス(CG)も実効性が重視されるようになった。
これから求められるCGの深化とは。
企業の経営を人材開発・組織開発の側面から強力にサポートする
株式会社セルム代表取締役社長の加島禎二氏が、同社が提供する経営塾の講師も務める
慶應義塾大学准教授で経営戦略の専門家、琴坂将広氏に話を聞いた。

創発する組織へ セルムSpecial対談

コロナ禍で企業を取り巻くさまざまな環境が大きく変化している。
小手先ではない本質的な事業価値を高めることが急務の今、
コーポレートガバナンス(CG)も実効性が重視されるようになった。
これから求められるCGの深化とは。
企業の経営を人材開発・組織開発の側面から強力にサポートする
株式会社セルム代表取締役社長の加島禎二氏が、同社が提供する経営塾の講師も務める
慶應義塾大学准教授で経営戦略の専門家、琴坂将広氏に話を聞いた。

社外人材との有益な関係が、多様性としての企業価値を生む

加島CGコード(※1)が改訂されましたが、琴坂さんは社外取締役も多く経験されて多面的に経営を研究し、実践・検証をしています。現在のCGの動きをどのように捉えているのでしょうか?
※1.CGコード:上場企業が行う企業統治(コーポレートガバナンス)においてガイドラインとして参照すべき原則・指針

琴坂日本では今アメリカに追随する形で経営の監督と執行を分離することが先立っていますが、アメリカではボード3.0という言葉で社外取締役の実効性を議論する動きもあります。社外役員としての中立性は担保しつつ、経営パートナーとして事業や経営判断を深いレベルで理解し、マテリアルな助言ができる社外取締役を目指すべきだというものです。そのためには月に一度の取締役会参加だけでは到底難しい。同じ強度で同じ船に乗る覚悟のある社外取締役と共に、取締役と執行の新しい役割定義を議論し定めていくべきです。

加島CGにプロとして関わる人間はリスクを取ったオーナーシップ、リーダーシップを発揮できる人材でなければならないということですね。

加島氏の写真

株式会社セルム

代表取締役社長

加島 禎二

1300人超におよぶコンサルタントネットワークの礎を作り、次期経営リーダーの開発や人材開発体系の構築などに携わる。

加島CGにプロとして関わる人間はリスクを取ったオーナーシップ、リーダーシップを発揮できる人材でなければならないということですね。

琴坂それができる体制の構築も必要です。株主総会も数字を開示するモノトーンな場でなく、経営陣が自分たちの思いを株主に伝える場としてもっと使わないといけません。愛される、支持されるということは、そうでない人々も出てくるということです。CGコードを満たすことも大切ですが、自分たちの情熱をぶつけて反応してくれる株主と共に個性のある魅力的な企業作りを進めていくべきです。CGの本質は多様性、個性やそれぞれの目標を掲げる企業が増えることによって、その集合体である社会の多様性が生まれていくのだと思います。

加島CGの本質を突き詰めていくと、自分たちの個性を磨いて、いかに多くのファンを作っていくかということ。そのためにも社内のクローズドコミュニティによる経営ではなく、社外取締役の専門性も活かした新たな経営体制を構築していくことが必要ということですね。

琴坂経営においては社外取締役のより活発な関与が必要ですし、それ以外にも社内外を超えたコラボレーションのネットワークを創り上げることで、会社という型を乗り越え、企業の形を再定義することが求められています。

選ぶべきリーダー候補は「これからできるだろう」という人材

琴坂氏の写真

琴坂 将広

慶應義塾大学

総合政策学部 准教授

オックスフォード大学にて経営学博士。2016年より慶應義塾大学准教授。著書に「経営戦略原論」「START UP」などがある。

加島企業の中長期的な成長を支えるものとして、CGでは今サクセッションマネジメント(※2)が注目されています。私たちが運営する「経営塾」も時代のニーズに応えながら、内容を進化させてきました。これからの経営人材育成はどう変わっていくのでしょうか?
※2. サクセッションマネジメント:重要ポストとなる後継者のリーダーシップに相応しい人材の育成や準備に関する戦略的なプロセス

琴坂直線的なキャリア形成、単に目の前の仕事をこなしていけば良いというような成長の仕方はもう通用しません。不確実性の時代、イノベーションが求められる時代、アルゴリズムとロボティクスの時代には、早い段階からの経営経験、場合によっては大きな寄り道、殻を破るための多彩な学びが必要で、それに果敢に挑戦した人材が変革と成長をもたらすと考えます。

加島企業の中長期的な成長を支えるものとして、CGではいまサクセッションマネジメント(※2)が注目されています。私たちが運営する「経営塾」も時代のニーズに応えながら、内容を進化させてきました。これからの経営人材育成はどう変わっていくのでしょうか?
※2. サクセッションマネジメント:重要ポストとなる後継者のリーダーシップに相応しい人材の育成や準備に関する戦略的なプロセス

琴坂直線的なキャリア形成、単に目の前の仕事をこなしていけば良いというような成長の仕方はもう通用しません。不確実性の時代、イノベーションが求められる時代、アルゴリズムとロボティクスの時代には、早い段階からの経営経験、場合によっては大きな寄り道、殻を破るための多彩な学びが必要で、それに果敢に挑戦した人材が変革と成長をもたらすと考えます。

琴坂氏の写真

琴坂 将広

慶應義塾大学

総合政策学部 准教授

オックスフォード大学にて経営学博士。2016年より慶應義塾大学准教授。著書に「経営戦略原論」「START UP」などがある。

加島できるだけ早い段階から経営を意識させた教育が重要なのでしょうか。

琴坂権限を持って意思決定する経験をしたことがない人がいきなり経営を任されてもうまくいきません。意思決定の訓練をしつつ、立ち止まってインプットしたり、どんな未来を創りたいかをじっくり考える。On-the-JobとOff-the-Jobの繰り返しが経営人材の育成には不可欠だと思います。欧米では長期休暇や転職などの合間で、自身のキャリアや社会・会社の未来について考える時間が取れます。しかし日本企業ではこのギャップイヤーが圧倒的に不足しており、経営や上司から求められる課題解決に終始し、深い思考を重ねないまま経営ポジションに付いてしまうケースが多いのが実態です。

加島ギャップイヤーを早い段階から何回か用意しなくてはいけないということですね。

琴坂ジャンプアップには時間が掛かります。また、それまでに培ってきた能力は、次に必要な能力と必ずしも関係ありません。多くの場合、現場で実績がある人から選ぼうとします。しかし、大切なことは未来志向であり、過去実績に基づく“今のことをできる人”ではなく“未来を創れるかも知れない人”を選ぶべきでしょう。そういう人材に適切なサポートを付けて育てていくようなプログラムを作ることが大事だと思います。

加島ただサクセッションマネジメントの制度を設け、研修を実施するだけでは、期待するような成果は得られないということですね。

琴坂その意味で、現在私がメンターを担当している上級幹部向けのメンタリング(※3)は非常に良い機会になっていると思います。
※3.メンタリング:人材を育成する手法の1つ。指導者と受け手がマンツーマンで信頼関係を結び、あらゆる課題に向き合いながら主体性を引き出すという方法

加島私自身も経験したことがありますが、利害関係のない第三者、自分とは異なる経験値を持つ外部人材からメンタリングを受ける意義はとても大きいと思います。

琴坂スタートアップのコミュニティはそういった機能を自然と備えていますが、大企業では業界を超えてエグゼクティブ同士がメンタリングし合う場はなかなかありません。外部人材によるメンタリングや大企業が個社の枠を超えてエグゼクティブ同士がつながる場のデザインなど、セルムに対する期待は高まるばかりです。

成長曲線を引き継げる人材育成で企業を支援する

琴坂日本経済は終わったといわれますが、私はそうは思いません。日本には優れた企業がたくさんあります。セルムは人材育成という面から優れた企業が次の時代を作る後押しをする貴重なプラットフォームだと思います。

加島大企業も世界レベルでは中堅企業にすぎません。日本の大企業もまだまだ成長できる余地がたくさんある、それを自分たちが引っ張っていくという経営リーダーの輩出をサポートするのが私たちの仕事だと考えています。

琴坂経営者を徒弟制度で育成する時代は終わりました。今は社外からプロのコーチやインストラクターを入れたチームで育てる時代です。セルムにはさまざまな知見を共有し、「優れたリーダーの輩出」を支援するプロフェッショナルファームとして今後ますます存在意義を高めて頂きたいと願っています。

加島セルムは単に研修を請け負っている存在ではありません。企業と企業の形を真剣に議論し、その未来の姿を実現するために、人材領域のプライマリーカウンセラーであり伴走者として、これからも企業の成長を支え続けます。

男 2名

「社外の人と一緒に経営をする感覚は自身の多様性を磨く大切なこと」琴坂氏

創発する組織へ セルムSpecial対談

株式会社セルム
東証JASDAQ:7367
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