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Vol.5次世代型コンタクトセンター 次世代型コンタクトセンターは
顧客戦略の司令塔になる

次世代型コンタクトセンターは、
企業成長のエンジンになる

——次世代型コンタクトセンターは、企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

杉山電通デジタルでは、次世代型コンタクトセンターを「Customer Engagement Center(カスタマーエンゲージメントセンター)」と呼んでいます。その狙いは、従来のコストセンターから脱却し、企業にとっての「攻め」、つまり売り上げに貢献する仕組みを提供する組織への変革です。

 次世代型コンタクトセンターは、顧客データの連携によって応対品質を向上させ、データの分析によって業務の効率化と均一化を図ることができます。そして、オペレーターのスキルも標準化されます。顧客理解が進むので、顧客側の体験は改善し、LTV(ライフタイムバリュー)の向上にも貢献できます。

香山従来型のコンタクトセンターは、いかに早く短く問い合わせを終わらせるかということがKPIの一つになっていました。次世代型では、顧客に提案する能力までを含め、いかに深い話をするかが重要になります。応対の時間ではなく質を高めていくことが必要で、オペレーターは企業の顔として、新しい役割を担うことになります。

「Customer Engagement Center」概念図

「Customer Engagement Center」は、店舗チャネル、電話、メール、Web、SNS、IoT機器などのあらゆる顧客接点からデータを収集し、一元管理する。そのデータを分析することで顧客体験の向上と業務の効率化を図るというもの

——従来のコンタクトセンターを変革する際に、どんな課題がありますか。

香山大きく3つの壁があると思います。1つ目は、抵抗の壁です。これまで訓練を積み、実績を重ねてきたオペレーターは、「変わること」に抵抗を感じるもの。ですが、変化を恐れて従来のシステムにこだわりすぎると、クラウドの良さを生かすことができません。変化を受け入れ、標準化することに力を注ぎ、カスタマイズを極力しないことが重要です。

 2つ目は、部門間の壁です。顧客データを統合するには、システムだけでなく部門間の業務の連携が欠かせません。システム構築の際も、従来のように限られた部門だけで検討せず、各部署のメンバーを集めて議論する必要があります。

 そして、3つ目がコストの壁です。コンタクトセンターの役割は拡大し、重要度が増しています。そのため予算も、現行のコンタクトセンターの枠内に収めようとせず、何がしたいのかを吟味し、それに見合った規模の予算を検討すべきです。顧客体験の向上は、必ずしも費用対効果だけで測れない部分もあり、経営に直結する問題ですので、最終的には経営層の決断と、リーダーシップが求められると思います。

杉山企業として、顧客とどういう関係を築いていきたいかという指標を持っていると、これらの壁は突破できるのではないかと思います。常に顧客のことを考えていれば、何をすべきかがおのずと分かるはずです。

 部門間の壁についても、営業とコンタクトセンターが情報を共有するということ自体、かつてはあり得ないことだったと思います。文化的なこともありますが、最終的には評価制度など幅広い改革が必要です。顧客中心主義を推進する企業にとって、次世代型コンタクトセンターの取り組みは、全社プロジェクトと考えるべきです。

強みを生かした横断組織で顧客体験の変革を支援

——電通デジタル、ISID、電通の3社は、共同で企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する「Dentsu DX Ground」という協業体制を推進しています。この背景と狙いは何でしょうか。

香山「Dentsu DX Ground」は、企業のDX推進に向け、大規模化・複雑化するクラウドソリューションの構築・運用やデータ活用の高度化インテグレーション強化を実現するために設立された、グループ横断組織です。ISIDは金融・製造業をはじめ幅広い業界におけるDXを支援しています。2021年8月にはこの領域のビジネスを加速させるため、企業の顧客接点改革(CX)領域の技術やノウハウを集約した全社横断組織「デジタルエンゲージメントセンター」を設立しました。この新組織を軸に、お客様のCX推進に向けたインテグレーション強化を支援していきます。こうした当社の強みに、電通デジタル、電通の2社が得意とする領域を持ち寄って、さらに強力な支援ができると考えています。

杉山電通デジタルは、デジタルマーケティングの専門家として、企業と顧客をつなぐコミュニケーションプランニングを強みとしています。具体的には、クライアント企業のコミュニケーションの課題を整理して、PDCAを回していく支援を行っています。専門人材であるプランナーが、クライアント企業に合わせて伴走し、あるときはリードもしていくなど、コミュニケーションを取りながらプランニングしていきます。

 ISID、電通とワンチームでクライアント企業を支援することで、マーケティング戦略とシステム開発に一貫性を持たせることができ、優れた顧客体験を実現できると確信しています。

MAの構築とコンタクトセンターの刷新を実現

電通デジタルとISIDのそれぞれの強みを生かし、MAの構築とコンタクトセンターの刷新を実現。顧客データ基盤を共通化することによって連動、購買前の顧客情報と購買後の顧客の履歴が一貫し、循環する顧客体験を可能にする

——ISIDでは、住信SBIネット銀行のフルクラウド型コンタクトセンター開発といった事例もありますね。

香山住信SBIネット銀行様は他の企業と比べても、最新のテクノロジーを採用するスピードが圧倒的に速い銀行です。コンタクトセンターを刷新するプロジェクトも、フルクラウドを視野に入れながらスタートしましたが、技術よりも先に、コンタクトセンターをどう変えるべきかを関係部署のご担当者を一堂に集め、徹底的に議論しました。これはまさに部門の壁を乗り越えた取り組みであり、プロジェクトが成功した理由でもあると思います。ISIDも初期の段階からプロジェクトの中に入り、課題が出てくれば一緒に解決策を探ることができました。

 稼働後の評判は上々です。クラウドベースの新しいテクノロジーの組み合わせによって、応対のスピードも大幅に向上し、顧客満足度も高まっています。

——最後に、次世代コンタクトセンターを検討する企業にメッセージをお願いします。

杉山コンタクトセンターは、顧客と企業が直接つながる場所です。それだけに繊細さが求められ、かつ検討する範囲は大規模になります。特定のツールを入れればすべてうまくいくということはありません。最も大事なのは、ブランドデザインをしっかり考えることだと思います。電通デジタルは、企業の顧客戦略構築の段階から寄り添い、成功に向けたご支援をさせていただきたいと思っています。

香山同感です。ISIDとしても、システム要件のみをいただくのではなく、できればそれら要件の作成に至る構想の段階から、課題やお悩みを含めてご相談いただきたいです。私たちは企業の皆様と一緒に、その企業におけるコンタクトセンターを含めた顧客接点全体での顧客体験設計を行い、そこからコンタクトセンターの理想像を一緒に考え、実現していきたいと考えるためです。電通デジタルとの協業で、私たちができることは格段に広がっています。ぜひ、お声掛けいただきたいと思います。

「Dentsu DX Ground」の
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