株式会社かんぽ生命保険(以下、かんぽ生命)は、中期経営計画の中で「お客さま体験価値を最優先とするビジネスモデルへ転換する」と明記した。これを受けて現在、同社では、新たなお客さまとの接点としてカスタマーセンターの構築に取り組んでいる。CXを最優先とするビジネスモデルへの転換を目指すために、電通デジタルと協働しながらどのようにプロジェクトを進めていったのだろうか。
——現在、かんぽ生命は、カスタマーセンターの構築に取り組まれています。顧客基点でのサービス提供を目指した背景について、プロジェクト立ち上げ時の課題感も踏まえ教えてください。
かんぽ生命・田代康基氏(以下、田代)カスタマーセンター構築は、中期経営計画に掲げる「お客さま体験価値を最優先とするビジネスモデル」の実現に向け、柱となる施策の一つです。
現在もコールセンターなどで、お客さまからのお問い合わせに対して手続き方法のご案内は行っていますが、手続き自体は郵便局にお越しいただく必要があるなど、お客さまのご用件をその場で解決できないケースが多くあります。そこで、リアルとデジタルを織り交ぜて、お客さまとの接点を広げてサポートするとともに、その場で手続きが完結する仕組み作りを進めることで、より良いお客さま体験価値を提供したいということが背景にありました。
課題感としては、複数のサービスメニューを立ち上げるための業務設計、人材育成、業務運行までを同時並行で進める必要があったため、プロジェクト管理や社内外との調整の難易度が高いと感じていました。

田代 康基氏
株式会社かんぽ生命保険
CX推進部
企画役
保険の販売を経験した後、本社でコールセンターの運営・構築、現場の運行業務に携わる。現在はCX推進部でカスタマーセンター構築のプロジェクトに参画する中で、かんぽ生命のお客さま接点の将来像設計も手掛けている。
※2023年3月時点
電通デジタル・伊藤麻由子氏(以下、伊藤)顧客基点を持って CX向上を目指す中で、それを実際の業務に落とし込むことが非常に難しいのが実情です。ただ単に、CX推進に向けたDXによる生産性向上や業務効率化を行うだけなら、どの企業も取り組んでいることであり、支援する立場においては我々でなくても良かったかもしれません。そうではなく、お客さま体験価値を最優先としたCX向上を目指すということであれば、当社の強みが生かせると思いました。
CX向上は、働いている社員の皆さまのやりがいやモチベーションが基点となります。これがあるからこそ、そこから生まれる顧客体験が良くなっていく循環ができると考えています。その循環を生み出すためには、システムで仕組み化する必要があり、それこそがDXなのです。従業員、顧客体験、システムの3つが組み合わさって循環していく体制を、今回のカスタマーセンターで作り上げていきましょうというご提案をさせていただきました。
お客さまの声が従業員のモチベーションアップに効果を発揮し、その声によりコミュニケーターや社内が変化していくと考えています。プロジェクト自体のご支援から、このような組織の変化を世の中の皆さまに知ってもらうプロモーション施策まで、一貫して電通グループでご支援できるのではないかと考えました。
コミュニケーターのEX、お客さまのCX、かんぽ生命のDXが組み合わさって循環していく仕組みを構築。かんぽ生命の変化する様子を世の中に知ってもらうプロモーションまで一貫してサポート
田代電通デジタルさんと一緒にプロジェクトを進めることで、我々もいろいろなノウハウが吸収でき、成長できると思える提案内容だったのが決め手となりました。実際、あるべき姿の策定といった上流工程から、現場の業務の運行支援まで、一気通貫で伴走してもらっている感覚があります。我々が困るであろうポイントに適材適所で人をアサインしていただき、本当に助かっています。